本作を100%楽しむには『なないろリンカネーション』のプレイ推奨。俺たち呪われましたーズのくだらないやりとり大好き。
以下、シナリオ要約。合間に感想。
◆共通
二ヶ月前に学校で起こった、新聞の片隅に載るほどの事件(三年生の女子が4人自殺)は、遺書が見つかっていないことから、幽霊の噂に広がり心霊ブーム。
雛森と共に、図書室の怪談特集コーナーを作成し、帰宅しようとしたが、突然周囲は暗くなり「一緒にいきましょう」と黒い女生徒に誘われる。
ベルベットに助けられ、呪われているの一言を残し居なくなり、学園の七不思議の一つ(旧校舎の幽霊が人を呪い殺す)の真偽を確かめるきっかけになる。
雛森が一人で喋っている(幽霊と話している)場面に遭遇した、佐伯社とのやりとり好き。
電話していて気付かなかったーという無茶な誤魔化しに、追撃すると肩パン飛んでくるのが可愛い。
夜の学校でベルベットを見つけ、幽霊と共に屋上から飛び降りて、完全な骸と化すが瞬く間に再生。
霊能探偵(幽霊を天国に送る仕事)葛城葉子の登場に、ベルベッドの正体、雛森の体質(幽霊が見える)が判明。
翌日、葉子の事務所で質問し、帰り道に遭遇した友達(中島修司)と学校で調べ物。(1982年の資料だけ欠落)
帰り際、旧校舎の幽霊に閉じ込められるが、ベルベットたちに助けてもらう。
目を離したら姿を消し、振り返ってもそこに居なく、もう一度向き直ろうとしたらっ…!
間の取り方と恐怖の演出が巧みで、読んでてヒヤッとする。
巻き込んでしまった中島は、良いキャラ。
葉子に質問を聞かれても
「質問より、今はパンツ替えたいっすね」
「……ちょっとチビった」
そして別れ際の一言
「帰る前に……ひとつだけ言っておきたいんだが」
「……。ああ、聞くよ。なんでも」
「あの人めっちゃ胸でけぇな」
それは私も思ってた。思ってたけどお前が指摘するとは思わなかったよ。
主人公は、旧校舎の霊に対抗する術を学ぶべく、所長に教えを乞うことになる。
サプライズで雛森を自宅に呼び、姉の久住美里(ペンネーム、久住美雪)に会った時の慌てっぷりが面白い。
「佳奈ちゃん、思った以上に姉さんのファンだったんだな~」
「ファンだよ!そりゃファンだよ!超好きだもん!吸っておこう……!おうちの空気吸っておこう……!この空気の中で名作が生まれているんだ……っ!」
「あとで姉さんの部屋にも――」
「ちょっと待って今話しかけないで!」
キャラ崩壊気味な興奮っぷりが可愛かった。
旧校舎の幽霊以外にも霊が見えるようになった主人公。(異界に触れたのが原因)
彼女に掛けて貰っていたおまじないの正体(群がる動物霊たちを追い払っていた)を知る。
所長に霊の基礎(アストラル=霊界、エーテル=霊子)を教わり、旧校舎の霊を成仏させるべく、学園七不思議の情報収集を課せられ、俺たち呪われましたーズによる、霊の調査活動が始まる。
トイレの花子さんズの調査。
か~ごめ、か~ごめの声が聞こえるが、主は見つからず…。
帰宅する前に立ち寄ったトイレで、まさかの花子さんズと遭遇…って怖っ!
男子トイレで遭遇とか、思いもよらない場所だったから余計に怖っ!!
