伝奇要素はおまけ
伝奇要素に関しては、SFチックで人によっては幼稚と感じられるかもしれない。
しかし、この作品の真の価値はキャラにある。特にさくやと銀子さん。
このゲームが妹ゲーと呼ばれることが多いのも納得である。さくやは他作品のテンプレ妹とは一味違う。ツンデレでもなく、兄べったりでもなく、主人公との心地の良い距離感を保ちつつ押さえるところは押さえていて、これに匹敵する妹といえば、『紙の上の魔法使い』の妃くらいだろう。
銀子さんもある意味妹であったw。銀子ルートでの銀子さんの言動はどう見ても妹キャラで、物語における「ミステリアスな残念お姉さん」という役割とのギャップがすばらしい。
伝奇要素に関しては、『snow』に非常に似ている気がする。
天女=龍神、銀子さん=しぐれ+芽衣子、さくや+翔子=澄乃、呪い=桜花でFA。まあ『snow』では澄乃と主人公が前世の因縁を受け入れて、シンセミアではさくやと主人公は天女との関係を断ち切るという正反対のエンドなわけだが。
設定の細かさに関してはシンセミアのほうが上だが、風呂敷の広げ方と畳み方、それに伝奇要素とストーリーの絡みに関しては『snow』に及ばない。まあシンセミアの伝奇要素はおまけなのでどうでもいい気がするが。
あと、日常会話がおもしろい。伝奇要素削って日常会話を増やしてほしいなんて思ったゲームは後にも先にもこれくらいだ。