陵辱ゲーとは思えぬほどに爽やかな百合もある
あらすじなどを読むとガチ陵辱の抜きゲーかと思いきや、意外なほどに爽やかで後味の良い物語だった。もちろん、全体的には主人公に降りかかる陵辱とか調教とかそういうのを描いているんだけど、主人公が(陵辱ゲーの主人公としてはあるまじきほどに)前向きで適応性が高いこともあって、なかなかに陰惨さは前面には出てきてないように思える。
この主人公が前向きと言うのが、たぶん聖少女ゲームを期待していた層には戸惑わせたところだと思うんだけど、とにかくこの主人公はヒロイックです。選択肢にもよりますが、前向きで明るく自分に降りかかる災難にも適応しつつも、友人を見捨てることもしない強さがあるのだ。それゆえに、物語は過度の陰惨さを孕まないのである。ま、この辺が評価が分かれてしまう原因かもね。
主人公以外のキャラクターについても、きちんとキャラを立たせようとしているところがあって、好感が持てる。主人公と一緒に調教を受けることになる三人もそれぞれに考えていることがあって、主人公と共に調教を受けていくことによって友情(愛情?)を深めていく過程など、ある意味において健やかであると言える。と言うか、物語的には三人のヒロインを”攻略”するギャルゲーフォーマットが採用されていて、その意味では、この作品は”百合ゲー”なのだとも言えるのだ。主人公たちに降りかかる災難と、それに耐えて愛情を育んでいくという物語が基本にあるのだ。
まあ、”抜きゲーかと思ったら百合ゲーだった。何を言っているのかわからねーと思うが(略)」”みたいな感じでちょっと最初は驚いたけれども、こういう感じも嫌いじゃない。無駄に陰湿ではないと言うのはそれはそれで素晴らしいものだと思う。陵辱ゲーであっても、主人公が前向きに行動する話があってもいいじゃないですか。ねえ?