所長の元へ連れて行くと、土地神様(るり、るか命名)と判明し、主人公の心強い味方になる。
旧校舎の幽霊(朱子)が四人の女生徒しか殺していない理由は、悪霊化した際にるりとるかが封印したから。※現在は封印を破り徘徊中。
三人目の花子さんの情報を得るべく、雛森の太もも写真を要求されるが、全力拒否され代わりに主人公が犠牲になる。
花子さんズの死の回避方法(かくれんぼ)を得て、深夜三時、三回の女子トイレの個室を開くと、深い闇から複数の赤い瞳と声が…ってぇぇぇええ、本当に花子さんズだったよ。
個室に18人もの花子さんとか怖すぎだろって、もしこれ鬼ごっこしてたら絶対逃げ切れないだろ!?
18人の鬼から逃げるなんて無理ゲー過ぎるし、情報聞いといて本当に良かったな。
結局、手順を踏んでも成仏はせず、るりとるかの力を借りて浄化。
自宅に付いてきた花子さんから、社の名前に秘められた、幽霊を呼び寄せる体質と使役する力の片鱗を知ることになる。
◆ベルベット
ベルベットの過去。
メイドとして屋敷で働いていたが、そこの主人は黒魔術(悪魔降ろし)に傾倒していた。
その生贄にされた彼女に悪魔が降り吸血鬼となってしまう。
不死に抗い、幾度も死に続け動けなくなったところを葉子に拾われ今に至る。
放課後の相談室の主、マダムエビフライの居場所を花子さんに案内して貰い、朱子の成仏の手がかり(神田川徹、古屋有香子)を得る。
1982年の卒業アルバム。三年D組の担任(朱子の恋人→神田川徹)と女生徒(恋仲を引き裂いた原因→古屋有香子)
佳奈ちゃんの居候先『なないろリンカネーション』の主人公(加賀見真)に会いに行くが不在。
引き篭もりニートの座敷わらし(伊予)に霊との付き合い方を学ぶ。
鬼メンバー(葵、芙蓉、アイリス)が勢揃いで、非常に懐かしい。
そして、学校とは違う一面(平気で下ネタを口にする)や自宅で見せる雛森の素顔が可愛い。
「うわぁ……世界で一番敬っちゃいけない人だよその人」
「黙れ陥没乳首」
「陥没しとらんわアホォッ!」
「ベルベットも伊予に敬語使わなくていいよ?この人ただのゲーム廃人だから」
「うっせ黒乳首」
「黒くないですけどぉっ!?綺麗なピンクですけどぉっ!?」
いやー普段とのギャップも相まって、ホント良いキャラしてますね。
葉子が北の地から今の街に流れ着いた経緯には笑った。
フランソワーズしろがねって名前でしていた占いが恐ろしい的中率で、宗教団体の教祖に担ぎ上げられるも、面倒になって全て放り出すとか。
マダムの部屋を経由して、異界の調査。
旧校舎の十三階段はガセネタ。(実際は十四段あった)
屋上で二つの肉塊が混ざり合った異形(神田川徹、古屋有香子)と交戦しそうになるが、朱子の登場により撤退。
翌日再び異界へ赴き、図書館で1982年の新聞を見つけ、水無月朱子の恨みの原因の一端(お腹の子供を愛せない……)を知る。
自殺した三人の女生徒(熊谷淳子、奥東柚希、高橋ののか)と接触、ベルベットと共に異界へ閉じ込められる。
ループする廊下からの脱出が叶わず、ベルベットとも離れ離れ。
絶体絶命なそのとき、加賀見真と鬼たちが助けに来てくれる熱い展開、いいなこれ。
心を強く、彼女を助けることを願い、死霊の手に捩じ切られそうなベルベットを助けて脱出。
生まれて間も無い鬼たちに助けられ、社を守ることが出来ずに気落ちするベルベット。
