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imotaさんの女装海峡の長文感想

ユーザー
imota
ゲーム
女装海峡
ブランド
脳内彼女
得点
80
参照数
2211

一言コメント

響の男水着姿で勃起した!俺は響の男水着姿で勃起したぞ!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

何ですか、その可哀想な人を見るような目は。
貴方はまだ真理に目覚めていないだけなのですよ。さあ、山歩きの後は海開きですよ!

という訳で、僕は過疎化著しいとある離島へとやってきたわけさ。
もちろん純粋にエロ学者としての研究の為さ。植物の生態を知る為にはまず男の娘のおしべとめしべを知らねば!

そう、男の娘、それはいつの間にか巷で定着した二次元言語だ。三次の男の娘など、そんなものはない。
何をもって男の娘とするかは永遠の課題だが、可能な限り適用範囲を広げるならば「女の子のようにかわいい男」となるだろう。
それ故に「単に女にちんこ付けただけじゃねーか」という批判は、ファンからもアンチからもしばしば出てきたりする。

しかーし!本シリーズはタイトルにわざわざ「女装」と銘打っている。
作中でうんざりするほど「男の娘」連呼しても、それは「女装」という敷居の高さを緩和する為の処方箋だと理解すべきだ。

見よ、衣服を脱いだヒロインたちの姿を。くびれてない腰、やや骨ばっだ肩のライン、どんなにかわいくても彼女達は男なのだ。
しかも、身長も前作より男らしい高身長となり、18歳以上が建前の二次元世界で大学生の後輩を投入してくる。
どう見てもガチです。山脈で裾野を広げたとはいえ、一体どれほどの脱落者がでるのかお姉ちゃん心配だなぁレベル。

その辺は製作者もよく分かっているのだろう。やはり本作でもマゾ度は抑え気味に作られている。
男の娘に自分のアナル処女を捧げたい変態さんは、やはり今回も涙を飲んで甲子園の土を拾っていきましょう。
男の娘に腋コキされたい!男の娘のおちんちんをしゃぶりたい!という変態さんは、急いで出航の準備をしましょう。
ああ、もちろんボテ腹セックスも完備されてるのでご安心を。



本作での男度を上げる試みは、大学の後輩キャラである響に委ねられている部分が大きいと思う。
前作の由良と同じような都会派ポジション、しかし由良は作中では常時女装していたが、響は違う。男装とのメリハリがある。
男が男装? いや響は男の娘だからこれで日本語は正しいんだよ。

そして、男装時は言葉遣いも男らしく固めになり、声もやや低めになる。
実際にはそれほど男装モードは多くないが、ギャップ萌えという最も大事なツボをいたく刺激してきて、ああもう!
響の性格も、簡単にツンデレというよりも、かなりめんどくさい系で、それが先輩後輩の距離感と相まっていい・・・

主人公不在のプロローグで女装してたのは、村の風習に従っていただけなので、里帰りの際には普通の男として振舞っている。
島渡りの儀式やら何やらで渋々女装するも、すぐに女の子な言葉遣いになっちゃう適応ぶり。でも怒るとゴリラっぽい。
響ルートに入って、先輩と妙な関係になってくると、それに反発して再び男装に戻る。

しかし、主人公も我々も、ここまでの展開で響を異性的な恋愛対象として見るようになってしまっている。
そこに現れる、男水着に着替え直した響。

「こ、この格好ならいくら変態な先輩でもおかしな気分になったりしませんよね!……って……」
「なんで勃起してるんですか?! 完全に男の格好なんですよ?! じゃあパーカー脱げば流石に……って……」
「何でまだ勃起してるんですか?! 変態さんすぎてアウトどころかスリーアウトチェンジですよ!」
「俺は変態じゃない! 響相手だからおかしくなってしまうんだ!……ってあれ? 俺何言ってるんだ……?」
「そ、そうですか。じゃ、じゃあ仕方ないですね……でも勃起したチンポを慰めるのは後輩の役目ですから見せて下さい!」

というコメディとイチャラブとエロスの融合した展開に、感動すら覚えて俺は射精した。
私はここに、女装シリーズとしての正統進化の姿を見出したのだ。



響が由良様ポジションなら、巡は史緒さん巫女ポジション。
ただし、前作では軽い味付けだった輪廻転生話が、お気軽に降臨する媛神もとい非女神様のおかげで、かなりややこしくなる。
「先生が本当に好きなのは、過去の私のそっくりさんではないの…?」という恋の苦しみだ。

まあそこまでラブラブ展開に至るまでに、クールで素っ気ない巡きゅんに手コキ足コキおフェラされたりするんですけどね。
更にその前にのビッチ男の娘神様に翻弄されますが、好意でやっているので無害です。何ともはた迷惑な神だ!

巫女という生まれを諦念と共に受け入れた巡が、己に素直になってデレデレしてくる様は正にキャラ崩壊レベルだが、
七生お姉ちゃんお手製のゴスロリ服に着替えてスカートたくし上げされたら、そりゃこちらからおちんちんペロペロするしか!


七生お姉ちゃんは、残念ながらメインよりもサブで輝くキャラであったようで、ルートもあっさり終わって肩透かしな印象だった。
折角お世話好きキャラなのだから、アナル舐めご奉仕くらいはあると思ったんだがなぁ。でもこちらからのフェラはあったよ!
七生お姉ちゃんが、響と巡の諍いに九州弁丸出しでブチ切れる様は、とても楽しゅう御座いました。



キャラ的な話では、分かりやすい属性を揃えた前作に比べると、今作ヒロインはパッと見パンチが弱く感じるかもしれない。
ちょっと顔バランスの崩れも感じない事はない。だが、日常会話での絡みを見ているうちに魅力的に見えてくるので安心してほしい。

考え方は異なれど、それ故に互いにぶつかり合っても、根っこにあるのは身内への深い愛情。
まるで三姉妹な絆を見せられて、七生お姉ちゃんに涙ながらに「響をよろしくお願いします」と言われて、力強く頷く俺でした。

主人公の幸人さんにも言及すると、前作同様の女性に無縁なヘタレ童貞で、ノーマルなのに悔しいでも…!なノリ。
そのお約束な葛藤は、人によってはグダグダに見えるかもしれないが、脳内彼女の主人公はそういうものです。


エロ的な話では、マゾ度の事は置いといても、アナルを愛撫する描写が皆無だったのは残念だった。
いくら「男の娘マンコは特別」だと言われても、やはり愛する人のアナルを丁寧に解きほぐすのは、格別な喜びがあると思うんだ。

何ですか、その可哀想な人を見るような目は。
そんなに私を蔑みたいのならば、男の娘になってから出直してこい!さあ共に女装出航だ!