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isumiさんの酷罪を受けるべき者の長文感想

ユーザー
isumi
ゲーム
酷罪を受けるべき者
ブランド
禁飼育
得点
83
参照数
2328

一言コメント

あ…ああ…ああああああああああああああああああ。何これ何これ何これ何これ。えええ?後半がっ!!前半もひどいけどっ!!後半がっ!!最凶、最悪、最低と三拍子そろった本当にどうしようもないシナリオ。最後の方は感動したのにっ!!したのに…ただもう最悪。でも面白いんだ。止められない止まらない。もうここのサークルには付いて行ける限り付いて行きますよ!!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

取り乱してすいませんねぇ…あれが私のプレイ後の感想です。
いやープレイ前はどんな鬱展開があるだろうと、そればっかり期待していたんですが、期期待通りと言うか期待の斜め上を行ったというか。
一言で表すなら「ただもう最悪」ですね。うん。
18禁という年齢制限が存分に生かされております。それはもう存分に。
ところで某同人通販サイトではこれが女性向けとなっていましたが、言ってもいいですか?
ど こ が 乙 女 ゲ ー な ん だ
ちなみに現在作者様HPで自家通販が行われています。
DL販売もありますがこちらの方が500円とかなりお得なので、気になった人は検討してみてはいかがでしょうか。
ただし…鬱耐性は必須ですよ。無いと死にます。あっても死にますが、被害は抑えられます。

では早速感想にいきましょう。
叫んだり喚いたりしていますので、かなり鬱陶しい感想になりました。
プレイ後の気持ちを率直に書いているので、大分鬱陶しいですがご了承ください。

ストーリー
虐めっ子が虐められっ子に橋から突き落とされたら、異世界に飛ばされちゃいましたというのが大まかな粗筋。
下ではプロローグ、序盤、中盤、終盤、エピローグと分けて書いてきます。
(プロローグ→飛ばされるまで、序盤→異世界に飛ばされてから第2話まで、中盤→第3話から第5話まで、終盤→第6話から戻ってくるまで、エピローグ→戻ってきてから最期まで、と変則的に分けています)

・プロローグ
序盤の虐められっ子の心理が巧みってわけではないんですが、こうじわじわ来ます。私も小倉側の人間だったもんでああ~と古傷が抉られるというか、そういやこんなこと考えてたなぁ…とか。
虐めていた方もあゆりをさらに最悪な女にしたような人で、ぐぎぎぎぎぎぃ~と歯軋りが。まぁ、今となってはどうでもいい存在なんですけどね、ちょっと思い出してしましました。
話がそれましたが、元虐められっ子から見てもここの描写はなかなかだと思いますよ。
そしてあゆりが異世界に飛ばされたところで本編スタート。OPムービーがなかなかカッコいいです。

・序盤
ここの作風と76241さんの感想を拝見して大体流れがつかめたので、後半に備えてなるべく楽しまないようにとしました。
ここの作品は限界にまで持ち上げてから一気に落とすという流れなので、楽しまなければ鬱展開は耐えられるはずなんです。
だから、楽しまないように…楽しまないように…たの……はい、無理でした。
楽しいです。クギコとの掛け合いとか、おっさんとかおっさんとかおっさんとか…!!
おっさんが最高です。すっげーいいキャラ。ここのゲームはキャラクターがものすごく魅力的なんですよね~。
でも、序盤で既に結構重い展開があったのが意外でした。ゲームでその設定を持ち出してくるとはなかなかチャレンジャーだと思います。
うん…同情はしないけどね。だけど彼女の最期を見てしまうと…もし別の結末があったのならと思わなくもないです。
ああああ鬱だ序盤からもう既に鬱だ。


・中盤
え…ええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?
いやいやこれっていつもなら落とす時にやるシーンでないの?
ほらほらNBとかさ、さくパンとかさ…。ええええええええええええええええええ。
と言うことは、さ。終盤はこれ以上ってことだよね?
…耐えられる自身が早くも無くなりかけました。と言うか無くなりました。
とあるシーンは本当にきつかったです。××の○○を見ながらって…早速18禁の本領発揮ですね。
すげぇや、よくもまぁこんな鬼畜展開思いつくもんだ。(褒めています)
この時点ではクロアリは大っ嫌いだったんですが、コスモスの花のせいで死ねとまではいきませんでした。
その後の彼女とあゆりのシーンはグッときました。友情と言う言葉に弱いからかもしれませんが…なのに。それなのに。

なぜこのタイミングでコンソメさんを登場させるかぁぁぁ~~~~!!!!!!

