羊の皮をかぶった狼の前に、銃口と共に出される無抵抗な子羊。だが、彼等はケダモノでも、ゲームの駒でもなく、この異常な世界に惑いつつ抗う人間なのだ。
必要は発明の母。我々人間社会は、欲望を原動力として発展してきた。
しかし、制限のない欲望は逆に社会の発展を阻害する為、罪や禁忌として抑圧された。
それでも排泄を我慢できぬように、歪んだ性的欲求もなくす事はできない。
だから、我々は二次元、エロゲという架空の世界で、その欲求を昇華する術を得た。
しかし、今現在、創作においても「凌辱」に代表される鬼畜な行為は、他よりも厳しい規制がなされるようになった。
檻の中の不自由な自由。だが本作は閉塞的な状況を逆手にとって、より過激な行為を許す箱庭を作り上げた。
生きる為に人肉を食べた話ではないが、極限状況では平時のモラルなど腹の足しにならぬ。そう、強姦極まり和姦となるのだ。
悪意ある何者かが設定したルールは不条理極まりないが、歪んだ欲望を持つ我々には渡りに船、おあつらえ向きすぎるものだ。
しかし、開錠者に設定された恵輔という男は、失った日常を再び求め、暗い愉悦を享受しつつも、苦しみ、抗う。
鍵穴たるヒロイン達も単なる牝穴ではなく、その身を捧げつつ主人公に、モニター越しの我々に訴えかける。
それでも、この不自由な檻の中に居続けようとする我々のエゴを見透かすように、悪意ある何者かは彼等を更に弄ぶ。
我々は気づくだろう、掌の上の自由など吹けば飛ぶ事を。そして、檻の外ですら力ある者に支配された世界だという事を。
これは最初から最後まで残酷で荒唐無稽な物語かもしれないが、そこに息づく生の感情は強く我々を揺さぶるのだ。
なーんて柄にもなく真面目でイタい冒頭だが、きっと先生の鼻フック目当てで買って強烈なカウンター食らったからだろうブヒブヒ。
皆も当然エロ目当てだよね! ただエロ自体は人を選びます。それは単純にハードというだけでなく、
①強制だが互いに同意した半和姦 ②スカ含めニッチなシチュ多め ③キャラへの印象が大きく変貌する物語
とかなり癖が強いからだ。『妹 わたし、どんなことだって…』みたいに愛しつつ汚したい、変態野郎な私にはご褒美ですが。
エロは基本拘束、アナル・尿は複数有り、ボーナスゲームは奉仕中心。フェラはひょっとこ傾向。目立つシチュは下記参照。
本気の暴力やグロもあるが、ストーリーの流れに沿ったもので、リョナニーには使いづらいかも。
キス・くすぐり絶頂・開口舌媚薬責め失禁・アナル痛痒責め・人間便器食糞嘔吐・苦痛土足コキ・抜歯フェラ・焼印輪姦・スパンキング・
アナル異物放屁・口内汚物洗濯・犬化逆アナル・髪コキ・鞭打ち・フィスト・フェラ飲尿・首吊りセックス・近親?媚薬逆レイプ・
連結チューブ食糞嘔吐・人間便器輪姦・着衣バケツ失禁・アヘ顔ダブルピース配信・食ザーゲップ・レイプ嘔吐・牝犬排泄調教・
鼻フックイラマチオ・剃毛オムツ下剤幼児プレイ・生理中セックス・超特濃媚薬ラバー・電気椅子拷問・ハーレムオブジェ化
アヘ顔は思った程ではなかったが、生々しい表情、そして個人差ある体型や陰毛といったリアルとの匙加減が実に良い。
声・テキストは、はっちゃけてます。卑語&絶叫のブサイク作品に近いかと。身体の全てがチンコでマンコでした。
スカとかアナルとか剃毛とか、メディ倫のノーモザを生かしたプレイがあるのはありがたい。剃り、鞭跡は後まで残る良い仕様。
非ネタバレでキャラやシナリオについて書くと、菜月⇒凛音⇒梨香⇒合歓⇒叶ハーレム⇒叶トゥルーの順で攻略すると良さげかも。
他の方と異なり梨香が後ろなのは、他ルートでウザい甘ったれぶりを見た方が、犯し甲斐があるからですグフフ。
と思って梨香ルートに行ったら、お馬鹿な駄目ヒロインが成長する良い話だったよちくしょう!