翌日、体調が優れず学校を休むも、午後には治り改めてのお礼で、加賀見さんの家へ。
仕事で遅くなる主人からの連絡、ご飯を待ちますかの芙蓉の問い掛けに対して、葵と伊予の答えに笑った。
「え?ないです。それはないです」
「ありえん。それだけは絶対にありえん」
「……なんなのキミたち」
ご飯>>主人の式が出来上がった瞬間に、雛森のジト目とツッコミがツボ。
死にたがりのヴァンパイアに、生きる気持ちを与えるべく、遊園地デートからの初えっち。
異性として意識され、顔を赤らめる姿は可愛いが、恋心を抱くことなく微妙な距離感。
マダムの相談室で、自殺した三人から感謝の言葉を最後に成仏。
屋上の肉塊を、ベルベットの生成した血剣で消滅。
映画を観た帰り道、ベルベットの手を繋ごうとするが袖にされ、明確な拒絶を突きつけられる。
抱いた恋心は儚く崩れ、その弱った隙を朱子に狙われるが、ギリギリのところでベルベットに助けられる。
彼女に生きて欲しい、守りたい思いに反し、無力な自分を嘆き悲しむが、それでも諦めたくはない。
葉子さんから聞かされた彼女の言葉「社を朱子に渡したくない」を力に、奮い立ち駆け出す主人公。
朱子に心臓を潰されそうなベルベットまで後一歩のところで、死者の手に阻まれるが、優しい花子さんが敵意を剥き出し助けてくれる瞬間は胸熱。
しかし、既に致命傷を負わされた彼女から、止めどなく溢れる命の水。
加賀見の秘術(血と精液を贄に、鬼に忠誠を誓わせ、主と鬼の命を一つとする)と人の血を摂取したことにより、真祖ベルベットの本領発揮。
朱子を一太刀で斬り伏せ、社の呪いは解かれる。
社が執拗に狙われていた理由。
朱子の片思いの男(三年A組。出席番号三番。乾京介)と瓜二つの主人公。
彼女は社と二人っきりでずっと過ごしたかったが、それを邪魔する存在(ベルベット)を外敵として認識し、襲っていた。
新人研修の一環で、公園に出没する霊の調査報告を加賀見家にすると、強烈なインパクトを与えた霊の名が出てきてくっそ笑った。
「やつめ、黄泉返りおったか……」
「二年半ほど前、公園にとてつもない霊が出現しての……。ある意味、件の朱子を凌ぐ霊じゃ」
「そ、そんなに危険な霊が?」
「危険などというレベルではない。その場にいる者に計り知れない恐怖をまき散らしたやつの名を……我らは畏怖をこめて、こう呼んでおる」
「――変態Mおじさん、と」
公園の霊(赤坂邦子)の未練、幼馴染の女の子(なっちゃん)が誕生日にくれた、おはじきとビー玉を掘り起こし、彼女は無事成仏。
探偵事務所に戻ると葉子の姿はなく、社にマスターキー、ベルベットに猫耳付きの服とメイド服を残し、旅立ったことを知る。
生きることに無関心だった彼女は、社と思い出を作り、お互いが幸せだったと思えるよう生を全うするようになった。
【BADEND】
意味のある死を求めていたベルベットは、朱子を道連れに逝った。
「一緒に、逝きましょう」の言葉と共に…。
花子さんをベルベットに付けなかったのが敗因か。
◆るり&るか
七不思議の一つ、踊り場の大鏡に宿っていた付喪神に取り憑かれる。
体育館裏で、自殺した三人の女生徒に異界へ引っ張られ、朱子の瘴気で気絶。
社は戦線を離脱し、体に負担となっている霊を、るりとるかに祓ってもらおうとするが、その方法(えっち)に動揺して拒否。
しかし背に腹は変えられぬということで、神様にえっちを頼み無事に除霊。