もうぶち壊しですよ。爆笑しましたよ。感動とかどうでもよくなりましたよ。
ツインテールのおっさんのせいで!!!妙にしんみりする音楽がかかっているのに、ツインテールのおっさんですよ!!!!!
その後もクロアリと中村の関係とか、てあみ可愛い、てるてこ萌えとかいろいろありましたけど、あのコンソメさんがずーっと引きずっていました。
中盤の見どころはアレでもなくあゆりとクギコの友情でもなく、コンソメさんです。
誰が何と言おうとコンソメさんなんです。
もし許されるのならば「ツインテールが魅力的」のPOVに、私は、敢て、クギコではなくコンソメさんを登録したい。
(G-hunterさん、登録してくださってありがとうございました)


・終盤
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
てあみがああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
てるてこがああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
コンソメさんがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
キネラさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
そして、ヒトノミーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
いや、いつかこんなことになるとは予測していたんですよ。予測していたのに~~~~~。
本当にここの作品はキャラに魅力を抱かせて、落とすという手法がうまい。感動的なシーンの後落とす方法がうまい。上手すぎて死にました。
ちょっと…部分的にならタオルケットを超えたかもしれない…。
キャラクターの魅力が半端ない故に、あのキャラにはさくパンとは比べ物にならないほどの殺意を感じました。
本気で死ね。死んでしまえとプレイ中何度思ったことか。
てあみを○○○にして生かすとか、てるてこを…とかもうSっていうレベルじゃねーぞ。
だからあゆりとのバトルは燃えたんですけどねー。まぁ痛い目にあったことはあったんですけど、納得がいかないというか。
おっさんが…というか。大佐ぁぁぁぁぁ…というか。
おっさんキャラ好きにはこの展開は拷問です。反則。涙腺がおかしなことになりますよ。
ま~普通ならここで黒幕倒してハッピーEDに行きたいところなんですが、行かせてくれません。
今までも最悪な展開でしたが、さらに最悪な展開になります。ここまで来たら笑うしかありません。
ヒトノミとかリズとかクギコとかクロアリとかてあみとか……はははははははhhhhh。
でも主題歌がかかるシーンは鳥肌ものでした。
そしてこの世界のネタばらしをして、現実に。しょーじきですよ。ちょっとええっと思いましたけど、ここまで来たら驚く気力ものうなりましたわ。


・エピローグ
異世界で自分の罪を知って現実世界に戻ってきたあゆり。
彼女のしたことは許されないことだけど、それでも少しは償えたのではないでしょうか?
成長したかぼにキナナキノ森が必要ではなくなったように、あゆりにももう異世界は必要ないのだと思います。

…そんな締めを考えていた時期が私にも御座いました。

あはははははははははははははははははははは。何これ何これ何これ何これ。
そんな感じです。気になった人は自分で確かめてみてください。何も語りたくありません。


・まとめ
面白かったんだけどっ!!っていうのがプレイ後の感想ですねぇ…。
あゆりについても成長はしているのですが、どうも戦争や別の要素が表に立ってしまってちょっと終盤はぼやけていたように思えます。
それからクロアリと彼女についても「レイプから始まる恋愛」否定派にとっては首をひねりたくなるような展開でした。
と言うか、彼女が物凄い尻軽女に見えてしまって…彼女が好きなだけにそこが引っ掛かりました。
他にもさくパン同様所々突っ込みどころがあったりしますが、相変わらず勢いで読ませてくれるのであまり気になりませんでした。
色々言っていますが総合すると面白かったです。



キャラクター
ここは相変わらず満点です。
特に気に入ったのはコンソメさん、キネラさん、おっさん、大将、リズですね。陛下も好きです。
立ち絵のないキャラならてあみのじーちゃん。登場回数は少ないですが、見合いの後のシーンは大好きです。本当にいいおじいちゃんですね。
てあみやてるてこも可愛いんですが、ちょっとトラウマですね。可愛いというよりも別の感情が先行してしまいます。
逆に死んでほしいくらい嫌いなキャラはあいつですね。さくパン以上の殺意とむかつきを抱きました。歪んだ愛情は好きですが、これは肯定しません。
したくもありません。
それにしても、ここまで多くのキャラクターを魅力的に描けるというのは一種の才能だと思います。
これからも魅力的なキャラクターを作り出してほしいです。


