ただファックファック言ってるだけの作品では無かった!
情報開示から販促まで一貫してバンドモノ!と謳っていたので正直コンセプト的にはバンド経験者とそうでない人達での温度差といいますか、そうでない人達に入る私は敷居の高さを感じていましたが、流石は瀬戸口氏、やってくれた!っていう。
共通ときらり以外のルートを余りバンドとは関係の無い話にしたのには良い意味で期待を裏切られた感がありましたね。勿論バンドの所も面白かったのですが。最初の文化祭でやる→全国ツアーへみたいな広がり方もとても好感が持てました。
只ああやって日本全国を行脚して、知り合いを作っていくのだから最後は全員終結してライブ、みたいなものがあるかな?と想像していたのですが当てが外れましたね。その人脈というか人間関係の使い方が刹那的でキャラクター的にもちょい役過ぎて勿体無い感が。それと共通とルート分岐してからで絡み云々のせいもあるでしょうが結構キャラクターの性格が違う様な、特にきらり。何かずっと食べ物の事ばっかり言って偶に主人公と喧嘩するしなんだかなぁと、樫原は絡みが非常に少ないですし、千絵姉は弱みを見せる見せないの違いって感じで特に違和感を感じませんでしたが。主人公は元々変な子だしなぁ。
どちらかというと全国行脚編はバンドが主人公って感じでキャラ達がどうこうっていう感じじゃなかったんですよね。まぁ共通から分岐したらそうではなくなったので個人的には問題は無いと思うのですが。
素人から始めて系の鬼門となる練習風景をカットしていったのはテンポ的には全然構わないと思いますが、ライブの演奏のカットも多いのは少し残念に思いましたね。それはそうと体験版のみの曲関連はやっぱり版権上の問題で作品内には入れられなかったんでしょうか。
・樫原ルート
ギターの事はあるけれど、これは共通とはほんとに関係ない話になって面食らいましたね。でも内容的には結びまで良く出来ていて、作品内のルート別シナリオとしてはきらりのハピマニルートの次に好きかな。あとこの作品で貴重なエロ分を補給できるっていう。
・千絵姉ルート
苗字を何て読むのか千絵姉ルート入ってから知ったのは私だけではない筈。
主人公については一番掘り下げられていて、シナリオも最終的には小ぢんまりとした感じですがよくまとまっていたと思います。翠ちゃんはどうだったんだろう、必要だったのかどうかは一寸疑問が残るんですよね、まぁ端役だからこそのあの立ち位置だったとは思うのですが。
・きらりルート
私的にはTRUEEND→ハピマニEND
HAPPYEND→きらり生存END
好みから言わせて貰えばハピマニENDの方が好きかな、あの後の展開が気になりますしあのバンド面子が好きです。
HAPPYENDの方はある意味予想出来たオチであって、きらりENDっていうより大団円ENDって感じがして何ともなぁ。キャラ自身よりもシナリオが先行しちゃっている様な印象がありました。
鬱展開についてですが、多少強引な形ではあるものこのメーカー信者にも多そうなGROOVER信者にとってはこういう展開は慣れている事ではないのかな。瀬戸口節が入っていて多少方向性は違えども早苗ちゃんを思い出したり幽霊みたいな若干SFチックな所もあったりね。その辺逆に私は「らしくて」良いじゃないかなと思った訳ですが。
・おまけ:恩田正雪END
正直吃驚した。勿論あの選択肢が出たからには一週目の一番最初のENDはあれにっていう、ENDだけ作ってHシーンが無かったのは勿論期待していいんですよねっ!
キャラは全般的には良かった、特にサブキャラを中心に多くの魅力を感じました。
男キャラで一番好きなのは殿谷で女キャラだとメイン合わせても智さんかなぁ。
一つ気になったのがSONG鑑賞はあるけどBGM鑑賞はないのね、サントラあるから良いよね的な感じか。
確かにOVERDRIVEの独自性は今作でかなり良い形で出てきたかもしれません、ですが次はまぁエーデルワイスFDだからいいとして、完全新作を出す際にその作品の傾向をどうするかっていう所が重要だと思います。
いやまぁ色々やってどったばった振り回されるのもファンとしてはアリだと思いますが、今回の企画も当初はノリと勢いでやったんじゃって感じもありましたしね。
所で次の作品は当初の予定通りならエーデルワイスFDで、今回あれ程までに魅力のあるサブキャラ達を盛り込んだって事は勿論期待しちゃっていい訳ですよね?あと次の夏コミとかでもいいですから樫原シーツとか抱き枕カバーを切望。
何にせよ今後とも期待しております。良いお年を。
以上はOVERDRIVE作品としての見方で以下は瀬戸口作品として。
シナリオ的には今までCARNIVAL、SWANSONG、これと来ましたがCARNIVALは一寸好きになれず、SWANSONGはとっても好きなんですよね。そして今回のも面白かったなぁと。
主人公がかなり斜な子が多くそこが好きになれるかどうかが私的に好きになれるかどうかの分かれ目になっているんじゃないかなぁと見ています。でもまぁCARNIVALは処女作でしたしソロでも無かったので、そう考えると特に妙な意識を持つ必要は無いのかな。
そしてテキスト的には殿谷や主人公、樫原に見られる特徴的なキャラの口調がとっても好みです、あれぞ瀬戸口節みたいな感じで好き。翠のも上手いなぁとは思いましたけれど、ああいう喋り方の子は個人的には、ねっていう。
ところでちゃんとオブラートに包んで瀬戸なんとかさんって言った方がいいのかなとも考えたのですが、批評空間って場なので許して下さいね^^;