朱子除霊の打ち上げとして意識高い系が集うコーヒーショップへ。
飲めないコーヒーが巡り巡った(るり&るか→佳奈ちゃん→ベルベット)会話に笑った。
「豚の血に比べれば、なんでもおいしく飲める」
「え、豚の血?えっ?そんなの飲んだことあんのっ?」
「ベルベットは、ほら、あれ、グルメだから」
「え~、グルメって、え~~」
土地神様への信仰心は薄れ、このままでは消えてしまうのも時間の問題のるりとるか。
社は、二人と一緒に暮らすことを提案し、社の家族が、一族が、ずっと二人のことを覚え続ける未来を語る。
名前をつけ、いくつもの願いを叶えた社のことを、二人が神様と呼ぶのは、非常に胸がほっこりした。
るりとるかに手を握られながら逝く瞬間、言葉は無くとも泣き顔が物語る悲しみに、私の涙腺が刺激された。
何とも感動的じゃないか…二人がこれからも幸せで居続けらることを祈るばかり。
るり&るかが神様になった経緯。
昔この土地が農村だった頃、その年の不作を解決するべく神様に生贄を捧げた。
それが双子の巫女の二人。元は人間だったが、祀られ神となった。
猫又(つくねさん)がいることで、猫がたくさん集まる。
◆葛城葉子
血塗れの草刈鎌を浄化せず、取り込み使役する。
十三階段も同様に取り込み、試運転するが御しきれず、佳奈ちゃんのお尻をペロンっと…良いぞもっとやれ。
「……。制御しきれていないようね」
「してる、してるよ。器用に動かしたもん。絶妙にいやらしい手つきで触ったもん」
「ほんと、ごめんなさい。事故なんです……ほんと」
付喪神も取り込み、花子さん含め4体の霊が社に憑くが、朱子の瘴気に当てられリタイア。
美里姉も体調を崩し、二人の思い出の共有、一緒に写真を撮ろうと約束を交わした翌日、朱子に憑かれ自殺。
復讐心のまま朱子を殺すとする社だが、向こうにその気はなく混ざり合い、輪廻の輪から外れ鬼となる。
多くの魂が混ざり合ったことで不安定だった自己は、美里姉(葉子が化けてた)との約束(精一杯生きて)によって失った感情を取り戻し、確立。
街を出る前の修司と佳奈ちゃんとのやりとりが好き。
只でさえ幽霊や怪異に弱い修司が、鬼となった社を親友と呼び、また会おうと約束する。
本当の友とは、これぞまさしくって感じで、グッとくる。
主人公は新たな家族(葉子さん、ベルベット)と共に、放浪の旅へと出掛ける。
◆雛森佳奈
四人の自殺者の一人(原田望)に心当たりがあると打ち明けられる社。
佳奈ちゃんが住まう家の住人(アイリス)に協力要請し、花子さんズの情報を集める。
深夜3時の学校、所長に厄除けのおまじないを教えてもらい狼狽える佳奈ちゃん可愛い。
「やばい!って思ったら、この感触を思い出しな。もしそんな余裕がなかったら、咄嗟に佳奈の胸でも揉めばいい」
「ちょ、ちょっと!勝手なこと言わないでください……!!」
「揉まれるのが嫌なら、裸の写真でもあげときなよ。お守りになる」
「うぐ……っ、む、無理ですよ写真も!は、裸とか……!からかわないでくださいっ!」
そう言っていた佳奈ちゃんから、裸ワイシャツの自撮り写真が届いて歓喜。
望月先輩から霊のネットワーク→放課後の相談室の情報を得る。
三人の自殺者との関係を踏み込んでみるみる先輩に聞くと、目が黒くドロッと…怖っ!
普段の明るく陽気な姿が一変、ギャップもあって余計に怖い!!
