声優やライターの努力が全て無に帰すレベルのCG
ネット上では核地雷という評価しか目にしない本作だが、意外や意外、シナリオや声優の演技、システム面といった部分は割としっかりしている。
キャラ相応の包容力や大人のお姉さん感、また催眠状態の表現は文章でも声でもしっかりとカバーされており、ショタ主人公(設定では23歳らしい)が催眠に乗じて胸を触りにいったり、エッチなお願いや命令をしたりするなどの王道の展開や、ルートによっての主人公とヒロインの関係性の違い(ママが少しS的に主人公を手ほどき or 主人公が催眠でパパになりきって支配 or 年上お姉さんのM性を引き出して支配)を作ろうとするなど、工夫した作りにしようとする努力は随所にうかがえる。
しかし、仮に私がそういった美点を説いたところで、このゲームに食指が動くという向きが増えることは決してないと断言できる。なぜなら、その全ての美点を無に帰すレベルの同人未満のえげつないCGがあまりにも目立ちすぎているからだ。本作の方向性は、シナリオで読ませるタイプのゲームではなく、いうまでもなく嗜好や購買層のはっきりしたママショタものの抜きゲーである。誰が初めから抜けないとわかっている抜きゲーを興味本位でなく健全な実用目的で買おうと思うか。タイトルから連想される、背徳感を抱えながらも心も体も全て肯定してくれる包容力を持ったママとの甘い性活を、くいだおれ人形フェイスの歪んだ女体と、パピコに首をつけただけの無表情ショタのどこに見い出せばいいのか。
いわゆるクソエロゲと呼ばれる作品に対する擁護に、「絵はいいんだよ」というフレーズがよく使われますが、そのありがたみを痛切に思い知ることができるという点では、本当に素晴らしい作品だと思います。