その扉は楽園への入口ではなく、現実への出口だった。しかしその現実こそが楽園となる可能性を秘めている。
先日、無事コンプリートしましたので感想を。
実は批評空間に投稿するのは初めてで少しビビッています。
でもあまりに面白いゲームだったので応援を兼ねて投稿いたします。
プレイ時間はアバウトですが未読スキップは一切せず、
ボイスも全部聞きましたので比較的長めになっていると思います。
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テキスト自体が非常に読みやすくて、
それでいて強烈に引き込まれるほどクオリティが高いのですが
真にすごいのはシナリオの構成と演出ではないでしょうか?
強烈なインパクトを与える陵辱ゲーム。
5ターン終了後の急展開。
叶/合歓ルートへの伏線を張りつつきっちりと完結する凛音、菜月、梨香ルート。
そして合歓ルート→叶ルート→TRUEルートと恐ろしいほどの完成度で
収束していくシナリオ展開。
コレだけすごいものはそうそうお目にかかれないんじゃないかと思いました。
演出面ではやはりBGMの使い方が非常に良かったです。
陵辱シーンで本気モードになったときにかかる「虐」のかっこよさは鳥肌。
主人公のモノローグテキストも非常に秀逸で
Sっ気のない僕でも異様に興奮してしまい、ちょっと自分が怖かったです。
あとは地味ながらも曲の切り替わり、ミュートがばっちりで
メリハリが完璧でした。
緊張感がずっと続いている感じで、プレイする方も大変。
そしてトドメはTRUEでのインストVer「楽園の扉」
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、
あのCGは本当にすごかったです。
通過するときの恵ちゃんの目が無機質に開かれているのも◎
キスしているように見えるのも鳥肌過ぎてもうこっちがアヘ顔。
正直泣き過ぎで息とまるかと思いました・・・
他にはセピアの使い方がうまかったですね。
もうまんまと騙されてしまったというかなんというか・・・ビクンビクン
シナリオ面について触れてきましたが、
CGのクオリティも強烈です。
はましまさんは神かなんかだと思います。
なんだろう・・・差分神?
ユーフォリアは大別してしまえば「抜きゲー」ということに
なってしまうのでしょうが、
その分類に恥じることなくエロさ全開です。
叶の旧ザクを見たときはもう卒倒するかと思いました。エロ杉。
絵の構図や塗りがいいのはもちろんですが
さらにそれを強化しているのが豊富な差分です。
10枚や20枚は当たり前、シーンによっては60枚以上差分があるものもあります。
個人的には口の表現がすごく良いと思いました。
歯を食いしばっているのや大口をあけている表情がうますぎます。
えっちなシーンは・・・うん。
なんというか体験版をやって自分でお確かめください。
直球でエロいのもありますし、吐きそうなくらいキツイものもあります。
本編ではさらに声優さんの本気をたっぷり堪能できると思います。
なんとなく前情報で「抜きゲーなのにシナリオがしっかりしている」
程度に思っていらっしゃる方もたくさんいると思いますが
あえてそれは違うと言いましょう。
このゲームのシナリオはその辺のシナリオゲーを軽く凌駕しています。
序盤の陵辱ゲームにもシナリオ的に非常に重要な意味があります。
いろいろ敬遠してしまう要素もたくさんありそうですが
是非手にとってプレイして欲しいゲームです。
あ、あとえっちなシーンもスキップせず、
ボイスもしっかり聞いてプレイするのがオススメです。
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以上は私のブログからの引用です。
これ以降にネタバレを含む感想を記述します。
未プレイの方はご注意ください。
序盤からインパクト抜群で、テキストもすばらしいです。
その興奮が最後まで続くとは思ってもいませんでした。
序盤の陵辱ゲーム終了後の救出ゲームは
本当に胸が熱くなって涙を流しながらプレイしました。
先生を救うために電流レバーを操作する恵ちゃんやばすぎる・・・
委員長の電気椅子シーンがフラッシュバックする演出も◎
叶のターン5の電気拷問をプレイした後だとさらに胸に迫るものがありますね。
そして先生の正体が最後の最後まで(場合によってはTRUEを迎えても)
