窮地に追い込まれた人間の本質・変わりゆく人間関係・・・
このゲーム噂には聞いていたが、ついにプレイ。突然の地震、壊れた日常。その中で生き残った人達の変わりゆく人間関係・・・ 狂気の渦巻く混沌としたそんな世界でそれでも生きようとする人間の性(さが)・・・ このゲームの何よりも注目すべきは人間の心理状況を明確に表現している所。心の弱き者は混沌とした世界に適応するにつれて、その心を歪んだものに変え、心の強きものはそんな中で、心清く生きようとする。この逆の心のあり方をうまく関連させていて、最初から最後まで目が離せない。登場人物のそれぞれの視点から話を読み進めていくという手法が、心理描写をうまく描くポイントになっており、このストーリーの理解力を高めている。キャラクターの存在感がとても強く、私個人としては、「クワガタ」というキャラにすごく腹立たしかった反面、すごく気持ちが分かる気がした。明らかに道を踏み外しているが、「目には目を」という考えは嫌いではない。そして、SWAN SONGという名に込められた意味。物語最後にその本当の意味が理解できる。BADこそがこの物語の本質であり、この物語を芸術的なものに仕上げている。まだプレイされていない方は、是非プレイすることをお勧めします。多分後悔しないと思います・・・