他の4人にはそれぞれ秘密があるのだが、最後の叶トゥルーを見ないと正直よく分からないだろう。
先生は、意外に頼りになって、意外にいーかげんで、何だか色々と台無しだよ! ゲームの黒幕探し?何のことかしら、フフフ。
苦痛プレイがお好みな凛音様には、特典テレカの多さ同様に結構な信者がいたが、どうやら息をしていない模様。メシア教徒こわい。
魔女ベアトリーチェもとい合歓は、毒で媚態な口調で通常会話すら勃起させる、近年まれに見る強烈なヒロイン。ガイア教徒こわい。
もう少しふくよか希望な叶は、一緒に水バケツを持つ描写を見て「ああ、これこそ幼馴染だ」と嬉しかった。嬉しかったんだ。
そして凌辱者らしからぬ漢を見せる恵輔。彼には失われた記憶があり、それを我々が知った時、世界の景色は劇的に変わることだろう。
ただ、彼は普通の力しか持たぬ人間なので、自身の全てを投げ出しても、ヒロイン全員を幸せな日常に戻す事はできない。
だから、私はパッケージ下の豚鼻鼻フックさんから渡された応募券に僅かな希望を見出したい、ていうかあのコメントは卑怯だ!
「これより先は、ネタバレ上等の危険区域。全てをクリアしたプレイヤーのみ扉の前に待機して下さい」
10
9
・
・
苦境を通じ神聖なものへ。困難を通じて楽園へ。
わざわざ厳重に区切ったのは、王様の耳はロバの耳よろしく、合歓について語りたかったからです。
冒頭からねっとりと『お願い』で脅迫しつつ、キスを迫る姿を見て、鍵穴に選びたくて仕方なかったが、楽しみは後にひたすら我慢。
サドでありマゾであり、いつも邪悪な癖に寂しげな顔、優しげな声をわずかに見せ、地上に出てからは徹底した女王様で、主人公をかき乱す。
罰を、恵輔の本気を望む凛音と形こそ違えど、ひたすら恵輔の獣性を煽り、無様に絶頂して気絶するほど責められても全く堪えない。
そんな合歓を、覚醒して新たな支配者となった主人公が「お前は殺さずに生き地獄を見せてやる」と心と歯をへし折るENDは素晴らしかった。
日常に戻る為、大切な幼馴染を救う為に、抑え続けた暗い衝動を解放スルノハサイコウダ。モット殴レ殴レ殴レ首ヲ絞メロ絞メロ絞メロ…!
だが見てしまった、あの合歓が俺の為に号泣する姿を。
彼女は悪人を演じていただけで、俺の存在だけが生きる救いなほど傷付いた、俺が必死に守ろうとした、本当の幼馴染だった。
俺を救うために分の悪い賭けに乗り、本心はほとんどおくびにも出さず、自らを他者を犠牲にし、俺に殺されようと望んだ。
ようやく理解した。寂しそうな顔を、ひとり歌う姿を、生き地獄の宣告に絶望し流した涙を。
彼女に情を覚えて憎みきれず、または甘言に乗って獣性を解放しすぎて、互いの想いがすれ違う悲劇。
そして、ようやくたどり着いた現実。そこから楽園に逃避する彼女を救う為、虚実の境すら分からぬ世界を彷徨った。
俺は、運の悪さが取り得の愚かな人間で、合歓を救う力もない。それでも現実で幼い約束を果たしかったんだ!
多分、今の私は主人公に引っ張られて、入れ込みすぎてるかもしれない。
しかし、Ever17のトゥルーで後頭部を殴られるような、あの劇的な転調を味わった方ならば分かってくれるだろう。
ただ、問題はこの作品がインモラルハードコアであり、この世界では彼女を愛しつつ壊すしかないのだ。
ああ、ようやく私も恵輔の苦悩を本当に理解できた。素の合歓も、仮面の合歓も愛し、加減なく犯すのは、最高で最低の気分だ…!
