解像度上昇、システムの快適化など、プレイ環境に関する強化はあり、今からCROSS†CHANNELに手を出すならコレをオススメ。ただ、これはあくまでPC版の復刻版であるようで、コンシューマ版で強化あるいは追加された要素は一切フィードバックされておらず、そこは多少残念。それにしてもCROSS†CHANNELという作品は、改めてプレイしても本当に名作だと思います。人と人との心の交わりというものについて深く描かれたシナリオは、読み終えた後に大きな感慨が心に残ります。それもこれも主人公やヒロイン達の人物描写の深さがあればこそで、そのあたりが田中ロミオというライターさんは素晴らしいです。長文は復刻版での変更点についてのみ。
この復刻版には、三段階の期待をしていました。
（１）解像度アップを含む、システムの快適化
（２）コンシューマ版での画面演出の強化や追加CGなどをフィードバックして欲しい
（３）できればXBOX360版にあった「トモダチの塔」を収録して欲しい
（１）は当然望まれることで、（２）はできれば欲しい、
（３）は望み薄だけど実現すれば嬉しい、という感じでした。
もし３つとも実現したならば、まさにCROSS†CHANNELの完全版とも言うべき
内容になるだろうと思っていましたから、かなり期待していました。
しかし、フタを開けてみたら叶ったのは（１）のみでした。
解像度は640×480から800×600へと上がり、コンフィグも今風に整備され、
メッセージスキップ中でも音楽はちゃんと鳴るし、より快適にプレイできるようになってはいましたが、
内容自体はかつてフライングシャインから出たPC版ほぼそのまんまの内容で、
コンシューマ版の要素はひとかけらもフィードバックされてません。
今回の物は、あくまでPC版の復刻だったみたいですね。
なにしろ誤字までそのまんまだったし。
変わったのはタイトル画面くらいかな。
（３）はまあしょうがないけど、とにかく（２）が成されていなかったのは実に惜しい…
なにせPS2版で追加されたCG群は、名シーンをさらに感慨深いシーンに演出してくれるような、
素晴らしいものばかりでしたし、
一部のモノローグでのテキストが全画面に表示されるようになっていたりとか、演出面の強化も良かったですし、
追加要素は魅力的だったのです。
ただかわりに、全年齢であったためにCS版はシナリオがやや強引だったり、持ち味が薄れている部分がありました。
ゆえに、PC版のシナリオにCS版の追加要素を加えれば、両方の良さが備わったものになっていたはずで、
せっかく改良を加えての復刻版という良い機会なのだから、僕はそういうものが見たかったです。
そういうものになら、改めてフルプライスのお金を出しても全然惜しくはないぐらいなのに…
やっぱCS版はサイバーフロントに権利があるのでしょうし、難しかったのでしょうか。
それか、エロシーンを穏当なシーンに置き換えた場面の扱いをどうするかっていうのも問題だったのかもしれない。
そんなわけで個人的には多少残念ではありましたが、それでも遊びやすく改良されてはいるので、
これからCROSS†CHANNELに手を出したいなら、これが無難にオススメなのは確かです。
ディスクレス起動もできるし。
復刻版の変更点等についてのレビューは以上です。
作品の内容については、以前旧バージョンのCROSS†CHANNELのレビューを書きましたし、
改めて書こうと思っても同じようなレビューしか書けないので、
以前のレビューのリンクを貼るだけにとどめておきます。
ちなみにネタバレ全開ですのでご注意を。
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=3007&uid=houtengageki