葵とアイリスに助力を願い、伊予に頼み込むが、彼女らは真の鬼と諭され、自身の力で成し遂げられぬらなば諦めろと突き放される
しかし、当主である真に正式な依頼をし、了承を得ることで、三人の自殺者の所業が明らかに…。(日常的に望月先輩を虐めていた三人は、呪いの手紙で死亡したみるみる先輩に殺り返された。完全に因果応報、自業自得な)
伊予にからかわれ、振り回される佳奈ちゃんが可愛い。
「オナニーに使ったきゅうりを冷蔵庫に戻すおぬしに言われたくないわ」
「そういうエグい嘘つくのほんっとやめてくれないっ!?」
「うっさいアナルオナニー中毒者が」
「だからっ!社くんの前でそういうのほんっっっっとやめて!」
「うっさいスカトロマニア」
「おぉぉいっ!!」
「うっさいシャワーオナニー中毒」
「だから!も~~~っ!!」
もしかしたら佳奈ちゃんは、本当にオナニー大好きな女の子なのか?と想像を掻き立てられるのが良い。
そしてゲームに全力な座敷わらしが、相変わらず過ぎて笑える。
「同じゲーム機四機もいらないでしょ……。っていうか、四機どころじゃないでしょ。八はあるでしょ」
「あたしが知ってるだけで同じの十個はあるよ」
「仕方ないのっ!話題作が出るたびに限定カラーだすメーカーが悪いのっ!わたし悪くないのっ!」
「俺このゲーム、3までしかやってないんすよね」
「大丈夫大丈夫、私もへたっぴだから」
「は?大丈夫じゃないですけど?狩りの効率落としたら全力で罵倒しますけど?」
「狩りは命がけなんですよっ!甘えんなっ!」←葵の便乗に草。
「す、すみません……」
やっぱり、ななリンの面子が絡むと会話のテンポが軽快で良い。
夕食の焼き肉争奪戦のやりとりも最高。
助力のお礼にボーゲンダッツを十個以上購入。
「伊予様にあげなでねっ!全部あたしのだからっ!」
(え……?)
「いやいや、アイリスの分もだから。二人で仲よく食べてください」
「ちょっと言ってることわかんないですね」
(イ、イチゴのは、アイリスのですから……!)
葵さんの食い意地。アイリスが可哀想だから止めて差し上げろ!
三人の情報を話していた修司が階段から突き落とされ、激情した社が唯一行使出来る力で反撃。
何も出来ないだろと見下していた表情が、恐怖で歪む姿にスカッとした。
人見知りで気弱そうな花子さんだったが、鬼ごっこの果てに相手を殺す一面も持ち合わせていたのを思い出し、満面の笑みで「いい声で鳴いてた。楽しかった」の感想に笑顔が引きつった。
翌日、怪我した修司に自らの呪いで巻き込んでしまったことを謝ろうとする社。
「ごめん、とか言うなよ?俺たち、一蓮托生だろ。お前のせいじゃない。俺が自分で首突っ込んだんだ」
そして二人の信頼関係が築かれた過去話かーらーの、感動する佳奈ちゃん。
「わぁ……なんか、いい話。そっかぁ、そうだよね、二人は信頼しあって――」
「俺……そんなこと言ってないんだけど」
「え?」
いつも通りの作り話オチという一連の流れ、俺たち呪われましたーズのくだらないやりとり、好きだなぁ。
授業中に乱入する葵、翻弄される社の姿が面白い。
「おぅ社、遊べよおい」
(遊べって言っちゃったよ……。無理ですって!授業中だから無理ですって!)
「これなに?今なんの勉強してんの?あのおっさんなに言ってるかわかんないね」
(いや、英語ですけど……。先生をおっさんって……あの、えぇと、か、佳奈ちゃ~ん!)
「……」
(あれ~!?)
思いっきり聞こえないふりして、スルーしちゃう佳奈ちゃん酷い!酷いよ!!
屋上の肉塊(神田川徹、古屋有香子)をアイリスの念話、土地神様の浄化コンボで解決。
望先輩の願い通り三人を屋上へ連れて行くと、報復心に囚われ表情が一変し、佳奈ちゃんも殺されそうになるが、ギリギリで回避。
三人を成仏させた後、手に負えない自体に発展した報告、そして最後のチャンスを貰う社と佳奈ちゃん。
二人のえっち事情が周知の事実となってて、慌てるやりとり好き。
「いえっ、あのっ、あのですねっ!アイリスっ!アイリスでしょっ!心読んだでしょっ!」
(えっ、ご、誤解ですっ!心を読まなくても、あんなに激しくされたら……き、聞こえてしまいますっ!)
