何か物足りないような・・・
<総評>
他のブランドでは見られないような独自の魅力があった。
「リアルな人間関係」を謳っているだけあり、生々しい人間関係を求める人におすすめだ。
例えば、元カノとの微妙な距離感は上手く表現されていると感じた。
ストーリーは全体的に淡々と進行していく。
そのため、「カタルシス」「伏線回収」「ダイナミックな展開」を求める人には向かない。
いわゆるキャラゲーのように、如何にもキャラクター化された登場人物でないと、
ストーリーに引き込まれない人にも向かない。
ただし、肝心のストーリーは全体的に物足りない。
途中下車方式でメインストーリーを読ませる構造ではあるが、
登場人物が多すぎて散漫な印象が否めない。
サブヒロインのルートは短いし内容もあっさり目で、
一体どういった意図で設定されたのか分からない。
どこの誰の話をしたいのか、何の話をしたいのか、
ミドルプライスでヒロイン数を絞ってくれたら、
より高評価をつけられたのではないかと思われる。
幼馴染と後輩元カノと隣人でストーリーは十分回るから、
その三人にフォーカスしてくれたらもっと良くなっていたのではないか。
とはいえ、個人的には好印象。
冒頭に書いた通り、他のブランドではあまり見られないような魅力が感じられ、
こういうアプローチも一興だと思わせてくれた。
NIKO(というかMORE系列の)最終作となった本作。
こういった系のゲームは好みなので、ブランドが消滅してしまったのは残念だ。