最近の寝取られがダメな理由が
かなり凝縮されてます。端的に言うと、間男の設定を弄し過ぎて読者を置いてきぼり、または
それに満足して内容がおろそかになると言う傾向が如実に本作には表れてしまっています。
間男をちゃんと描くなら、ガテンの会田とか妻陥落の間男とかそれなりに名作につながることも
多いのですが、本作では本当に多重人格と言う「設定」だけ。これはいくら抜きゲーでも
頂けません。さらに言えば、狂人故のマニアックなプレイもなく、日常が浸食されて行くような
サスペンスさも皆無です。
吉野恵子氏の絵、吐息や差分を多用した演出、ユーザーフレンドリーなゲーム設計…と、最高の
素材をふんだんに使いながら、シナリオと設定が明後日の方向と言う残念さ。シルキーズは
もう一度原点を見なした方が良い。