個別ルートの出来はいま一つでしたが、TRUEで綺麗に収束させていたので高得点にしています。雰囲気ゲーが好きな人には向いていると思います。ボリュームがちょうどいいあっさり風味。健康にはいいかもしれませんが、濃い味付けに慣れた人には物足りない感じ。
正直な話、全ヒロインを終わらせた時TRUEルートはどうしたものかと軽く不安になりましたが、伏線の回収や設定の消化が丁寧で、ラストの後味が爽やかでしたので甘く点数をつけました。
自分の好みを抜かして評価すると-10点くらいになるかもしれません。
主人公も部外者としてできる限りの行動はしていましたし、なかなかの好人物だと思います。
それから悪人(のように見える人)にも人格と理由を与え、「絶対的な悪」としなかった点も評価を上げる理由の一つです。
ここら辺は前作になかった良い点ですね。
しかし、TRUEに全てをまとめさせようとして個別ルートがおざなりになってしまったのはどうにかならんものかなぁと。
全体的に薄味なのも気になるところ。
個別ルートでそれぞれのヒロインの葛藤をもう少し掘り下げてみても良かったと思いますし、個別とTRUEの合間に伊織や征一郎の過去やエピソードを挟んで、シナリオや説得力に深みを持たせることも可能な設定だったと思います。
穿った言い方をすると「狙って作った良作」と言えるような気がしないでもないです。
まー、良作を狙って作れるなんて普通では出来ないことかもしれませんが、チャレンジして欲しかったなぁ。