「あっはっはっはっ!性悪の座敷わらしに気づかれたのが運の尽きだね。その日のうちに私に告げ口さ」
るりるかによる、更なる追い打ちも刺さる。
望先輩と佳奈ちゃんとの対話は、あらぬ方向(社とのえっち事情)へ飛んでいくが、先輩を旧校舎の幽霊にはさせない、原田望のまま、いつか笑って成仏してもらう。
先輩が先輩のままでいられれるよう、全部受け止める!
そんな佳奈ちゃんの必死の訴えが通じ、先輩は約束を交わして、朱子と共に眠りにつく。
社は来るべき脅威に備え、花子さんと正式な契約を交わし、霊使い改めデビルサマナーを名乗る。
「え、なにそれ超かっこいんだけど」
「やべぇ、ヤシロンぱねぇ……。霊能探偵よりイカス……」
マダムの協力で呪いの手紙が出されるのを未然に防ぎ、二人が学校の七不思議の一つとして語り継がれれば、朱子と望が自らの怨念から解放される未来に可能性を見出す二人。
放課後の相談室を貰い受け、学校の防人として戦い続ける。
誰かが誰かを憎んだとき。誰かが誰かの終わりを願ったとき。私は、朱子と共に目覚める。
先の長い、とっても長い話だけれど、二人なら成し遂げられるかもしれない、良い終わり方。
【BADEND】
望月先輩に佳奈ちゃんの体が乗っ取られる。
図書室での急接近と伊予様の言葉の訂正(佳奈ちゃんは無能じゃない、社を助けてくれた立派な霊能探偵)による、二人の親密度が足りないと起こる。
◆久住美里
花子さんに憑かれない以外は、途中まで葉子ルートと全く同じ。
取り付いた霊をるりとるかに浄化してもらい、霊障の影響で倒れた姉の看病。
深夜、学校へ行こうとする美里姉さんを止めることで死の回避。(→葉子ルートだと死亡)
主人公の霊障を受けていたと思われたが、実際は社に降りかかる厄を、美里が引き受けることを土地神様へ願い、るりとるかが叶えていた。
所長が美里に化けて接近し、朱子を一撃必滅。旧校舎の幽霊問題は幕引き。
美里姉さんへ恩返しをしようとするが手応えは薄く、社が抱く姉への幻想(聖人君子)を壊そうと、妄想ノート10年分(好きな気持ち)を暴露される。
それに釣られるように主人公も姉を好きな気持ちを暴露し求婚、えっち。
美里が書き続けた妄想ノートは、社が霊障によって倒れないようにする意味もあった。
物語の中で強い社を描き続ければ、現実の社も強くなるという葉子の教え。
葉子が美里を友人として好きな理由は、無償で他者を愛せる存在だから。
姉を支えられる存在になったとき、改めてプロポーズをすると宣言し、結婚式→キスで終幕。
◆TRUE END
望先輩とデートするか否かで分岐。
事の真相が全て明かされる訳だが、スーパー憂鬱タイムの始まり。
水無月朱子と神田川徹(古屋有香子と不倫)が付き合っている噂が立ち、図書室で声を掛けられた乾京介に心配される。
友人の証言で誤解が解け、乾と一緒に帰る約束をし帰宅すると、部屋に居た神田川に訳のわからない言い訳で無理矢理犯される。
朱子は、頭のおかしい強姦魔と付き合い続ける親友を心配し、神田川と別れるよう促すが、レイプするよう指示したのは、有香子と判明。
低俗な二人の狂人を謗り、半狂乱となった元親友に病院送りにされるが、復讐に燃える朱子。
夜の学校の屋上で、入院中に有香子が吹聴した嘘の噂の数々は、一つだけ真実になったことを告げる。
世界で最も憎悪する男の子供を身籠った朱子は、二人の非道をぶちまけ、地獄に堕とす為だけに産むことを誓う。
