数年前にプレイしたCHAOS;HEADはあまり楽しめた記憶が残っておらず、内容も半ば忘れかけていたのだが、それでも本作を楽しむ上でカオヘは絶対にやっておくべき。例えるならオルタをやる前にマブラヴをやるようなもの。
◆第1章(情報強者は事件を追う-Digital Native-)
2009年11月6日に起こった渋谷地震(前作カオヘの終盤)から6年後の渋谷が舞台。
ニュージェネレーションの狂気と同じ日に、凄惨な事件が2件(「こっちみんな」「音漏れたん」)起こる。
3件目となる9月29日に、新たな事件が発生したかもとの連絡を受け、現場のラブホテルへ急ぐ新聞部一同。
世莉架と拓留の二人で潜入し、何かに誘われるかの如く事件の一室へ辿り着く。
後に「回転DEAD」と呼ばれる現場を目撃し、閉じ込められた部屋で拓留は気絶した。
拓留が撮影した「回転DEAD」の現場を世莉架と二人で改めていると、そこで思わぬモノを発見する。(力士シール)
同じ映像をを伊藤も見ると、倒れていた碧朋生の女の子に見覚えがあるとのこと。
生徒会室でバッタリ遭遇し、拓留は彼女の去り際に物騒な一言を告げられる。
◆第2章(事件が彼らを嘯く-Rikishi Sticker-)
事件現場を巡り、そのどれもに力士シールが貼ってある共通点を見つけた拓留達は、その事実を動画にまとめて投稿。
ケイさんの渋田にうずのネトラジ放送でその動画を取り上げられて、動画の再生数も一気に伸びる。
投稿されたコメントから力士シールについて情報を集めると、AH東京総合病院の精神科に絵描きがいるとのこと。
「回転DEAD」のときと同じくすんなりと病室に侵入し、壁一面に描かれた血の力士シールの絵を目撃。
現場から逃げる際に、伊藤が気付いた謎の二人組と遭遇し、慌てた拍子に携帯を落とす拓留。
また時を同じく、大量の力士シールの現場に仕掛けたカメラを回収しに行った来栖は、何者かに刺されてしまったと連絡を受ける。
久野里と百瀬克子の会話。
「私は秀才型です。天才ってやつはこんなもんじゃない」
「それ、よく電話で話してるあなたがお世話になった子のこと?」
これはきっとクリスのことだろうなと推測出来る。
英語の会話で内容は分からなかったけど、Chrisって言ってたからなぁ。
◆第3章(彼らのお祭のお話の言い分—School Festival!-)
新聞部は活動禁止処分を言い渡され、また文化祭で同じ記事を投稿したジャーナリストの渡部との対談をすることになる。
文化祭の準備を手伝う中で、事件を追わなくてもそれなりに楽しいことがあることに気付かされる。
学校へ泊まりで準備をし、部室で寝ようとすると突然の電話が。
それは、無くした拓留のスマホから伊藤にかかってきたもので肝が冷える。
文化祭当日の学校、時間になっても来ない渡部は突如壇上に姿を現し、大量の力士シールを吐き出し絶命した。「ごっつぁんデス」
力士シールのコラ画像は卑怯。
テンション上がってきた!の顔ぶれと、すり足で来た!(チャリで来た)は笑うしかない。
◆第4章(お話の裏側が妄想を始める-Her Words-)
文化祭は中止になり、「ごっつぁんデス」から新たな共通点を見つけ出す拓留は、来栖にそのことを話してしまう。
彼女が拓留のことを心から心配する姿を目の前で見せられ、事件を追いかけることを止めようとするが、最後に奪われたスマホを取り返すのだけを許してもらう。(大事な家族の写真が入っている為)
伊藤と世莉架を連れ添って、AH東京総合病院に再び潜入。
解剖室の地下から降りた先は、子供の頃に世莉架と二人で忍び込んだ場所だった。
◆第5章(妄想の住人が騒ぎ迫る-Gigalomaniax-)
世莉架が喰われる妄想は見せられた拓留は絶叫するが、偶然居合わせた久野里によって制される。
11番目のロールシャッハの画像、地下で行われた研究の情報を得る4人。
また、実験の被験者達を世話する少女を見つけ出し、現場から拉致して逃走した。
夜の病棟に忍び込むシチュエーションは、心底震え上がる。
乳母車を押しながら歌う女とか、手に嫌な汗を握りまくって本当に怖かった。
◆第6章(抗うのは迫り寄る過去-Their Resistance-)
山添うきが拓留のスマホを拾い、伊藤の携帯に連絡したかと思われたが、彼女はその場に携帯を戻した。
ならばスマホはどこに消え、あの連絡は一体誰が…?
