ちょっとゲーム進行が単調な気もするし、2DのイベントCGが皆無だったり、欠点も多いですが、プレイヤーの分身である主人公を介してネプテューヌをはじめとする4女神たちとの日常イベントを楽しみたいならアリなゲーム。まあ良くも悪くも、雰囲気が完全にいつものネプテューヌなのであまりアイドル育成モノっぽく感じられないし、アイマスっぽい物を求めてプレイすると、ちょっと違うなと感じてしまうでしょう。ネプテューヌシリーズのファン向けですね。
ネプテューヌシリーズのキャラクターを使ったアイドル育成ゲーム。
いつものシリーズはネプテューヌを主人公にしたRPGですが、この作品では
プレイヤーの分身としての男主人公がプロデューサーとして存在し(名前変更可)、
軽度ながら恋愛的なイベントも楽しめるようになってます。
設定としては、アイドルブームによってゲイムギョウ界における女神のシェアを奪われてしまったことから、
女神たちが自分たちもアイドルになろうと決意して、異世界からプロデューサーを召喚する、というもので、
冒頭でプロデュースする女神を一人選んで、育成していくことになります。
このシリーズはいつも、ゲームハードをモチーフにした女神たちが、シェア(信仰心)を互いに競い合っている
という設定ですが、今回はアイドルが題材であるだけに、あまりゲームハードネタは見られません。
かわりに敵となるアイドルグループの名前がMOB48とかいって、元ネタの分かりやすいパロディはありましたが。
まあ、そのMOB48から信仰心を取り戻すのがストーリーになってます。
世界観的には、背景グラフィックを見る限り神次元のようですが、そのわりにノワールやブランに妹がいるので
キャラ設定的には超次元のようでもあり、両方を掛けあわせたパラレルワールドっぽいですね。
ゲームとしては、180日の制限日数の間に女神をアイドルとして育成したり営業活動やライブをしたりして
人気を上げ、トップアイドルに育て上げるのが目的になります。
レッスンでボーカルセンスやダンスセンスなどのパラメータを上げ、
ストレスを溜めすぎないよう適度に休息をさせつつ、営業やライブでファン数を増やしていくわけですが、
パラメータが高ければ営業の効果が上がるということになっているものの、
パラの低い序盤から営業をやっても結構ファン数は上がるし、しかもファン数はどうやら減少していくこともないし、
ライバルがこちらの国に乗り込んできたりすることもないのでシェアが奪われることは基本的になく、難度は低いです。
普通にやっていれば制限日数をオーバーするようなことはありえないぐらい、余裕を持ってクリアできるバランスです。
目玉のライブシーンでは、3Dモデルが結構いい動きで踊ってくれますし、5曲ある歌もいい曲が多いです。
まあ各女神の持ち歌は、すでにリリース済みのキャラソンですが……
ライブの設定では、衣装やアクセサリーの種類もなかなか多いし、女神の格好は結構カスタマイズできますね。
カスタマイズアイテムに関しては、パラメータを上げるなど条件を満たすことで色々手に入ります。
ライブシーンはカメラワークや演出(スポットライトとか紙吹雪みたいな)がプレイヤーの担当になっていて
自分で操作することになりますが、歌って踊る女神をいろんな角度から自由に眺められるのはいいですね。
ただ、のんびり眺めたいこともあるので、できればゲーム側で自動でカメラワークをやってくれるモードも欲しかったですけど。
ちなみに斜め下からのカメラでは普通にパンチラも見ることができたりしますw
なにげに衣装ごとにパンツもちゃんと変わるあたりは、凝っているなあと思いました。
途中で女神化させることもでき、変身するとちゃんと歌も女神verに変わるのは良かったです。
カメラワークや演出によって観客の満足度を上げていくとライブを成功させることができ、ファン数も増えるのですが、
これも適当にカメラをぐりぐり動かし、客の歓声に合わせて演出を入れてれば序盤でも簡単に成功するので
自分は失敗を一度も見たことがないくらいには難度が低かったです。
ライブに関して難点を言えば、もうちょっと観客が盛り上がっているという雰囲気を感じさせて欲しかったかな。
特に女神化の時などは、もっと特別な演出が欲しかったと思う。数値が上がるだけで結構淡白だったから。
あとは、このゲームの楽しみと言えば女神たちと過ごす日常イベントでしょう。
個人的には最大の楽しみでした。
一日の始まりに発生するランダムイベントを始め、女神にオフを過ごさせるコマンドを選ぶことにより
女神と一緒に出かけたり、一緒にゲームしたり、ちょっとラブいイベントが発生したり、
いろいろな日常が楽しめます。
今までのシリーズではネプテューヌあるいはネプギアの視点しかなかったわけですが、
今回は男主人公として女神たちとコミュニケーションするわけで、同性同士の時とは結構感じが違っていて
いつもとはまた別の魅力が見えて、なかなかに萌えます。
ベールなんかはちょっとだらしないお姉さんって感じで、すごく可愛く感じましたし……
どの女神も、異性相手ならではの照れなどを見せてくれると、とても可愛らしいですね。
ノワールは男相手だと結構態度がキツい感じがしますが、やはり最終的にはツンデレですw
日常イベントでは各女神の妹キャラもそこそこに登場しますし、萌えが充分に堪能できました。
