同人ゲームだからこそ作れる話。この意味不明ぶりが癖になる
今まで、ノベルゲームに狂気を感じる作品は複数あったが、これはその中でも特に抜きん出ている
作品自体がパロネタの宝庫。マニアックなやつも多いが「ネオ昭和辞典」という解説が作品進行を阻害することなく表示されるため、元ネタが分からなくても遊びやすい。
しかしネタ解説のないアニメーションやキャラ名、明らかに何かの元ネタのある立ち絵、ゲーム内で遊べるおみくじコーナーにも、豊富にパロディを含んでいるので全てを把握はできず。
最初から最後まで意味不明なギャグと先を読ませぬ展開、勢いで突き進むため、意味が分からないのに引き込まれてしまう力を持つ。
正直5章の時点でお腹いっぱいになったものの「この狂気がまだ2章分残っているのか」と恐怖を感じた。
また、特定の人物を皮肉る内容はギャグというよりはただ不快だった。アイドルのくだりも好きな人が見たら馬鹿にされてるように見えるだろうし、怒るだろうなと感じる。
笑えない行き過ぎたギャグは不快だったが、このノリは同人ゲームならではだし、こんな怪作に出会えるからノベルゲームはやめられない、と思わされる一作だった。