来栖が大切な話があると世莉架から言伝を受け、青葉寮へ向かう拓留。
しかし、道中至る所に張り巡らされた力士シールの数々から、逃げるように街中を駆け回る。
行き着いた先でグッタリした雛絵と出会うが、同時にパイロキネシスの女とも遭遇。
絶体絶命の窮地で、拓留は一瞬だけだがギガロマニアックスの力に目覚め切り抜ける。
来栖の語る大切な話とは、今度の事件に自身は無関係ではなく、AH東京総合病院で行われた実験を昔から知っていたという事実。
事件の真相究明に来栖も加わり、雛絵も拓留の味方となる。
「おおっと!ただし、ベタベタ馴れ合ったりするのとか大キライなんで、そのへんはヨロシク」
何とも彼女らしい一言が微笑ましい。
その一方で、いつの間にかAH東京総合病院の地下はもぬけの殻と成り果てていた。
◆第7章(侵した過去に間に合うために-Their ResistanceⅡ-)
ギガロマニアックスの力を自覚し、伊藤の口車に乗せられて、不可抗力から女の子のスカート捲る主人公。
「お前は、今、俺たち男子生徒の『神』になったんだ」
完 全 同 意
山添うきは能力を使って、信用調査会社フリージアから元の居場所(AH東京総合病院の地下)へ向かう。
久野里達よりも先に、実験の犠牲者であるうきを見つけ出そうとする拓留と乃々。
道中、南沢泉理を助けられなかった後悔を吐露する弟に、乃々は声を詰まらせる。
2週目をやると真相を告げようとする乃々の葛藤がよく分かる。
青葉寮へと連れ帰ると、思わぬところからうきの正体が判明。
見た目こそ幼いが、彼女は結衣の小学2年の同級生だった。(現在13-14歳)
パイロキネシスの女の正体が、落としたIDカードから判明する。(南沢泉理)
新聞部+うきを交えカフェLAXで一緒に過ごしていたが、メニュー表に挟まれた力士シールを目にして、拓留一人が妄想の世界に囚われる。
◆第8章(侵食して行く事件の錯綜-Betrayal-)
10月23日、パイロキネシスの女から逃げ延び、ニュージェネ事件の再来は終わりを迎えたように思われたが、杯田理子が「上手に焼けました」として発見される。
パイロキネシスの女の正体は、南沢泉理ではなく、偽名と思われた杯田理子だった。
ならばあのIDカードは?
事件がまだ続いているのなら、10月28日の今日、ギガロマニアックは安心出来る状態じゃなく、急いで皆を探す拓留。
結衣の姿が見えず慌てていたが、伊藤と一緒にいる事を知り、電話で確認も取れてホッと一安心……
「結衣ちゃんに何かあったら、俺が手術して治してやるからさ」
……は?
電話から聞こえる結衣のくぐもった声に、伊藤から告げられる正気を疑うような発言の数々。
おいおいおいおいおいちょっと待てコイツ何言ってるんだまさか止めろおいそんな馬鹿な嘘だろ…?
街中を走り続け偶然にも現場に辿り着いたけれど、その箱詰された少女の姿にゾッとした。
泉理の復讐でこんなことを…?
いやそれでも、伊藤って名前がつく野郎はやっぱり糞だわ(風評被害)
というか、限定版に付属するプレゼントBOXのペーパークラフトって…。
何でこんなゴミみたいな特典付けたんだろ、要らねって思っていたけど、おいおい悪趣味すぎだろ。
本作品は紛う事なき18禁です(確信)
◆第9章(錯綜する思惑の行き着くところ-Duel-)
乃々も現場に駆け付けて惨状を目の当たりにし、伊藤を操る犯人へ憤りをぶつける。
どうして彼女がそんなことを知っているのか?
