雨にも雪にもなれなかった男の話
ほろ苦い…。
フリーゲーム プレイ時間20分
プレイ時間は短いですが、内容は濃いです。
プレイ時間の割にCGが多いので、まるで漫画を見ているようでした。
とにかくCGが惜しげもなく使われています。しかもクオリティはどれも高い。
使い方もうまく欲しいところに無いという事はありませんでした。
一本の電話から始まる話。
オチは割と平凡ですが、それでも最後のシーンはホロリときました。
あのCGの使い方はうまいです。そして切ない。
全年齢ですが、対象年齢は割と高めなんじゃないかな。
ストーリー、CGどれも申し分ないです。
あえてケチをつけるとしたら途中に回想シーンがあるのですが、いきなり回想に入るので、ん??と思ったくらい。
深雪の過去ももう少し知りたかったですが、このテンポが削がれるくらいなら無くてもいいかなと思います。
短いながらもしっかりまとまっており、個人的には掘り出しものでした。
人の生き死になど泣かせようとする要素もなく、ただただ現実的な話でグッとくる作品を作られた作者様は素晴らしい。
最後に
幼い頃と同じ気持ちを抱いたまま、成長していくのって難しいですよね。
幼いころと同じ関係をいつまでも維持していくのも。
皆成長するにつれてどこかしら変わっていくわけで…。
それが異性なら尚更だと思います。
(2009/08/02)
再プレイにつき点数を85点から88点に修正しました。+3点はこのゲームの何とも言えない雰囲気に対してのもの。
一体何なんでしょうね、このゲーム。
手に汗握るような燃えも涙腺が崩壊するような泣きもない、まったくもって地味なゲーム。なのにふとした瞬間に再プレイしたくなります。
ああもう大好きっ!!
以下、ホロリときた場面など(ネタばれしかしていません)
令太が深雪の手を離すシーン、そしてその後の「金属の手すりが~」のところ。
あれって深雪の手の温もりとの対比になっているんじゃないかなと。
あと雨=理一、雪=深雪、みぞれ=(深雪のようにも理一のようにも振る舞えなかった)令太なのかな。