個人的には悪の教科書よりもこっちですね。
社会批判ADV……自由の意味を問うADV
自由のために戦う系の話は結構好みです。後キャラクターが魅力的です。
ストーリーとしては悪の教科書よりもこちらの方が面白いと思います。
――ここから追記――
●シナリオ
お手本のようなディストピアもの。感情をなくした世界で戦う人達の話です。
一周目ラストは鳥肌が立ちました。こういう主人公の成長が見られる展開は大好物です。
ディストピアものと言いましたが、本編となる場所はディストピアの中にある唯一のユートピア。
ユートピアの中で生きる個性的な人々とディストピアにある他人とも疎遠な人々の対比が出来ており、本作のテーマである「自由」がしっかり描けています。
●絵、BGM、システム
絵は一言で言えばどことなくKey作品っぽい。背景も描き込まれているし、立ち差分も多し6年ぐらい前のゲームですが今でも無料配布の中ではトップクラスの出来です。
BGMは日常シーンで流れるあの曲が印象的ですね。入りが強烈。
システムも無料配布にしては商業に匹敵するレベルにいい。最近の商用でクイックセーブが無かったり、サウンドモードが不自由な作品は見習って下さい。(切実)
●メッセージ性
前作比べると薄いですが、それでもメッセージ性は高いと思います。
自由とか幸福とかに焦点を当てた作品は多いですが、このくらいわかりやすくシンプルに表現するのが一番説得力があると思います。
哲学成分を入れなかったのが凄いですね。最近は哲学要素を入れただけで評価される作品が山ほどありますが、物語で説得力を持たせるのが出来ていないものの多いこと。
物語とメッセージ性の間の繋がりを大切にしている作品ってやっぱり貴重です。
●総評
ストーリーの短さと癖のある絵さえなんとかなればミドルプライス級商用でも十分評価される作品です。
90点つけても良かったんですが、二周目ラストの不完全燃焼感(伏線は全て回収しているんですけどね)があり85点。
成長する少年キャラは素晴らしいとしか言いようがないですね。可愛い上に決めるところは決めるかっこよさ。
さんだーぼると復活してくださいお願いします。(届かない叫び)