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gxhwiさんのコトバの消えた日 ~心まで裸にする純愛調教~の長文感想

ユーザー
gxhwi
ゲーム
コトバの消えた日 ~心まで裸にする純愛調教~
ブランド
ぷちけろ(プチケロQ)
得点
88
参照数
395

一言コメント

全体的に高水準な羞恥露出特化抜きゲー。性癖に刺さりそうな人にはオススメ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ある日主人公が「他人の心の声を聞くことができる」ことができる能力その他の超能力に目覚め、その能力を活用して羞恥・露出プレイを繰り広げていく…というのが本作の主な内容。

☆梓√
ほぼHシーンで構成されており、Hシーンに関係のないシナリオは殆ど無いも同然の露出性癖特化√。
プレイ内容が最初から結構過激なため、徐々にエスカレートしていく感じは薄い。さらに、ヒロインの露出に対する態度も、次第に堕ちていくというよりは中盤に急変したように見えたため、タイトルにある「調教」という点については微妙だった。
また、上記の通り話の内容が殆どないので、タイトルの「純愛」という点もあまり感じられなかった。
もっとも、Hシーンの内容は羞恥・露出というジャンル内でもかなりハードなものが多かった(露出が見つかってからの輪姦など凌辱のシーンはないが)ため、調教という要素がなくても実用性は十分でとても満足できた。ただ、ヒロインが堕ちてからは露出に羞恥心を感じないマジモンの露出狂になっていくため(一応そうなる理由は葵√で説明されていたり、そこをどうコントロールするかがHシーンの内容の工夫になってはいるが)、後半の内容は羞恥プレイを見たくて買った自分としては物足りなく感じた。
また、梓は素直なタイプではないため実際の声と心の声がほぼ真逆な点が特徴で、テキストでも「実際の声1行→心の声1行」といった感じで描かれているが多い。表面上は余裕振っている梓の内心で動揺している本音を聞くことができるなど、とても興奮できる仕様になっているが、欲を言えば、心の声のバリエーションがもう少し多ければ良かった。

☆葵√
梓√と比較すると、√序盤で告白して付き合うため全体的に愛の感じられるプレイ内容になっており、抜き度はやや控えめだが純愛要素は薄いながらも感じられる。
さらに、梓√では人前で露出して見られることが前提のプレイが多いのに対して、葵√では人に見つかるかどうかギリギリの内容が多め。こちらの√は徐々に過激になっていくため、やや調教的な要素を感じられるかも。もっとも葵に対してはそこまで過激なプレイはしないが。
また、この√では能力の謎が解明されたり悪役との能力バトルがあったりとHシーンに直接は関係ない部分のシナリオもあったが、無駄にシリアスを長引かせず、かつ話自体も矛盾なく綺麗に収束していて、抜きゲ―のシナリオとしては理想的だったと思う。
もっとも、私はあまり伝奇モノが好きではなく伝奇系でガチガチのシナリオゲーには興味がないため本作のシナリオで丁度よく感じられたが、人によっては中途半端で無駄なものと感じるかもしれない。確かにシナリオに力を入れずに「抜き」だけを描いても良かったと思う。私としては、藤倉さんのテキストが良いので、それをアピールする意味でも多少シナリオに力を入れて正解だったと思うが。

☆総評
純愛・調教というよりは露出・羞恥特化で、性癖次第で実用性は◎。シナリオも私的には良し。
ヒロインはどちらも魅力十分。親友として想い合っている二人の百合百合しいやり取りも素晴らしい。
藤倉さんのテキストは良好。同系列でライター同士の関係もあるのか、すば日々と似ている雰囲気を感じた。

以上。
それにしても、この露出羞恥のジャンルで和姦・ハード系のエロゲは本当に希少だと思う。 POV検索とか使って色々探してるけど、商業で特化型の作品は本作を除いてオトメスイッチくらいしかない気がする。(他にオススメの作品があればぜひコメントで教えてください!)
漫画の方ではそこそこ勢力のある性癖だと思うし、エロゲでも需要はあるはずなのだが!