それでも幸せはこの世のどこかにあるよね
― お互いを大切に思うから寄り添って暮らす。それが家族じゃない? ―
― そもそもさ
結婚って、赤の他人同士がするものでしょ?
だから家族って、最初は他人から始まるんだ ―
主人公のセリフより
雰囲気は家族計画の対極と言ってもいいでしょうか。
血の繋がりのほとんどない家族が、文字通り「不幸」に押しつぶされないようにお互いを思いやりながら、もともとあった絆をさらに深めていく――というストーリーです。
家族をテーマにした作品は色々ありますが、大体は結局「男と女の関係(夫婦の関係とも言えます)」で決着がついて、二人だけの世界に終わっている作品は意外と多いのではないでしょうか。
でも、この作品はちゃんと親と子・兄弟・姉妹の関係にまで言及している点に好感が持てます。
もう一つ付け加えるならば、血の繋がらない寄せ集め・毎日のように大なり小なりの不幸が訪れる家庭であるからこそ、いつでも笑って手を取り合って前向きに生きようとする姿勢も好きです。
例え不運に見舞われても、何気ない日常に幸せを感じて絶対に悲観に暮れないようにする。
下手に悲壮ぶって気持ちを沈ませたりしない。
さっぱりとした暖かい雰囲気に満ち溢れています。
家族っていいなぁと思える内容ですが、何も主人公家だけのことを指すのではありません。
お隣の家族が個性的な一人娘を暖かく見守っているという描写がところどころに見受けられ、それも家族のありがたさ・大切さを引き立てる要素になっています。
のびのびと育つ娘を見守る温かな両親をうまく描いています。
最後にボーカル曲の存在ですね。
Ritaさんの「しあわせのみつけかた」
そんなに簡単に 楽しいことばっかりあるわけじゃないし
そんなに笑いながら 毎日暮らせるってわけでもないんだし
遠回りしながらぐるぐる道草しながら
一日過ごせてよかったねと あなたと過ごせてよかったと
心から思うんだよ 星を見ながら思うんだよ
哀しい刹那 届かない想い
戸惑いと憂い 悩みと痛み
全部ぜんぶかかえながらね
それでも幸せはこの世のどこかにあるよね
曲だけで泣けそうになったのは久しぶりでした。
まっすぐな歌詞で、何気ない当たり前の日常の綺麗さ・大切さを高らかに歌い上げて、この作品の全てを表わしています。
OPでもこの曲が流れますが、むしろEDでスタッフロールと共に流れている方が好きです。
セピア調のCGで登場人物たちの日常が描かれており、それがこの曲と合っています。
劇的な展開はありません。
深いシナリオとも言えません。
でも、家族っていいなぁと思えます。
そして、とても優しい気持ちになれます。