朱子は逆上した有香子の暴力の拍子に、屋上から突き落とされ逝ってしまう。
今まで登場した乾は全て幻想で、実際は話しかけることすらなかった。
旧校舎の幽霊が生まれた経緯、語り部は朱子。
聞き手は乾として登場した社。
朱子が出てくる度に鳴り響く鈴の音は、生徒手帳のしおり紐につけた鈴。
声をかける勇気の無かった彼女の遠まわしな乾へのアプローチ。
すれ違い間際にワザと音を鳴らし、ちらりと振りむく僅かな瞬間、二人っきりになれる世界を愛しく感じていた。
勇気を出して想いを打ち明ければよかった後悔は、二人への殺意で虚しさへと変わり、そんな折に双子の神様が現れ、深い眠りに着くことにした。
しかし原田望の自殺、復讐心に呼応し目覚めた朱子は、望と一体化し三人を殺した。
朱子は、乾と瓜二つの社を見つけ、迎えに来てくれたと勘違いし付きまとったが、その逢瀬を邪魔するベルベットを嫉妬に狂い殺し、近づく女を全て殺ろそうと思っていた。
美里姉さんがターゲットになった理由もそれ。
朱子の憎しみを飲み込んだこと望先輩を救って欲しいと社は頼まれ、海老沢先生(マダムエビフライの本名)の部屋へ送り出される。
霊体で戻ってきた社は、顛末を全て所長とベルベットに話し、朱子との約束を果たすべく再び異界へ。
望先輩の願いは三人への反抗。(一度くらい、いじめてごめんって、謝らせたい)
社も決着をつける手助けをする。
圧倒的優位の立場であっても、三年間擦り込まれた恐怖がそれを弱くし、いつもの常套句に飲み込まれそうになるが、社という味方が居ることを思い出し、言いたい事をぶちまける。
醜い罪の擦り付けあいが始まり、目の前から消え失せた後、もっと早くに勇気を出せたら死ぬこともなかった後悔に、泣き崩れる望先輩。
送ることが出来なかった青春の代わりに、学校の七不思議の未調査を二人で追いかける。
手を振る女生徒の正体→三十年前は朱子、最近のは望先輩。
鍵がかからない屋上の扉→朱子と望先輩、そして肉塊(異界の屋上の鍵が開くと連動して開く)
校庭を走り回るゼンランナー→一年生の人気者。伝説の五十嵐くんが、体育の時間に急に全裸になって全力ダッシュからの停学。
空飛ぶ校長のヅラ→望先輩がちょっとズラすだけのつもりが取ってしまったから。
漢たちの体育館→霊の社交場。
学園の七不思議の未解決は全て解き明かされ、望先輩の最後の願い(えっち)も叶え成仏。
男に抱かれる嫌な思い出は、望先輩とのえっち(温かな気持ち)で払拭し、朱子から最後の願いを託される。(肉塊の解放)
肉塊を朱子の呪縛から解き放ち、図書館に残された彼女からのメッセージ。
『ありがとう。最後に、素敵な思い出ができました。』
現実に無いファイル、切り取られた記事の裏に隠されたのが、恨みではなく感謝の言葉に変わっているのは、彼女の心の変化を表していて良かった。
また、朱子と望先輩の二人が一緒に逝く場面、お互いが出会っていれば、本当の友達、親友同士の関係を築けたよねってやりとりも感動的。
現実世界に戻った社は、長時間異界に居た影響か、死者と交わった所為か、左目の視力を失い、強い霊視の力が宿った。
血濡れの草刈鎌、十三階段、踊り場の大鏡を使いこなし、霊能探偵の力を存分に振るう。
死は、誰に対しても平等で。生は厳しく、とても不平等。
今の一瞬一瞬を、大事な人や仲間と過ごす幸せを、大事に宝物にし、精一杯生きる大切さを教えてくれたってことで終幕。