強烈なアンチ幼馴染キャラだった、本当の帆刈叶についても語ろう。
彼女の恵輔への好意は、本当に全て演技だったのだろうか。そもそもあのゲームは現実なのか虚構なのか。
私は本編のほどんどは現実であり、合歓の首絞め完遂直前、施設からの脱走が主人公の意識操作、虚構であると思っている。
真偽を確かめる術はないが、もしあの出来事が虚構ならば、あのゲームの悪趣味な観客にとって「面白くない」からだ。
それに、最終ゲームで組織に必要な人物は必ず生き残り、無価値な人間は死ぬ可能性がある、というのは何故なのか。
そして、菜月さんが教えてくれた帆刈叶は、天才で打算的だが、愛されたことのない孤独な人間だった。
その彼女が、合歓を連れて逃避行、わざわざ居場所のヒントを主人公に与えたのは、何らかの心の変化なしには考えられない。
そう、私はずっと合歓の話をしていたが、ここへ至るのは鍵穴に叶を選び続け、関係が歪んでも彼女を一番に思ってきた結果なのだ。
合歓にとって唯一のチャンスだった、この絶望的なゲームは、単なる友人だった叶にとっても、恵輔を奪う唯一のチャンスだった。
最後の恋人ごっこは、罠選択の足掻きであり、隠れた願望であったのかもしれない。
もし、あの振る舞いが全ては演技でないのなら、叶は単なる悪人ではなく、捩くれて無自覚な上級ツンデレだと思うし、そう思いたい。
ただそう思う事で、彼女の犬になる事でしか幸せになれない、歪んでしまった関係に絶望するかもしれないが。
凛音は、大衆に背を向けた、残念な美少女だった。
あのクールな顔が苦痛で無様に歪む様、淡々と奉仕する姿、ゲーム抜きで初めて抱き合い4連戦アヘ顔丸出しのインパクト。
脱出直後までは、俺も信者だったんだ。でも個別後半の凛音様は、止める間もなく電波受信全開になってしまわれた。
凛音が本当に恵輔の娘だったら、または両性具有のままだったら、よりインモラルだった。もしくは、素の状態で親子プレイとか。
そうでなくても、普通の子として現実で幸せにしたかった。楽園ENDのノイズ混じりの調子外れな音楽がもの悲しい。
別にヤンデレ否定な訳ではなく、クリアから時間が経つほど凛音様が素晴らしいと思えてきたのは、私が浄化されてきたのでしょうか。
梨香は、駄目な子ほどウザかわいいという好例だった。
楽な方に逃げ、極端に他者に依存する彼女が、楽を良しとせぬ愚直な主人公に追い詰められ、逃げられずに泣き喚き、
諦めて現実逃避な優しい嘘を求め、嘘が破綻すると窮鼠猫を噛み、それでも愛が憎しみに勝って、勝利直前の合歓を打ち砕く。
この利己主義から自己犠牲までの流れは、途中の右往左往ぶり、他ルートでの蝙蝠ぶりを見るほど、高い威力を放つ。
しかし、周到に積み重ねて、死と勝利を確信した合歓の絶望を想像すると、ヒロインを選ぶという行為が重くのしかかるのだ。
だが、まさかの梨香指名に、他ルートに比べて妙に絡んでくる叶の嫉妬心?を想像すると、ニヤニヤが止まらない。
菜月は、男塾展開には肩透かしだが、結局仕事に徹せない良いサブキャラだった。
「向こう側」を知っている彼女が、他より変態度の高い行為を要求される内心を想像すると、やはり変な笑い顔になってしまう。
しかし、脳が破壊されるほどの媚薬を前にして、逃げなかったのは何故か。契約途中破棄の罰則は更に重いのだろうか。
凛音ルートのみ、肝心な時に合歓を助けなかったのは、それが一番彼女を絶望させると組織が判断した結果だろう。
罪を浄化する為に主人公の目の前で無数の男達に犯される、その直前の合歓は確かに日頃の余裕、仮面を失っていた。
焼印瞬間の絵がなく、輪姦もハードさが足りんなぁ…などと思っていた過去の俺はプレス機に潰されてしまえ!
・
・
1
0
本当はもっとじっくりプレイするつもりだったけど、物語に牽引されて一気に最後まで来てしまった。
今は映画館のスタッフロールで余韻に浸っている感じで、エロについて語るにも毒気が抜かれてしまったようだ。
地下ゲーム中心にした方が良かったという意見もあるだろうが、エロとサスペンスだけではこんな気分にならなかった。
でも、多幸感を忘れられない私は、しばらくしたらまた別の楽園を探し始めるだろう。
「これでも満足しないなんて、本当に終わってるわね、あなた」と合歓の声が聞こえた気がする。
さあ、行こう。世界にはまだまだ楽しいことがあるはずなんだ。
「この感想からの脱出条件 オナニー:1回 備考:合歓大好きだー!とリアルで叫びながら」