迷走
キモすぎる主人公ビジュアルに難色を示す人が結構いるみたいなのだけれど、この作品の問題はそこではない。
「キモい」という要素を活かせていない点に問題がある。本来キモいのに美少女に見える催眠がかかっている、というのが本作の
コンセプト(少なくとも粗筋からそう読みとれる)だが、主人公に強い嫌悪感を示している攻略可能ヒロインは1人だけである。オイ。
ヒロイン毎のネタは被らないようにすべきで、そこから嫌悪感MAXのヒロインを1人にしたのかもしれない。だが、コンセプトが
「キモ男が美少女に見える催眠」だぞ? 多数派を嫌悪に寄せなくてどうする。展開にしても、「どうしよう、女の子なのに女の子を好きになっちゃった→男だった。解決!」がほぼ全ルート。それなら女装潜入モノ男バレでいいじゃん。
キモ=オタクなんか大嫌いだったはずのヒロインを催眠で歪めるんだぞ!? 理想の男性像を改変するとか、好きではないが性交の必要があると思わせるとか、あるじゃん。催眠要素への狂気とか情熱とか執念みたいなものが感じられない作品だった。