良かった!
前作から期待どおりに正常進化されたといっていい。
業界的に厳しい環境の中、作品にここまでのクオリティを持たせたスタッフの熱量に敬意を表したい
従来のスタイリッシュかつシュールな描写も健在で、このシリーズも完全に軌道に乗った感がある。
大いに満足したが、あえて指摘するとしたら以下2場面については、疑問が残った。
1つ目は金剛院蘭世へ2度目の痴漢を行った際、思わぬ逆襲をされるシーンである。
このシーンは、自らの奥義である痴漢七十二指法をコピーされて、主人公自身が食らうという結構予想外に緊迫したシチュエーションとなるのだが、このせっかくの場面が邪魔が入り中断して終わるのだ。
せっかく意表をつく場面を作りながら、これは非常にもったいないと思う。
後の話しでは主人公はこのシーンを敗北ととらえ、次にリベンジに挑むという流れになるのだから、敗北なら敗北をちゃんと最後まで描くべきだったと思う。
蘭世が痴漢七十二指法を披露するシーンはあと2つあったが、2つ目も中途半端に終わり、3つ目に至っては主人公との間に敵対すでになく、もはや賞味期限切れ状態。自らの奥義を自らに使われるというネタを無駄に消費したと思う。
もう1つは、真浜摩由璃との雌雄を決する場面。
ともに達人どおしの激戦が期待される中、なんと主人公は正々堂々の痴漢勝負を宣言しておきながら、最初の相手のターンは摩由璃の技にかからないよう(体をうごかして)逃げまくって時間切れを狙うという実にしょっぱい戦いを行っているのだ。
しかもその後の自分のターンを制したあと、「お前に反撃の機会を与える」と宣いながらも両手を縛りあげるというチキンぶりを露呈。さらに反撃の機会提供がいつの間にか屈辱を与えてやるという趣旨に変わり、ナニを摩由璃の口に突っ込んでSに徹すると思いきや相手の口技に喘ぎ声をあげて口内発射。(こいつまともに闘ったら負けてたんじゃないか)
摩由璃にしても嫌がっていたはずなのに、急に煽るS的な台詞をいうなど、2人の攻防がかみ合わないだけでなく各人の言動にブレがあった。
私はSでもMでもどちらもOKな人間だが、この場面はどっちの立ち位置で興奮すればいいのか分からなかった。
摩由璃については、マーシャル痴漢の使い手というギミックをもたせているのだから、正面から攻撃を受け切ったうえで互いに死力を尽くした攻防の末に摩由璃を堕とすという王道でいってほしかった。
ついつい細かいところをいろいろ書いたが、トータルでは大きな不満はなく、前作同様楽しかった。
4を楽しみにしたい。