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mafuterさんの恋の話との長文感想

ユーザー
mafuter
ゲーム
恋の話と
ブランド
I.D.
得点
40
参照数
483

一言コメント

システム環境が大変危ない。チョロイン。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ワンドライブで修正パッチあげてるメーカー初めて見た……そして公式サイトが閉鎖している(2016/8)。どうやらプロローグが無限ループしてしまうみたいなので修正パッチは必須。
システム、スクリプトが大変ヤバイ。デフォルメ絵の手前に立ち絵が表示されてしまったりとか「SE;雨音 ポツ……ポツ……」とかがテキストボックスに現れていて、マジですか……というレベル。個別の後半になってから目立ったのでかなり時間がなかったのだろう……。

キャラクターは優柔不断な主人公が何故かモブも含めた女キャラに好かれていて、CGを見るとどうやらイケメンなので人生の非情さを感じる。モジモジクヨクヨしている主人公の傍らに、「あたる」という高身長サバサバ系親友がいて、なかなかに男らしい考え方をしていてモテる要素ありまくりそうなのに、なぜかヒロインたちは親友でなく主人公を好きになってしまう。あたるがオタク趣味というのと主人公がイケメンということ以外にそうなってしまう理由は全く見当たらない。悲しい。主人公があまりにも無気力で優柔不断なのはおそらく「接触している人の強い感情を感じ取れてしまう」とかいう設定による影響だと思われるのだが(公式サイトがないので本当にこれであっているのかは不明)、あゆな、クラス委員長ルートではまったくその過去が触れられないので結局よく分からない。あゆなとの馴れ初めも、一回公園で落し物を拾ったら主人公に落ちたりだとか、顔という要素に触れなくては始まらないシナリオになっている。ライターは苦労しない人だったんだろうなぁ(しみじみ)。パッケージの雰囲気はよかったのでそれをそのまま作中に持ってこれると良かったのだが……。
そしてシナリオ中でも登場人物がエロゲーエロゲーだのエロゲーの主人公だの連呼している。表現したいことがないのにメタ視点を取り入れているのか? それともメタ視点カッコイイみたいなメタブームだったのだろうか。
共通は12回近い選択肢を選んで、基本オムニバス形式の選択ヒロインとのストーリーを進行させるのだが、いかにも分割して各ライターにブン投げました感が満載である。そして選択肢を選んだ後の作品ロゴを表示させる約10秒がスキップできないため、なかなかに不快である。全ルート攻略する時間の中に、選択肢の待ち時間の約8分が含まれていることになる、時間を見てしまうあたりある意味日本人の悲しい性分である。しかしやはりアイキャッチをEnterで飛ばせるのは重要なことである。

一方で曲とイラスト(差分は気にしてはいけない)、部分部分のシナリオはそこそこ良く感じた。本木咲黒さんの「BACKSPACE-ENTER」はかなり良い。イントロアウトロの薄めのテクノポップは少し気になるが、それを見越していたかのような力強い歌声が響き、癖になる。また、パッケージを見たとき声優は手塚りょうこくらいしか知らなかったのだが、委員長の中の人がノラととのナレーションの人だと知って結構驚いている。