インディーズバンドのサクセスストーリー。主人公が“おっさん”と呼ばれたり、キャラ、テキストなどがちょっと癖のある異色の作品なので好き嫌いが分かれると思う。軽くドラマを見る感覚で楽しめる人には向いているかな。恋愛やエロには期待しない方がいいですね。
一言でいえば異色の作品です。
主人公が中年で、メインヒロインに“おっさん”と呼ばれるなど現在主流の作品とは確実に相反する作品です（笑）したがってかなり好き嫌いが分かれると思います。
個人的には渋くて皮肉家の主人公や会話・シナリオがよかったので、結構お気に入りの作品になりました。
まず良かった点を挙げていくと、
・ストーリーが硬派でシリアス。でもサクセス・ストーリーということで感じのいいラストばかりなので読破後は気分いいですね。ちょっとご都合主義な所もありますが、当作品においてはそれもプラス材料になる感じで、それもありかなという気分にさせられます。
・キャラがいい。確かに一癖、二癖もある連中ばかりですが、基本的に悪い奴はほとんど登場しません。主人公は中年で“おっさん”と呼ばれ、自信家、皮肉家で素直じゃないですがクールで渋い。。。いいキャラしています（笑）一方のメインヒロインも気が強くかなりの自信家ですが、わざと虚勢を張って自分を追いつめ奮い立たせている感じの側面があるのでこれはこれでいいと思いました。
・キャラとの会話のやりとりがいい。主人公のセリフは素直でなくぶっきらぼうですが結構真実をついていて良かった。特に詩音とのやりとりは笑えました。
・主人公を含めフルボイス。10年近く前の作品なのに頑張っています。
・絵（CG)がいい。ちょっときつめの感じもしますが結構いいと思います。
一方悪かった点としては、
・音楽モノなのに歌が…ね。メイン、サブともに天才歌姫というレッテルの割には…。声優さんの会話の声はいいんですよ。ただに歌のシーンになると…。もっともそこまでのスキルを声優さんに求めるというのは酷というものですので、歌が上手いんだと言い聞かせて、聞く人は聞きましょう（笑）ちなみに歌のシーンはスキップできます。
・声が聞き取りにくい。特に主人公の声はボソボソ話すので聞きとりづらかった。せっかくのフルボイスなのにもったいないですね。
・共通シーンが長い。もう少し個別ルートを長くすべきだったかな。でも既読スキップは高速なので、さほど苦にはなりませんでしたけどね。
・ラストがあっさりしすぎ。展開はこれでまあいいとしてもうちょっと余韻にひたれるようにしてほしかったですね。特にサブキャラ。
・恋愛、エロの要素が薄すぎる。恋愛要素はあってないようなもの。エロもとってつけたような突然発生する感じです。詩音のノーマルエンドやサブキャラ1名はエロシーンすらないし（笑）（もっとも本作品においてはエロはいらない気もしましたし、それに期待もしていなかったので個人的にはさほど気にならず）
・シナリオはやはりお約束で先の展開がなんとなくよめる。。。やっぱり気になる人は気になるでしょうね。
・回想シーンがない。10年近く前の作品にもかかわらず、システム的にほとんど不自由さを感じなかったのに唯一の欠点。とはいえ…Hシーンは各キャラ1つで薄いのであまり必要ないといえば必要ないかも…。
このようにアラはありますが、総合的に見ていい点が悪い点を上回ってると思います。
評価は埋もれている佳作という感じでこの点数。ラストがもうちょっとしっかり描いていたら確実に良作でしたね（ただしゲーム全体としての評価がこの点数であって、エロゲとしてみた場合はこの評価からマイナス20点くらいさがるでしょうね。明らかにエロは薄いですから）
皮肉・軽口・洒落を交えた大人の会話や第三者目線でドラマ感覚のゲームを楽しめる人ならお勧めの作品です。少なくとも…駄作ではないので、現在中古価格で投売りされている感じなのがもったいないですね。私自身もワンコイン程度で購入しましたが、もっと評価が上がっていい作品だと思います。
以下ちょっとネタバレ↓
映美以外のサブキャラ4人をクリアしないと詩音のTrueEndにはいかないようですのでご注意を。
あと結構選択肢がありますので、時間のない方は攻略サイトのお世話になってもいいかもしれませんね。お世話にならなくても十分攻略できますが。