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leonidaskunさんの春季限定ポコ・ア・ポコ!の長文感想

ユーザー
leonidaskun
ゲーム
春季限定ポコ・ア・ポコ!
ブランド
ALcotハニカム
得点
84
参照数
1743

一言コメント

コンプ後タイトル画面の破壊力

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

春季限定ポコ・ア・ポコ!をコンプリートしたので感想を書きます。
前半部分は私のブログからの引用、最後の方に少しネタバレありの感想があります。



春季限定ポコ・ア・ポコ! コンプリートしました!
すごいよこれ、想像以上に素晴らしい作品でめちゃ焦ってます。
11月はこのゲームやっときゃ良かったんや!
今までプレイしたALcotのゲームで一番良かったかもです。
(既プレイはしにきす、大泉くん、キッキン、鬼ごっこ、鬼ごっこFD)

プレイ時間は20時間弱(うち体験版部分3時間)
CGは差分なし55枚(うちSD絵10枚)、Hシーン10個。
結構容量大きめの演出強化パッチが出ているのでパッチ必須です。
ミドルプライスとはいえボリュームは十分。
内容も非常に素晴らしかったのでコスパ的にも◎

以下、簡単な感想です。ネタバレはありません。



まず最初に言いたいのは「瀬尾順さんのテキストが素晴らしすぎる!」です。
比較的1センテンスは短めなんですが、丁寧かつ惹きこまれる文章で
完全に僕の心を鷲掴みにしてくれました。
主人公およびヒロインのモノローグ、Hシーンのテキストは特に秀逸です。

Hシーンテキストはしっかりと「読ませる」作りになっていて
エロいのもあるんですが・・・うん、何か感動してしまったというね。
ナツミンのその・・・ひとりえっちとか、
シーンが出てきただけでもコロンビアガッツポーズだったのに、
テキストがさらに想像の10倍くらい良くて椅子から転げ落ちたわ!
武藤さんの描く絵もワイド画面を生かした素晴らしい構図でもうおふとんでゴロンゴロン

しかもこのひとりえっちシーンをちゃんと読む(ナニイッテンダコイツw)ことで
初Hシーンの深みがさらに増すとかなんだこれすごすぎだろ。
連邦の瀬尾順は悪魔か?!



テキストを褒めちぎっておりますが、
シナリオに関して言えばそれほど突出しているわけではないと思います。
どのルートも標準以上の完成度であることは間違いないですが。

特にナツミンルートに関しては、上述したテキストの良さに加えて
他ヒロイン及びサブキャラの絡め方・展開・演出がしっかりと作りこまれており、
文句なしの名ルートと言えます。
真奈先輩や桜の使い方が超上手いし、何よりナツミンの可愛さが異常。
このルートだけで批評空間的な意味の得点が7点くらい上がりましたw

あと声優さんの演技はどのキャラも本当に素敵です。
桜と藍の声は是非聞いて欲しいところ。個人的には真奈先輩の声も大好き。

ナツミンルートの良さをさらにぐっと引き締めているのが
ALcotお得意の「タイトル画面演出」です。やばい、ほんとやばい。
キッキンや大泉くんのエピローグ→タイトル画面も相当やられましたが
これはほんとに・・・ホントにもう・・・何も言えねぇよ!
PCとケータイ横向き画面の壁紙はしばらくこれで行くわw

ルート的にはナツミンの圧勝なわけですが、
キャラクターはどれもお気に入りです。
おすすめは真奈先輩。
たいちょーもそうだけどハニカム文庫のサブヒロイン素晴らしすぎなんだよなぁ。
理多さんボイスがもともと大好きという理由もありますが
声だけじゃなくてその役回りや性格なんかもどれもこれも素敵で
あっという間にサブキャラランキング上位に位置づけられることになりました。

ちょっと大泉くん似の親友キャラ、敦もなかなかにいい感じ。
ちょいちょいはさまれるBLネタはちょっとアレでしたが
各ルートでの役回りは素晴らしく、真奈先輩同様縁の下の力持ちとして
その力を存分に発揮していたと思います。

声優さん的な意味で言えば桜役の藤咲ウサさんや藍役の桐谷華さんもすごいです。
二人ともちょっとクセのある演技ですがこれはどちらも人気出そう。
いやもう既に話題になっている真っ最中でしょうか。
藍さんのダミ声かわいすぎなんだよw



システム的な面は体験版の感想でも触れましたが
ALcotの過去作に比べてかなり良くなっています。
ワイド画面はやっぱりいいですね~。

特にいいなと思ったのは立ち絵の鑑賞モード。
Favoriteやクロシェットのゲームにも搭載されていますが
あれよりもいい感じですね。
足先までちゃんと見えるあたりALcotさん分かってるわー。

