相変わらず人を選ぶシナリオ。これがここのメーカーの特長でもあり、また欠点でもあり。ファンとしては分かる人だけ分かればいいんだと喜べばいいのか、万人受けしないと残念に思えばいいのか……。過去作に比べればアクが弱くなっているのでプレイしてみてもいいかもしれませんが、やっぱりこれはこれで勧めにくいなんとも微妙な作品です。
ふぁみ☆すぴ!!以外はSkyFishの作品は全てプレイしましたが、本作が一番出来がよかったと思います。
演出・CG・BGMなどがだんだんと進化していっているのがよく分かります。
ただ、やっぱり好き嫌いが激しく分かれるシナリオでした。
作品の外見こそ万人受けする雰囲気ゲー・萌えゲーの様相をしているけど、相変わらず分かりにくい設定を題材にするわ、その設定のせいで主人公が一つのルートで全員のヒロインとエッチするわ、世界間を跳びすぎで登場人物だけじゃなくプレイヤーまでこんがらがってしまうわ、とシナリオを読んで中身を理解しようとするととたんにわけが分からなくなる、やっぱりいつも通りのSkyFish作品です。
例えるなら……羊の皮を被った嘘屋ゲー、みたいなところがあります。
「雰囲気ゲー・萌えゲーなのに分かる人だけ分かればいい」という感じで。
嘘屋ほどには突き抜けてはいませんが、根本的には似ていると思います。
ある意味、この混沌としたシナリオこそ「SkyFishの真髄」と言えなくもないでしょう。
しかし、一方ではこれだけの演出やCG・BGMを持っているのだから、もう少し他人に勧めやすい作品を作って欲しいと思います。
そして、もっとSkyFishが認められればいいなぁとファンとして願っています。
多分無理だけど。