ErogameScape -エロゲー批評空間-

haremloveさんの逆転裁判3の長文感想

ユーザー
haremlove
ゲーム
逆転裁判3
ブランド
CAPCOM
得点
90

一言コメント

DL6号事件、綾里の後継者、千尋の初めての裁判、etc・・・、全ての過去の因縁が集いし難事件を暴く、成歩堂編最終章!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

○プレイ環境

前2作と同様に3DSの成歩堂セレクション版にてプレイ。

○概要

全体的なシステムは2とさほど変わっておらず、システム面では2でほぼ完成されたシステムをそのまま継承した感があります。
今回はサイコ・ロックの解錠に必要な証拠は事前に集まっている場合もあるので、前作程ドツボに嵌る事もありません。
(とは言え、今回もサイコ・ロック出現後に必要な証拠を集める場面はあります。)


○今回のエピソード


・第1話「思い出の逆転」

時は5年前、まだ学生だった成歩堂は、殺人事件の容疑者として法廷に立っていた。
その弁護を請け負うのは後に彼の師匠となる女弁護士の千尋であった。

1人の女性を巡る男同士の間で発作的かつ偶発的に起きた殺人事件と思いきや、審理の中で事件は意外な方向へと動いて行く。

毎度お馴染みの法廷パートオンリーのチュートリアルエピソードだが、
1作目が成歩堂が初めて弁護士として臨んだ法廷、2作目が記憶喪失と言う一時的なレベルリセットを受けた成歩堂が臨んだ法廷と来て、
今回は過去のエピソードで、尚且つ操作キャラクターとして千尋を扱う事が出来ると、いい感じの変化球となっている。


・第2話「盗まれた逆転」

世間が宝石や美術品を盗み出す謎の怪盗、怪人☆仮面マスクの話題に沸く中、
真宵や春美の故郷、倉院の里の品を集めた秘宝展の開催が目前に迫っていた百貨店からも、里の宝である壺が盗まれてしまう。

しかしそれから間もなくして、「自分が怪人☆仮面マスクである」と主張する男が警察に自首してきた。

事件の捜査をする中で成歩堂は仮面マスクのライバルだと言う胡散臭い自称名探偵と出会いつつ、
自首してきた男の妻から依頼を受けた事で、成歩堂は件の男を弁護する事となった。

法廷に臨んだ成歩堂は、新たに登場した謎のハードボイルド検事、ゴドーと出会い、
重度のコーヒー党(一回の法廷で17杯は飲むと言うジャンキーレベル)なゴドーと熾烈な戦いを繰り広げ、
一度は事件の解決を見た筈の成歩堂であったが、
その中でこの事件の被告は同じ日に起きた別の事件とも関わりがある事が分かり、
裁判は思わぬ方向へと動いていく。


・第3話「逆転のレシピ」

正月明けの成歩堂にイトノコ刑事から身に覚えのない裁判の話が舞い込んで来た。

それは1ヶ月前の昨年末、成歩堂らしき弁護士がとあるレストランで起きた殺人事件の裁判でボロ負けし、
被告人は(無実の罪で)有罪判決を受けてしまったと言う話なのだが、
当然ながら成歩堂はその裁判の事を全く知らず、実の所、件の裁判に出廷した成歩堂は偽者であった。

何やかんやで事件の裁判が再び行われ、成歩堂は改めて被告となったその店のウェイトレスの弁護を請け負う事となった。

調査と審理を進める中で成歩堂はこの事件が幾多の矛盾を孕んだ偽りだらけの事件である事に気付き、
真相を解き明かす為に手を尽くしていく。


・第4話「始めての逆転」

病院のベッドで成歩堂は回想する。

それは5年前の自分の裁判、その更に1年程前に起きたある殺人事件の法廷の記録、
弁護士として初めて法廷に立った千尋は、先輩のハードボイルド弁護士の神之木と共に、とある死刑囚の弁護をする事となった。

初めての法廷に緊張する千尋は神之木に支えられながら審理を進め、
自分と同じく新米であり、とある幻の法廷を経て今度こそ初めて検事として法廷に立った御剣と熾烈な戦いを繰り広げる。

しかし、その裁判の結末は、どんなコーヒーよりも苦いモノであった・・・。

過去話と言う事もあって、このエピソードも法廷パートのみで進行する。


・第5話「華麗なる逆転」

ある日、成歩堂は真宵や春美の誘いでとある霊場に赴く事となった。

最初は乗り気でない成歩堂であったが、真宵達が見せた雑誌の写真を見て驚愕する。

そこには5年前の裁判で衝撃的な真の貌を見せた、かつての成歩堂の恋人と瓜二つの顔をした女性が写っていたのである。

しかし、成歩堂達が霊場にやってきたその夜、そこで殺人事件が発生してしまう。
事件の夜に起きたある事態によって成歩堂は一時入院するものの、代打としてやってきた親友たちの協力も得て、事件に立ち向かっていく。

その中で成歩堂はこの事件が自分や千尋達の心に傷を残した幾つかの過去の事件に、
そして真宵たち「綾里」の一族と強い因縁がある事を知る。

事件の審理を進める中で、謎を追う者達も真実を知る者達も、この事件に関わる過去の因縁を清算していく事となる。

本作の最後のエピソードにして、無印(蘇る逆転)や2から続く綾里の因縁に1つの決着がつくエピソードでもある。



○良点と難点

前2作と同様にストーリーはミステリーらしくシッカリとした作りで安定して面白い反面、
セリフのバックログが無い事や、3DSの成歩堂セレクション版ではソフトリセットが無い事など、
難点は同じソフトに収録された前2作と変わらずです。

とは言え、ドラマティックな法廷を楽しめるミステリーとしては、安定した面白さがあります。