これは僕だけなのかもしれませんがたまに
オートモードが効かなくなることがあるんですよね。
タイトル戻ってロードすれば直るんですが微妙に「んんん?」ってなることもあったり。

BGMはいつものALcotという感じ。
特にクラシック曲を意識したものではありません。
ただ、上述したタイトル画面演出の素晴らしさもあって
コンプ後のタイトル画面曲(「春花彼方」のピアノVer.)は相当心に響きました。
今もずっと裏で流れていますw

以上、コンプ直後の正直な感想でした。



冒頭でもちょろっと言いましたが11月に購入した作品の中では
一番良かったんじゃないかと思います(ナナドラ2020は除く。あれは別格すぎたw)
とは言ってもナツミンルートをプレイするまでは
「声優の演技は素晴らしいけどシナリオはそこそこ」という評価だったので
ナツミンが合わなかった場合はその評価はぐっと落ちるかもしれません。

ちなみに11月購入&プレイ済みゲームの個人的な評価は
春ポコ>>インスタントブレイン>無限煉姦>花散峪
という感じです。春ポコが頭ひとつ抜けているんじゃないかと。

瀬尾順さんはこれまでにあまつみそらに!あたりで
文章を拝読しているとは思うのですが、今作でぐっと注目度が上がりました。
評判の良さそうな作品があれば他にもプレイしてみたいところです。


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ここからはネタバレを含む感想になります。
未プレイの方はご注意ください。



ネタバレなし感想部分では結構ベタ褒めなのですが
全部が全部素晴らしいというわけでもないので、その点をこちらでちらっと言及しておきます。

一番「うーん」という感じだったのは藍ちゃんルートでしょうか。
ルートに入ってから突然現れる遥さんがやはりプレイヤーとしては感情移入しにくいです。
いろいろな事情があって冷めた性格になってしまっているのは分かるのですが
どうしてもキャラクターとして魅力が感じられず、
そしてその子を必死で守ろうとしている主人公&藍さんに対しても
だんだん興味が褪せていってしまうんですよね。
もう少し遥さんにも何かエピソードがあれば印象も変わったのかもしれませんが
ミドルプライスだとなかなか難しいところです。

藍さんがキャラとして非常に魅力的だったのでこの点は残念でした・・・
ただ、最終的なまとめ方は非常にしっかりしていてほろりとくるものだったので
決して悪いものではありません。ナツミンルートがすごすぎたんや・・・

名前が「はるか」なあたりは少し意味深ではありますが本編では特に言及なし。



桜さんルートもキャラクターの魅力ほどシナリオが素晴らしいわけではなかったかもしれません。
どこが悪いというのを指摘することは難しいのですが
単純に「物語として普通だった」という印象が個人的には残っています。
もう1シーンラブエロスなえっちシーンがあれば良かったんですが・・・



先にネガティブな点を挙げてしまいましたが
前半でも述べたとおりナツミンルートは本当に素晴らしいです。
話としてはまぁまぁベタな展開かもしれませんし、
最後の卒業式のシーンなんかは「卒業生じゃない人たちが大事な式典でなにやっちゃってんの?w」
的なツッコミもあるにはあるんですが、彼方への想いを解き放ったナツミンの前ではそんなの些細なこと。
「うわこいつかわいいやばいかわいい」とか言いながらEnterキーカチカチしてましたw
「うわああああい」や「添い寝ナツミン」など、あおなまさおさんのSD絵の破壊力も強烈でした。

一番良かったのは手を繋いだ後のひとりえっちシーン。
シチュも構図もテキストも完璧でした。ガッツポーズせざるを得ない。
特にナツミンの「彼方の戸惑う顔が見たくて胸をアピールしていた」のくだりには震えが来ましたね。
「彼方、可愛い」のあたりももうやばすぎなの。今も思い出したらちょっとテント張ってきたしw
この子最高すぎるよマジで。

このシーンの堪能したあとの初エッチシーンもまたこれ・・・ああ、最高だ。
好きな男があえいでる顔を見て喜ぶ女の人とか素敵やん(恋0の実咲さんとかもね!)

以上の点から考えると、シナリオ重視でHシーンをスキップしてしまう方からは
辛口な評価を受けるかもしれません。



とにかくいい作品でした。
ミドルプライスでプレイ時間も比較的短めなのでお手軽にプレイできるあたりも
人におすすめしやすい作品です。
コンプ後のタイトル画面を是非自分の眼で確かみてみろ!

ナツミンとの2回目のえっちシーン後にエロスな匂いではなく、
「ねぇねぇナツミン、なんで生足なの?」と桜がツッコミを入れていればワンチャン90点もありましたw