確かに凄い。いや、凄いんだけどそうじゃなくて……
グラフィックに関しては流石の一言。
エロゲ界隈においてこれだけの3Dモデルを捻り出せるのは素直に凄いし、そのキャラクター達がリアルに動く訳ですからそりゃもう感動します。
が、しかし。
しかしです。
エロ行為は数が少なく、台詞数も少ないためせっかく広大なマップがあるにも拘わらずどこでどんなエロ行為に及ぼうとも全部同じな上、少女たちの思考ルーチンもそんなに数が多くない為、寝るか食うか風呂入ってるか走り回ってるのを延々と見続けるはめになります。少女同士でのコミュニティーは一秒に満たない立ち話と唐突なレズHだけで、同一空間に複数人を存在させている意味が殆ど無い。
よしんばそれで良かったとしても、全部の性格で走り方、寝姿等のモーションが全て同じ。
今作はコイカツと違って性格毎に幾通りも会話パターンがある訳ではないので、その辺で差を出してくれないと共通項目の割合が多すぎて速攻で飽きてしまう。
例えばですが、“AI”が“畑”に配置されると聞いたら皆さん何を想像するでしょう。
きっと皆さん畑を耕し、種をまき、水をやり、作物を収穫するところまで自分で行うAIを夢想した事と思います。
しかしこの作品のAIは畑に種がまかれていたとしても水やり“しているふり”をするだけで後は何もしません。
収穫する事はしないし、空の畑に種まきする事もないし、当然収穫物を使った料理なんかしない。
収納に入れてあった食材を自分で取り出して料理する頭は有るくせに、種まきや収穫は絶対にしません。
この辺はもうプログラムを組んだ人間の怠慢だと言わざるを得ないでしょう。
そりゃ工程は複雑になりますよ?でもシュミレーターとしての機能を前面に押し出して販売した以上、これは酷いと思う訳です。
じゃあエロが素晴らしいかと言われれば、上記の通りそんな事は全くない。
エロを抜きにしてもシュミレーターとしてはお粗末で、シュミレーターとして見なくてもエロがお粗末という、一体何がしたいんだか判らない作品になってしまっています。
ハウジングという、核戦争後の世界を描いた某ゲーム四作目にあったようなクリエイション要素もあるのですが、これは痒い所に手が届かないのでクリエイティブ魂にもそれほど火が付かないし、せっかく作り上げても出来上がった家に対して少女たちはほぼ無反応で徒労感だけが募ります。(オブジェクトに対する行動が少なさ過ぎるという事です)
今後追加マップ等も配信される可能性がありますが、そんなものを作るよりも少女の行動数自体をガッツリと増やしてくれた方がユーザーは遥かに喜ぶでしょう。
規模の割に、できる事が少なすぎやしませんかね。