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kurageさんのカタハネの長文感想

ユーザー
kurage
ゲーム
カタハネ
ブランド
Tarte
得点
90
参照数
1537

一言コメント

ボク、ニンジンとピーマン、へいきになったの

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

あ、やべ涙出そう。

クロハネからシロハネへ、カタハネの物語が、今始まる―――――うぃず、こーこ

まず、ヒロイン攻略型のギャルゲーではありません。
セロと結ばれるのはワカバ、アンジェリナと結ばれるのはベルと決まっています。ココとHも無いからね。

百合要素が多分に盛り込まれていますので好きな方は楽しめるでしょうが、逆の場合はちょっと難儀な部分も多いかと。

共通シナリオが殆どです、ココ編の終わり方はかなり上手い具合に纏まっているのでこれ一本道にした方が良かったんじゃないかなという感想を持ちました。アンとベル、セロとワカバの話は必要だとは思うけれど、隣に横たわっているクロハネが前面に出てきてしまっているのでどうも盛り上がりに欠けてしまうというか。

なので、アン編ワカバ編の後に出現するココ編まで全てプレイすることを推奨します。

シロハネとクロハネでは内容のベクトルが結構違います。構成の仕方としてシロハネの流れを切り、割り込む形でクロハネが入ってきてしまうのは如何なものかと思いました。クロハネプレイ後のシロハネでも舞台の世界観の基礎知識を把握するという点では役立ってくれるので、まず最初にこれを持って来るべきだったのではと。

体験版ではクロハネがプレイ出来る様ですが、声が無いのと一部シーンのカットもありますし、難しいなぁここ。

・クロハネ感想

そう、それは一つの御伽噺

白の国のお姫様クリスティナ・ドルンと「天使のはばた
き」という劇に参加しに赤の国からやってきた美しき羽を持つ人形エフェ。二人は白、赤、青の三国の不安定な情勢の渦の中で惹かれ合っていきます。

一つ一つをどうこう挙げるというよりこれは全部ひっくるめてクロハネという作品で、要素が互いに干渉し合って、いい感じに纏まっているというのが感想ですかね。
常に危険な状況と隣り合わせなので相対的に盛り上がりに欠けるって所があるかも。

姫様とエファの女女関係については百合の趣味がない私は淡々と読み進めるだけでした。

ココ可愛いよ可愛いよココ

デュアー、かっこよかった、よー

アインはシロハネのココ編で報われます、決闘のシーン以外は余り見せ場もあるわけではないのですが、よかったね。

・シロハネ編

のんびりー、まったりー、ゆったりーとしたお話。
一言で言うと、劇を成功させよう!ってお話。

特にクロハネ後の後半は駆け足というかシーンが飛ばし飛ばしになってしまっていて残念。劇とかも最初から最後までやりませんし・・・

歴史の謎を解き明かそうとする青年セロと、小説家を目指す女の子ワカバ。セロの奇妙な同居人ココとワカバの弟ライト 、演目『天使の導き』でクリスティナ&エファの役割を演じるアンジェリナ&ベル等等多くのキャラ達と日常での色々な組み合わせ、やり取りを楽しむのがこのシロハネ。

セロとワカバは最後の一歩が踏み出せないカップル未満。セロはココ編以外これといって活躍しないんだよね。ワカバはシロハネでは一番出番が多い、かな?ちょっと押せ押せで余り好きなタイプじゃないのですがセロの好みはこの子なんでしょう。切符の件や原稿忘れの件など洒落にならない所があるのは個人的に好きになれない所でした。

アンとベルのカップルは姫様とエファ同様「ぁー」って感じで読みすすめるだけでした。聖歌や人形劇のシーンはグッド、恋人同士としてのやり取りはこっちにばかり力はいってる印象があるのだわ。

ココ可愛いよ可愛いよココ。

ココ編はほんとにいい纏まり方でした。後涙が出そうになりましたね。よかったわ。

ライトとトニーノ、シルヴィアはサブキャラの域を出ない。

ベルのお友達は何で目覚ましとして機能している描写がないんだろうかと・・・フローラとはHできません。

マリオンとファビオの出番はほんの一寸しかありませんが興味沸きました、でもあそこでマリオンがアインとして出てきてしまうのはちょっとと思いましたが。
個別の話として読みたかったですね。

・その他
背景等、ビジュアル面の綺麗さは異常な程。素晴らしいの一言。

Map機能・・・スタッフの使いたかったって気持ちは伝わった。せめて場所が移動する旅に表示が出るとかはあってもよかったんじゃないかと。

A.C.Vは選択肢の一環でしか無かったという印象。