伏せられているのはなかなかニクイ構成だと思いました。
救出シーンは、都合上コンプするまでに5回通過することになるのですが
スキップする必要がないくらいテンションが上がります。
凛音を鞭打ちするシーンで
「あー、さすがに顔は鞭打たないんだなー」と思ったわけですが
おそらくこの救出ゲームで合歓をボコボコに殴るシーンを際立たせるために
これまで顔を痛めつけるシーンがなかったんだと妙に納得してしまいました。
合歓のセリフも恵ちゃんの心理を表したテキストも非常に素晴らしかったです。
凛音→菜月→梨香→合歓→叶の順に攻略したわけですが、
凛音ルートはクリア後に拍子抜けしてしまう方もいるかもしれません。
僕も最初はかなりがっくりきたのですが、TRUE END後に評価が格段に上がりました。
エンディング丸ごとTRUEへの伏線になっている(と僕は思っています)のには圧巻。
菜月ルート/梨香ルートはごく一般的なハッピーENDとなっていますが
TRUEルートへの謎や伏線を微妙に残しつつ締めくくる良いENDです。
早く次をプレイしたくなります。
合歓ルートは叶ルートのロックを解除するための鍵となっているようですが
出来ることなら他3人をクリアした後で合歓→叶と攻略するのがいいと思います。
合歓ルートではうまいことプレイヤーにミスリードさせる演出が光ります。
セピアをうまく使って幼少期の合歓の目と髪の色をうまくごまかしているところとか。
(確か叶の髪の色を「茶色」と言及しているところがあったと思うのですが
これももしかしたら伏線的な何かだったのかもしれません・・・)
叶ルートをやるまでまんまと騙されていたというかなんというか・・・参りました。
最後の最後まで「なんなの?どういうことなの?犯人は叶さんなの!?」
という状態でもうこっちがアヘ顔でプレイしていました。
夢か現実か分からなくなってくる感覚を効果的に演出しているのが
序盤で首輪の意識操作について言及している点だと思います。
これもニクイ演出ですね。
「てぃんくるてぃんくるりとるすたー♪」のあたりも強烈でした。
このシーンだけでも相当泣けたわけですが、
さらに後で合歓、叶、恵輔の3人で流星群観測の約束をしているところとかも
かなりぐっときました。先に叶との回想で出てきているのも手伝って効果絶大です。
そして圧巻はやはり「扉」のシーンでしょう。
BGMだけでもう完全に涙腺決壊しているのに
扉が開いて恵ちゃんが死んだ魚のような目をして通過していくCGが出てきたときは
もう気が狂ったんじゃないかと思うくらい声を上げて泣いてしまいました。
真横から視点ということで通り過ぎるときに
合歓と恵ちゃんの唇が合わさっているように見えるのも本当に素晴らしいです。
(正直この文章書きながらちょっと涙出てます)
スタッフロール後のエピローグよる補完も非常に良かったです。
合歓の髪を下ろした姿はどこかで来るはずと思っていましたが
最後の最後で・・・
叶のあの最期は、人間の儚さ、あっけなさ、当たり前のように死ぬという現実を
プレイヤーに見せつけている感じがして僕の中では非常に印象的でした。
FUCK YOUも◎
こうして感想を書いていると本当に非の打ち所がない素晴らしい作品であることを
改めて感じさせられます。
これだけ褒めちぎると「信者乙」と言われてもやむなしという感じですが、
どうにも非難する粗が見つからないんですよね・・・
ちょこちょこ誤字があるとか、2回ほど文章の重複
(演出ではなくこれはミスだと思います)があった点くらいでしょうか?
序盤の陵辱シーンであれほどひどいシーンを見せつけられているのだから
鍵穴じゃないキャラにもっと反応があってもいいはず、
という意見も目にしたのですが、
結局合歓叶菜月は真実を知っているわけですし、凛音はああいう感じだし(苦笑)
そういう理由から反応が薄いのかなぁ、と。
梨香ちゃんは凛音や合歓がうまいこと諭したのかなぁと考えています。
何よりあれ以上梨香ちゃんをウザくすると
ちょっと話がブレてしまうかもしれませんのでw
あと、1点だけわからないのが「凛音が右足を引きずっていた」という描写なんですが
これってどこかで言及されていたでしょうか?
それだけ少し気にかかっています。
以上、かなり長くなりましたが1周コンプリートした後の正直な感想です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。