新たな疑問が生まれる。
エド・ルーカスとあみぃちゃんのチャット。
恰も南沢泉理が拓留に復讐するかのような内容であるが、全て思考誘導によって操られていた伊藤の自作自演。
@ちゃんねるの反応は、結衣が死んだ事件を「非実在青少女」と揶揄し祭り状態。
興味本位の傍観者だった主人公が、ここに来て当事者となり楽観視し続けることが出来なくなる。
意識を取り戻した伊藤から、思考誘導に掛かる前の状況を聞くことで、事件の犯人を知るヒントを得る。
その一方で来栖はこっちみんなの映像(ゲロカエルんの音)から、一足先に事件の犯人へと辿り着く。
学校の屋上でディソードを交わす二人。
事件の犯人が世莉架というだけでなく、二人共ギガロマニアックスという展開にもう驚きの連続で開いた口が塞がらない。
拓留も遅れて駆け付けるが、結衣に続いて乃々までもと茫然自失。
果ては事件の全ての犯行は、拓留に擦り付けられもうどうなるんだこれ。
◆第10章(彼女の思惑-Serika Onoe-)
世莉架は、拓留のイマジナリーフレンドが妄想によって実体化した存在。
南沢泉理が実験中に見たのは一人という謎は、これによって解決する。
世莉架の自宅の引き出しに、大量の力士シールと拓留の無くしたスマホが発見されるのも、彼女が一連の事件の犯人を裏付ける証拠となる。
現場に力士シールを残し、パイロキネシスの女の元へ誘導したのも彼女なのだろう。
◆第11章(彼の戦い-Takuru Miyashiro-)
信頼を寄せ続けていた義父が、事件の犯人の一人という事実に愕然。
最初から全て、掌の上を踊ろされていただけとは…滑稽だけど笑えない。
佐久間の目的は、6年前のトラブルによって発生した想定外のギガロマニアックスの掃除をアピールし、委員会と接触すること。
うきの他人の妄想を現実化する力で、老人の脳の中から11番目のロールシャッハ画像を取り出し、計画を実行した。
ラブホテルで雛絵ではなく柿田が殺されたのは、思考盗撮によって正体が露見するのを防ぐ為。
11月6日の第二回渋谷平和復興祭の当日、アキバへ逃げる予定だったが、世莉架の電話の告白(拓留の両親を殺したのは私)で、ヒカリヲのシアターキュブへ。
父の思考誘導によるヘロンの感覚遮断実験に30日間耐え続け、反撃の狼煙を上げる際の二人のやり取りが大好き。
「無謀なことに賭ける覚悟は……おっけい?」
「おっけい……」
「賭け金が自分の命だっていう現実は、おっけい?」
「おっけい」
「馬鹿な決断に言い訳をしない意志は、おっけい!?」
「おっけい!」
「じゃあ、行って! 舞台に上がって、タク!!」
BGMに非実在青少年も掛かって胸熱。
妄想の上に妄想を塗り重ね、思考誘導の呪縛から抜け出したと思わせる。
新たな思考誘導をかける一瞬を突き、装置を破壊する作戦は成功する。
世莉架の存在意義は拓留の生存ではなく、拓留のやりたいことを与え叶えさせること。
6年前のニュージェネ事件、一度は犯人にされた西條拓巳が自らの冤罪を晴らす姿に憧れを抱き、世莉架がそれを叶えようと画策した。
そんな彼女を宮代拓留の人形から普通の女の子へ実体化し、物語は幕を閉じる。Cver Sky
秋葉原にいる久野里の協力者とは?
