ソラは最後に
OP/EDの2曲はプレイせずとも知っている。そしてプレイしたあとに改めて聴くと、MMEって凄いと改めて思わせてくれる。まさか歌詞がここまで作品に迫っていたとは。
ソラ√プレイ中は、ソラはどういうわけか未来からやってきたヒカリなんだと思っていた。そして未来で主人公に不幸があり、それを止めに来たのかと。だって主人公に休むよう何度も声をかけたり、さらには通院するよう促したりするんだから。
実際のところ部分的には確かにそうだが視点が全く違った。ゲーム冒頭のワンシーンとソラ√エピローグ、この2つのシーンは、主人公が亡くなった後しばらくして、映研活動記録にヒカリが手を伸ばす現実のシーンだろう。冒頭では人物名が???になっているが、エピローグではヒカリと書かれている。作品で描かれている話は映研の活動記録(つまりかつての自分たち)がベースであり、そこに今のヒカリが入り込んだ結果がソラだと解釈した。SFかよと言いたくなったが、主人公が日常にSFを織り込んだ映画作品に挑戦しているところなんかを思い出すと受け止めやすかった。こう思うと、ヒカリよりソラのほうが大人びているし、料理ができるのも納得できた。大切な人からもらったからプレゼントしてくれなくても大丈夫と断ったヘアゴムはかつて主人公からもらったものだろう。
「信じてた奇跡は素敵なドラマみたい」、これらは所詮はドラマだ。現実で何かが変わったわけではない。映写機の前に戻ってきただけだ。でも、ソラとしていくつもの思いに整理をつけられたんじゃないだろうか。主人公が亡くなってしまったこと、主人公と幼馴染の先になれなかったこと、もっと言えばヒカリが主人公に思いを伝えられなかったこと。でも終わってみて、「素敵な映画だったよ」とヒカリが心から思えたこと、これは凄く大切な一歩だと思う。
予想の斜め上をいくシナリオで、とても感動した。この設定を知ったうえで改めて他のルートを見ると、アイリとナミの√もこれはこれでアリだと思えてくる。後付けみたいになって申し訳ないが、キャラデザも凄く可愛らしいです。
私はこの作品好きですね。