あるなしでいえば、あり。でも、好みのものかといわれると・・・
プロローグはやっぱり惹きこまれるものがあって
言い知れぬ怖さは感じないが不思議な雰囲気は十二分に伝わってくる。
ナツユメよりも一層救われてないなーwと思ったルートも多いのだが、
全体的にはスッキリしていて、逆にこれでよろしいと思わせるのはライターさんのセンスかな?
こんな全体の流れとは裏腹に1つ意外だったのは、主人公との掛け合いが思いのほかオモシロいw
理不尽な物言いに的確にツッコミ入れるあの掛け合いは、かなり好きでしたよw
そして、綺麗に見せた卒業シーンスッキリでもう1つ。
特に最後の写真もなかなかいい演出だった。
とはいえ、不満なところ、納得し難いところもいくつかある。
1 時系列で思い違いをしやすい。
この時系列についてはもはや言わずもがな。
前振りなしに3年分の回想が突然やってくる作中で
いつどこのシーンかがわかりずらいというのは、ユーザーの理解を困難にさせる。
大雑把に
1年目 入学 秋か冬までは普通に学園生活するシーンあり ランが討たれる 街を徘徊
2年目 街を徘徊しだして10ヵ月後 アキラとつるむ ゴーストチャイルドの自覚 カンテラに居候 綾と会い結ばれる&記憶も飛ぶ
3年目 ラストの冬 桜顕現 進路指導委員 失踪生徒を追いホテルへ 各ルート派生
日付がちょくちょく飛ぶのも原因の1つだが、例えば妻の言い回しに去年のホテル探索という言い方には
去年?2年目から桜いたっけ?と考えてしまったが、冷静に見て なるほど、1月の状態で見ると12月の探索は去年か 等々。
2 要所要所で都合よく悪い方向に話しが進みすぎる。
この点は、設定としてのご都合とモブキャラがご都合という2つの意味がある。
設定上では、綾ルートの記憶を飛ばす意味などがそれにあたる。
そして、モブキャラのご都合とは、この作中でのモブキャラが持つ役割でのこと。
モブに宛がわれた役割というのは
初雪を忌避したり、時にはヒロインをピンチに陥れたりと様々だが、
どうにも白咲学園生徒は、忌避するのかノリで済ますのかよくわからなくなる
状況に応じて二面性を使い分けるせいだ。
また、これ以上のないタイミングで口を挟むモブ達は、本当に憎らしい存在wで、
不特定多数がモブの強みとはいえ、モブとしてやりすぎじゃないかとすら思う。
3 グランドでは正確な意味を掴めない思わせぶりな台詞が多数出てくる
(これは特に綾と妻と宮棟の台詞で見られた)
初雪が学園に来なくなりホテルを再度探索しようと集まる理由を臭わせる発言
宮棟が何を第一に考えていたのか、人?街?サンプルってなに?
4 それなりの時間を費やして温め続けてきた割には復讐や呪いがしょぼい
呪いの度合いもマチマチであり、
銀の剣?さえあれば誰が使ってもバニッシュ1発で浄化できるのは
幽霊としてはありかもしれないが怨嗟のこめたれた霊としては少々あっけなさすぎる気もする。
5 卒業のシーンで纏めすぎたせいで、大団円っぽさの演出を焦ったように見える
一見すると綺麗に見えし、この点は言葉では言いにくい。
端的にいえば、初雪の態度・言葉使い そのすべてが変わりすぎな気がしてならない。
あの言葉足らず、照れ隠し、難儀な性格諸々のものは、長年仕込まれたゆえ仕方ないのだ と
作中で割り切ることが多かったから尚のこと、
元々お礼を言ったりが不得手な主人公が心穏やかに言葉をかけて回るのは、
様変わりを通り越して不自然だった。
まるで前のやり取りから半年や一年と時間が空いて、卒業のシーンに臨んだかのような。
6 宮棟に一矢報いるシーンは?
キャラとしてキーマンの1人に位置するのだが、どうにも憎たらしい。
こいつに(カスガでも)一泡吹かせる何かはないのか!?
完全に私見でしかないが、切ないけど余韻が残った過去作に比べて
はつゆきさくらは苦々さは多く感じるが、プレイ後でも余韻では少々薄かった。
理由は主人公のせいとか色々あるが省略、
大台80点オーバーとはいえギリギリ80点、これ以上加点する要素はちょっと見つからない。