「PCを使った情報収集という点においては、私以上の腕を持つハッカーだ。ふざけた人物だが、ある程度の事情も知っている」
完全にダル。脳科学専攻でアメリカ在住だったことを考えるとクリスとも間違いなく知り合いだろうと連想出来る。
◆Real Sky(来栖乃々編)
南沢泉理が渋谷震災によって、目の前で死んだという嘘。
乃々も実験の被害者で、泉理の死に自分も関わっていると考えていたけど、まさか本人だったとは…完全に騙された。
家族の間で嘘は無しというルールを明言しつつ、その実一番守れていなかったのが乃々自身というのは何とも皮肉。
「もしもこれで全てを失うことになったとしても……もう、嘘はつきたくないから。拓留に隠し事はしたくないから――」
「だから、たとえこの姿であなたに嫌われたとしても、私は――本当の私でいることに決めたの!」
泉理として生きてく乃々の決意に、それを受け入れる拓留。
本当の家族になれたこの瞬間は、胸熱な展開で大好き。
カオスチャイルド症候群で乃々も老化した姿をしていたけれど、複製の力がしっかり機能してなくね?と疑問を抱いたが、妄想シンクロで自分は変装した気になっていると考えたらおかしくないのか…?
◆Dark Sky(有村雛絵編)
パイロキネシスの女から一緒に逃げ続け、恐怖体験を共有することで二人の仲が急接近。
SNEG(それなんてエロゲ)に相応しいイチャラブ展開の連続は、ある意味ギャルゲーとして一番相応しい在り方だった。
結末としては、身を呈して庇って死んだ拓留を慈しむようにずっと抱え続けるという、完全なBADENDだったが、雛絵が幸せそうならまぁいいか。
あでぃおすぐらっしあー。
三森すずこさんの声も良いけど、キャラ的に佐倉綾音さんも嵌り役だろうなとずっと考え続けていた。
◆Dream Sky(山添うき編)
結衣の殺された現場にうきも居合わせ、逆上し伊藤をディソードで斬り殺そうとする。
拓留が止めに入ろうとするが、その凶刃を一身に受けて倒れてしまい意識は混濁。(真実は、拓留のディソードでうきを斬る)
彼女の創り出した妄想の世界に囚われる拓留は、リア充として幸せな学園生活(ニコニヤの出演オファーに碧朋一の美少女、蒼崎夢からの告白)を謳歌する。
しかし、現実の世莉架と乃々の呼びかけ、世界の綻びを見つけ出し目を覚ます。
心が死んでいるうきを看護する日々を送る主人公。
◆Deep Sky(香月華編)
パイロキネシスの女から逃げた先、学校に居合わせた香月の力で助けて貰う拓留。
しかし香月のギガロマニアックスの力は、声に妄想の情報エネルギーを乗せて拡散(感染型誇大妄想能力)する、マジ使えない性能クソの死にスキルだった。
渋谷はエンスー2のモンスターで溢れかえる酷い惨状となり、300人委員会から世界の敵と認識される。
和久井に殺されそうになるが、疾風迅雷のナイトハルトから知恵を借り、一矢報いる方法として、「超強い力士シール」から連想される妄想で対抗。
巨人の力士マンが慰霊碑で止めを刺す瞬間は、腹を抱えて笑った。
ハナカツヲ:( ´ - ` ).。oO(ナイトハルトが元気そうで良かったよ。エンスー神、ヤキソバパン買ってきて)
◆Silent Sky(尾上世莉架編)
カオスチャイルド症候群の真実は、プレイヤーの見ていた現実さえも欺く、妄想で上塗りされたものだった。
乃々と世莉架のツーショットは衝撃で、妄想トリガーによるスカート捲りでYEAHHHHHHHHHHと喜んでいた自分が馬鹿らしく思えてくる。
久野里が毛嫌いしていた理由もここでようやく分かった。
偏見は良くないと理解しつつも、妄想に囚われ続けている滑稽な存在に、好意的な気持ちは抱きにくいだろう。(見た目老人だし)
妄想シンクロから抜け出した唯一の存在である拓留の脳波から、カオスチャイルド症候群を治療する画像を生成。
謂わば11番目のロールシャッハに対抗する12番目の画像。
和久井に現場を見つかるが、300人委員会と偶然にも利害は一致し、なおかつ拓留の挑発(手放したギガロマニアックスの力を取り戻すかのゲーム)によって、その場の窮地は脱する。
3ヶ月後、役目を終えた拓留を護送する日、世莉架と顔を合わせる。
今までずっと一緒だった二人が、これからは別々の道を歩き出すことを表した良い一枚絵だった。