シナリオに関しては、一応トゥルーエンドなら恋愛的な終わり方だと思えるようには仕上がっていますが、
ちょっとあっさりしすぎているので、達成感が少々薄いのが難かな。
物語としての面白さは期待しないほうがいいでしょう。あくまで主体はコミュニケーションって感じ。
このゲームで難度が高い部分としては、トゥルーエンドを見るためのフラグ立てがわかりにくいことです。
20日目、30日目などのキリの良い日数で発生するキーイベントで、正しい選択をしないと
重要イベントが発生しないので、結構シビア。
このゲームの攻略は、育成よりもむしろ選択肢が重要と言ってもいいくらいです。
何度やってもトゥルーエンドが見られないようなら素直に攻略サイト見たほうがいいかも。
できれば攻略難度はパラメータを重視した方向で調整して欲しかった。
そのほうが育成のし甲斐があっただろうと思うので……
●欠点
全体的に難度が低すぎてゲーム的な手応えが薄め。
易しくて気楽にプレイできる反面、試行錯誤の楽しみがないのでダレます。
いつものRPGでは理不尽なバランスの時もあるのに今回は逆に簡単すぎる。極端だなあ……
そのわりに選択肢による分岐はシビアでストレスがたまるし、攻略の面白さについてはちぐはぐな仕上がり。
あと育成可能なのはメインの4女神のみで、ネプギアを始めとした妹キャラをプロデュースすることはできません。
せめて姉とユニットを組んだり、バックダンサーとして活躍させたりできればよかったんですが……
ユニットを組めるのは4女神同士でだけなのは残念な仕様でした、てっきり発売前は姉妹デュオができると思ってたのに。
メーカー擬人化キャラの出番もごくわずかですし、
前作『ネプテューヌV』の新キャラ、プルルートやピーシェにいたっては登場すらしません。
キャラゲーとして見ると、欠落している要素が多いので、購入前にしっかりチェックした方がいいです。
特にネプギアやユニなどは人気が高いキャラですから、彼女たちを育てられないのはかなりのマイナス点。
いずれDLCで追加される可能性もありますが……
グラフィック面では、イベントCGがただの一枚も無いというのが物足りないです。
立ち絵の2Dキャラグラフィックはとても可愛らしいだけに……
今回は3Dキャラによるライブが目玉なのは分かりますが、それでもエンディングぐらいにはCGがあって欲しかった。
これはつまり、ゲームの中身にはキャラデザのつなこ氏の新規絵がひとつもない、ということになりますから
つなこファンには寂しいことです。
そしてなんといっても、アイドルゲーとして見ると、それらしい醍醐味が薄いのが惜しい。
このゲームのヒロイン達はもともと、それぞれの国において信仰を集めていて、すでに偶像だったわけですから、
アイドルになろうとする姿に新鮮さを感じないのが難ですね。
育成やシェア集めの手段が、モンスター退治からアイドル活動に変わっただけという感じがする。
それに営業活動やメディア出演などのイベントも、いつものネプステーションだったりするし、
良くも悪くもいつものネプテューヌシリーズと空気感が一緒なんですね。
これなら、主人公がネプテューヌ世界に召喚されるのではなく、
逆にヒロイン達が現実世界の日本にやってきてアイドルを目指す設定にしたほうが、
よほどアイドル物らしくなったんじゃないかなあ、と感じます。
●プロデュウスモード以外の要素
メインとなるプロデュウス以外にもいくつかのオマケ的なモードがあり、
キャラの3Dモデルを鑑賞できるビューアーモードでは、各キャラの3Dモデルを色々衣装を変えたりできるし、
条件を満たせば妹キャラなども鑑賞できます。
縦画面になっているので大きくキャラが表示されているのはいいですね。
さらに、キャラの体のいろいろなところをタッチすることで、リアクションを取ってくれたりもします。
胸とかを触ると嫌がるポーズを取ってくれるので、セクハラ気分も楽しめたりしますし、
背面タッチパネルのおかげでお尻にも触ることができるのは感心しましたw
ただ、全キャラともリアクションの動きが一緒なのが残念ですね。
もうちょっと各キャラごとに個性的な動きを用意するなどして、作りこんで欲しかった。
アンリミテッド・ライブモードでは、自由にライブを鑑賞できます。
プロデュウスで手に入れたアイテムを使ってステージを色々飾り立てたり、
妹キャラをバックダンサーとして踊らせたりでき、プロデュウスモードのライブではできなかったことが
一部できるようになってまして、鑑賞モードとしては悪くないかな。
●まとめ
アイドルゲーとしての遊びごたえはそこそこ程度で、
ネプテューヌシリーズとして見ても、いつものRPGよりも残念ながら面白さは劣るかと。
やっぱりRPGのほうがいいな、このシリーズは。
でもまあ、ネプテューヌキャラとの楽しい日常イベントでのやりとりなどを楽しむゲームとして見れば
結構萌えられるので、悪くはないと思います。
エロゲで言えばファンディスク的な位置づけの作品かなと感じました。
キャラクターのファンとしての視点ではそこそこ楽しめましたが、
多分このゲーム、ネプテューヌキャラに思い入れがないとあまり面白くないと思う。
今回はゲームハードネタも少ないし、ゲーム擬人化というキャラ設定があまり意味を持っていないから
新規ファンへのシリーズへの入り口としては機能しないでしょうし。