同人エロRPGとしては高クオリティ
同人エロRPGの中ではとても貴重な「男主人公」の本作。
所謂ドラクエタイプの喋らない主人公であり、正道を行くシナリオなので主人公に対する不愉快さ等は特にありません。
ここ、凄く重要です。同人作品で男主人公に性格が付いていると大抵気持ち悪い精神異常者か知的障碍者か、臭い立つキモオタになってしまう事が殆どで、感情移入が全くできなくなってしまうので。
RPGでRP（ロールプレイ）できないってそれどういうことだよって話です。
さて、本作はエロを推してはいますが、世界の謎を解き明かす冒険ものとしても結構なクオリティを保っています。
戦闘難易度は比較的緩めではあるものの、難易度を最高に引き上げればそれなりの歯応え。ゲームバランスが崩れている様なことも無く、なかなかに楽しませてくれます。
道中の雑魚はシンボルエンカウントなので逃げる事も容易です。その上無理にレベル上げをする必要が無く、避けられない戦闘をそれなりにこなしていればクリアまでスムーズに進む事でしょう。
世界の謎を読み解くうえでも、ダラダラと寒い解説が入る事は無く、手に入るアイテム等のテキスト情報から読み取っていくスタイル。逐一ヒロイン達が何かを説明するわけでもないので、ヒロイン同士の掛け合い等の『日常会話』みたいなシーンは略ありません。
これもシリアスな世界観を構築する一助になっていると思います。滅びを迎えそうな世界での探索中にラブコメされても困りますからね……。
ケチをつけるとするならば、無理に声優入れる必要なかったんじゃないかな～という点。
エロシーンの喘ぎ声とか、なかなかの棒読みだったりするので、私は音声をミュートにしてしまいました。この辺りは同人作品特有の好みの差というやつでしょうか。
総じて、不足は存在するが蛇足は無い、というストレスを感じにくい作品に仕上がっているかと思います。