「ええかっこしい」の主人公とヒロインが繰り広げる壮絶な意地と見栄の張り合いを描いた……と見せかけておいて、実はバカップルの惚気を延々と描いていたという「はいはい、ごちそうさま」的な作品。青山ゆかりが演じるツンデレにニヤニヤ出来るならば間違いなく買い。
自分の本心を認めたくないもんだからツンデレになってしまうキャラは今まで何人もエロゲーで見てきましたが、自他共に認めながらも意地を張って駆け引きをしようとするキャラ（主人公も含む）が出てくる作品には今までお目にかかったことがなく、新鮮でした。
最初は「たかが学生がここまで駆け引きをするものなのか」と違和感を感じていましたが、学生らしく詰めが甘かったりとじゃれあっている感覚で、ずいぶんとまぁ微笑ましく可愛らしいものでした。
これが社会人だともっとドロドロとして殺伐とした雰囲気を時には漂わせていたんでしょうね。
他の作品のツンデレキャラとの差を明確にした企画を立てられたディレクターがいて、そのイメージを寸分違わず再現できるライターがいて、テキストで描かれた見栄っ張りで意地っ張りなキャラを絵として表せれる原画がいて、出来上がったキャライメージを演じきることが出来る声優がいて完成できた、ある意味奇跡のような作品。
「怒りの日」のおかげでプレイする人が少なくなったみたいですが、間違いなく良作でした。
lightもこういう作品ばかりリリースできればユーザーも離れていかなかったのに……。