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hina4160さんの神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~の長文感想

ユーザー
hina4160
ゲーム
神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~
ブランド
DESSERT Soft
得点
73
参照数
274

一言コメント

内容自体は悪くないが、多すぎるヒロインに作品が耐えれていない

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本作品は干支神である12人と主人公の幼馴染的ポジションの計13人がヒロインとして登場する。
全体的なストーリー自体は家族愛をテーマとしており内容に関しては一言感想の通り、悪いものではない。だが、察しの良い方ならば既にお気付きだと思うが、本作品はヒロイン13人というあまりにも多すぎる物量によって様々な箇所に支障をきたしている。

まず立ち絵やCGの差分があまりにも少ないということだろう。特に立ち絵に関してはヒロイン13人分の差分を用意するのは膨大な手間がかかるとはいえ、いくらなんでも巫女装束で学校に通うというのは如何なものか。他にも最序盤のみとは言え干支神になる前のたかみ・じゅん・ききょう・れいこに立ち絵を用意していないのも個人的には気になってしまう。割と絡んでくるにも関わらず立ち絵がないため、序盤は蓮華しか画面に映らないという地味に寂しいことになっている。一応は学園物であるのだから、せめて制服立ち絵くらいは必要だと思うのだが・・・登場人物が何かしら着替えた際には基本的には画面に映らない、さtゆりの妹であるうるかとみるかなどはCGで何回か描かれるのみで立ち絵はいっさいない。端役とはいえ仮にも干支神たちとの家族愛をテーマとしているにも関わらず、その対象となるキャラに立ち絵が一切用意されておらず、またTRUEでの全員集合しているCGにも描かれていない(会話には入ってくるのでその場にはいる)のでうるかとみるかは特に冷遇されているといっても良いだろう。
CGに関しては序盤で目にする食事のものなどは差分がキャラのみなので、最初は2人しかいないのにテーブルには不自然なほどたくさんの料理が置いてあるのには、もはや哀愁の意を感じざるを得ない。

また上記のCGに関連することであるが、最終的には干支神全員が食事に着いてくれるのだが、最初は上記の通り主人公と蓮華しかおらず、12人の干支神を集めることが共通√最初の目標なのだが、作品を走破してから振り返ると干支神たちが誰一人集まらないのは不自然極まりない。ストーリーを読み進めていくと判明することであるが、干支神たちはみな主人公と過去に縁があり、また主人公に会いたい、恩返しがしたいという背景があることが分かる。それなのにいざ念願の願いが叶って会えたというのに、主人公が頼み込むまで全員が食事を共にするのを拒むという訳の分からない展開になっている。主人公たちの奮闘の結果、食事の場に少しずつ干支神が集まっていくというのを描きたかったのは理解できるが、もう少し上手いやりようはあったと思うのだが・・・

ヒロインが総勢13人とあまりにも多すぎるため、個々のヒロインが薄味になってしまっている印象を受ける本作品。ただ再三の通り全体的な内容は悪いものでなく、手に取る価値がないということは決してない。現在ならば定期的にFANZAなどのセール対象にもなっているので、安価な際には購入を検討してみてはいかがだろうか。