鬱とグロとエロ
さすが18禁。やりたい放題で御座いました。
てあみ拷問とかてあみ○○○とかほとんどてあみ関連ですね。NBプレイしていたので酷罪プレイ前はてあみが一番のお気に入りだったんです。
なーのーに…。
エロに関してはエロにもれなく鬱とグロが付いてくるようなものばかりですが、主にとある人物関連のものです。
ちなみに主人公はHしません。プレイ前は主人公とヒトノミのHシーンでもあるのかと思っていましたが、そんなもの全くありません。
(そもそもヒトノミとあゆりはそういうのが合わなさそうだからなー)
それと、らぶらぶ和姦Hなんてひとっっっっつもありません。すべて凌辱レイプそんなのばかりです。
鬱に関しては申し分なし。とびっきりの鬱ゲーでした。
当分の間鬱ゲーはやりたくありません。思いっきりバカバカしいゲームでもやりたい…そんな気分にさせてくれます。
ちなみに私的ショッキングシーンNO.1は彼岸花です。意味不明かもしれませんが、やれば分かります。
なんかもう…ブサイクのゲームでグロい~と言っていた日々が懐かしいですよ。


感動
とは言いましても、このゲーム鬱とグロとエロだけではないんですよ。感動もたっぷりあります。
感動させ方としては私の嫌いな部類に入る方法なんですが、上記の通りキャラが魅力的なので鼻につきませんでした。
メディとロディ、キネラさん、リズと陛下の和解、おっさん、大将、ヒトノミ…どれも印象に残っています。


結局天罰は下ったのか?
下ったのでしょうかね。最後が天罰だとするならばですが…。
でも、せっかく改心してこれから歩き出そうとしていた彼女に対する天罰としてはひどすぎるように思えます。
異世界で身が引き裂かれるような悲しみと絶望を知って、現実世界に戻って自分の行いを贖罪するという展開でも良かったのではないでしょうか。


グダグダ書いてきましたが、相変わらずぐいぐい引き込まれる展開と魅力的なキャラクターなどプレイ後は値段以上の満足感が得られました。
最期が納得いかないので-2点しましたが、鬱耐性あるならばぜひプレイしてみてください。
ここの作品は面白いのに埋もれているのがもったいない。
グロや鬱が半端ないのでお勧めはしにくいですが、他の作品も興味があればプレイしてみてください。

(追記)
プレイ後のハイテンションでこの感想を書いて高得点を付けましたが、1日経って冷静に考えるともう少し低くした方がいいような気がしたので点数を変更。
よくよく考えると今回ローズさんなどの脇キャラが本当の脇キャラになってしまっていたのですよ。
他のゲームと比較すれば目立っている方なんですが、キナナキやさくパンと比べるとどうしても。
と言うわけで10点下げました。


以下、心に残ったセリフ















キネラさん
「お前は私の大事な存在だ・・だから・・・行け」
このシーンは本当に大好き。その後のシーンで涙腺が死んだ。


リズマリナ
「貴方が異世界から来ようがどうでもいい。貴方は私の・・大切な友達だから」
これがお別れなんて切なすぎます。

雨野(大将)
「・・・我が家へ帰る」
「家へ帰るとおかえりと言ってくれて、質素な飯を共にに食える・・・あいつがいた。幸せを感じた。生きる喜びを感じた。幸せを守りたかった」
その後のあゆりのごちそうさまに追い打ちをかけられた。

おっさん
「なんで良い奴ほど早死で、お前みたいなのが長く生きてんだろうな?俺はそれが納得できねぇわ!!!」
ああもう。カッコいい最期でした。

ヒトノミ
「・・・・・・すまない・・・あゆり」
ああもう駄目だ駄目だ。涙腺がおかしくなった。
あゆりとヒトノミは恋人と言うよりも、喧嘩友達と言う肩書がしっくりきますね。

最後にセリフではないですがクギコとの最後のやり取りも印象に残っています。クロアリの刀もよくよく考えると深いものがあります。
ほかにもいろいろ心に残ったセリフはありますが、コンソメさんの最後のセリフとか思い出すのも辛いものばかりなので割愛します。
一応そこでセーブデータを取ってあるのですが、今は見たくありませんね…。
登場シーンで爆笑して、一人ぼっちだったコンソメさんにやっとあゆりやおっさんのような友達ができたシーンにこっちまで嬉しくなって、クギコとの掛け合いに爆笑して、コンソメさん最高だな~なんて思っていた矢先にですよ。

ちなみに私の考えていたラスト
小倉があゆりから聞いた異世界の話を元に漫画を描き、それで賞をもらう。2人で喜んでいるシーンでフェードアウト→スタッフロール
なーんてハッピーEDだったらどんなに良かったことか。
だけどここの作品って夢に対しては結構厳しい見方をするので、こんなご都合主義なEDはどっち道あり得なかったかもしれませんね。

ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございました。