シーンそれぞれは問題なくエロイのだが
キャラ毎のエッチシーンはそれぞれ十二分に卑猥で、肉感強めの絵も相まって相当なエロさです。
抜きゲーとしてハイレベルな作品だと思うのですが、個人的に惜しいと思える点も幾つかあったのでレビューをば。
不満点は大きく二点。
一点目は、顔の造形に対して『唇』がやけに浮き出ており、口紅が強めのキャラはかなりケバケバしいオバサンになってしまっている点。熟女が売りとなるキャラクター以外もこの唇のせいでやけにケバケバしく映り、残念です。
しかし、そういう物として見ればその内慣れるという意味では大した問題ではないかもしれません。
二点目、こちらが個人的には大きなネックです。
それは、主人公が脳障害を疑うくらいに気持ち悪いという点。
冒頭から二大ヒロインのCG(エロではない)が登場するまでのごく短い間にこれでもかというくらいに気持ち悪さを見せ付けられるので、主人公の行動に一々イライラしてしまいます。寝取られ系ならいざ知らず、この作品においてはこの点が致命的で、なぜならそのイラつく主人公の視点で行為の導入が行われるからです。コイツなんでこんな意味不明な思考回路で行動してんだ?という。シーンからシーンへの間がお粗末で感情移入できないパターンですね。
まず、ライターがコミュ障というものを把握できていない。
いくら女生との会話が苦手という設定でも、口を開く度にどもるなんて事はない。(独り言でもどもってる!)
これでは女生とのコミュニケーションに難がある、ではなく精神年齢が未発達でブローカ野に障害があると言われた方がすんなり納得できる。そのレベルで酷い。
しかもそんな人間が更にキモイ思考回路で支離滅裂な行動をするもんだからもう救えない。
例えば、二大ヒロインのCG一枚目である梢がサイクルバイクでお尻を見せ付けて来るシーン。
仕事終わりにトレーニング器具の使用が認められた為、確認も含めて主人公と梢の二人で器具を使う事になり、上記CGが出て来るわけですが……この時主人公は意味も無く梢の後方からお尻を眺めまわして動こうとせず、梢にその事を指摘されても眺めるだけ眺めた後羞恥の限界に達してその場を離れます。
なら、最 初 か ら 離 れ ろ よ
行動が制限されている訳でもないのに眺め続けた挙句、羞恥の限界等という理由でその場を離れる意味不明さ。逃げ出したいのか眺めたいのかどっちだよお前は。
次、二大ヒロインの美優が使用中のトイレにうっかり入ってしまうシーン。
ハプニングはお約束なのでいいとして、あろうことか自分もトイレに入って扉を閉めた後悠長に会話して、しかもその後タイミングを計るでもなく普通に出るという訳の判らなさ。
お前は、知 的 障 碍 者 か
パニックの余り扉を閉める事を優先して一緒に入っちゃった、というのはまだ理解が及びますが、理由もなくトイレに居座った後、放尿が終わるまでしっかり居座った挙句普通にトイレから自分だけ出る……他人にバレる可能性があるから声を抑えてとか言っていたくせに誰かに見られる危険は省みず普通に自分だけ出るし、しかも気まずいからとかいう理由で謝りもせず逃走して、ジムで再会して気まずくなった挙句自分の行動を反省するのではなく運が悪い事を嘆くという糞野郎っぷり。
まぁこんな具合で、主人公が起こすハプニングの数々に『しょうがない』と大目に見る為の大義名分が整っていないのです。だから起こる出来事のことごとくが空々しくてシチュエーションに興奮できないんですよ。
後になって回想を見返すとシーン単体の切り抜きになる為その前後を頭から抜いて集中できますが、シナリオの進行と共に発生するシーンはまるで使えないという、なんとも微妙な事になってしまっています。
まぁ、シナリオの殆どをスキップしてシーンだけ楽しむという使い方であれば主人公云々は気にならないかもしれませんが。
他作品のレビューでも書いておりますが、最近のエロゲは主人公やヒロインの行動に理由が無さ過ぎて本当に感情移入し難いです。エロゲである以上抜きゲーだろうがシナリオゲーだろうがテキストのクオリティは絶対に必要だと思うのですが……