御剣検事が主役のスピンオフ第2弾。ロジックと証拠を武器に、過去と現在と親子の絆が絡み合う難事件に挑め!
○概要
「逆転裁判」シリーズのスピンオフ作品、「逆転検事」の続編です。
基本的なギミックは前作と同様ですが、今回は舌戦で相手の隠し事を暴く「ロジックチェス」が追加された事で、
より面白味が増しています。
「ロジックチェス」は本家シリーズ(特に2~3)で言う所の「サイコ・ロック」に近いギミックで、
制限時間内に的確な選択肢を選んでいく事で相手の隠し事を暴いていきます。
また、「ロジックチェス」は「サイコ・ロック」と違って舌戦のみで展開する為、
「サイコ・ロック」でしばしば発生する、「サイコ・ロック出現時点では証拠品不足で解錠できない」と言う事も無いので、
サクサクとゲームを進められます。
○各話あらすじ
・第1話「逆転の標的」
前作の事件から1ヶ月が経とうとする頃、来日した西鳳民国の大統領が演説中に何者かに狙撃されそうになる事件が発生した。
検事局長の指示で現場に駆け付けた御剣は、イトノコ刑事や現場にいたミクモと共に、事件を捜査する。
・第2話「獄中の逆転」
御剣達が捕まえて留置所送りになった犯人が、どう言う訳かその留置所と併設されている刑務所の中で死体となって発見される事件が起こる。
早速事件の捜査に乗り出す御剣達であったが、そこに裁判官の水鏡とポンコツ検事の一柳がやって来て、御剣を事件の捜査から外してしまう。
しかし、御剣達はその日刑務所を訪れていた弁護士の信楽の協力を得て、検事としてではなく、弁護士として事件を捜査していく。
・第3話「受け継がれし逆転」
御剣は信楽と共にとある美術館を訪れていた。
そこは今は亡き御剣の父が携わった最後の事件であり、
あのDL6号事件の発端となった「IS-7号事件」の舞台となった場所でもあった。
信楽は18年前に起きたその事件の事を御剣達に語る。
そして、そんな事件の起きたこの場所で、当時の事件関係者が集う中、今また新たな事件が巻き起こる。
またしても水鏡と一柳がやって来る中、18年前の事件に酷似したこの事件に対して、御剣は父の後を継いで事件を捜査する。
・第4話「忘却の逆転」
ここ数日の事件の最中、御剣は検事審査会に目を付けられ、検事バッジを剥奪されそうになっていた。
そんな時に看護師に連れられて変わり果てたミクモがやって来る。
話を聞くと、ミクモは記憶喪失になっており、断片的な記憶しかないのだと言う。
彼女の記憶を取り戻す為に、ミクモが最後に立ち寄ったビルを調査する御剣達であったが、
そこではちょうどミクモが記憶喪失になった時に殺人事件が起きていた。
検事審査会の面々が強引にミクモを犯人と決めつけ、ミクモ自身も断片的な記憶から自分が犯人ではないかと疑う中、
御剣はただ真実を見つける為に検事バッジを返却してでも捜査を始め、この事件の裏に渦巻く陰謀に立ち向かっていく。
・第5話「大いなる逆転」
ミクモの無実を証明し、殺人事件の真実を暴いた御剣であったが、
今度は事件があったビルに隣接した映画の仮設撮影所で殺人事件が発生してしまう。
その現場には、巨大な怪獣の足跡の様なモノが残っていた・・・。
事件を捜査する中で御剣達はこれまでの殺人事件の犯人達に引導を渡していくと共に、
18年前の「IS-7号事件」、そして12年前の「SS-5号事件」から続く因縁が絡み合い、
現代で起きた幾つもの事件の裏で暗躍してきた巨大な怪獣を操る「黒幕」へと迫っていく。
○感想
前作と同様にゲーム全体を通して登場人物達に一貫した繋がりがあり、
2つの過去の事件と親子の絆が物語に深く関わっており、
登場人物達への印象もストーリー展開に合わせて大逆転し、徐々に事件の真相が暴かれていく展開は大変面白かったです。
また、5話目に登場する「黒幕」は、「これぞ黒幕!」と言うべき存在感を放っていてとても良かったです。
ギミック面では新要素のロジックチェスに加えて、
後半には本家無印のリメイク版である「逆転裁判 蘇る逆転」などに登場したカガク捜査のギミックも盛り込まれており、
登場人物に留まらず、ギミック的にも本家成歩堂編と本シリーズの集大成と言えます。
その一方で難点としては、
シナリオ面では水鏡や一柳のキャラクター性が前半のシナリオではプレイヤーにストレスを溜めがちになると言う点と、
ボリューミーであるが故に1つの話がとても長いと言う点、
ゲーム的にはやはりセーブをするとその場でゲーム進行も中断される事によるテンポの悪さがあります。
とは言え、キャラクターに関しては、言動をしっかり見たりすれば1話経る毎の成長やその本質に気付く要素もあるし、
何よりも後半でのどんでん返しによってそのキャラクターに対する印象も逆転させているのが素晴らしいです。
何はともあれ、前作や本家成歩堂セレクションと合わせて、大変面白い作品です。