私が愛した同人作品【narcissu】の集大成。この作品をプレイした先に貴方は何を思いますか?日常に潜む身近な人の死、そんな誰にでも起こるテーマだからこそ、これ程までにメッセージ性が強いのかもしれませんね・・・ エロゲじゃないのですが、こんなに評価高くなってしまったのはご愛嬌ww
この作品に対する感想は後回しにして、作品の構成についての事を冒頭に。
プロローグ
第1章~銀色のクーペ~ ⇔ クラシックモードでnarcissu変更可
第2章~赤いロードスター~ ⇔ クラシックモードでSIDE 2nd変更可
最終章~DOUGHNUT~
外伝~Die Driitte Welt~【DDW ~死神の花嫁~ 】
【DDW ~-Ci-シーラスの高さへ~】
【DDW ~メサイア~】
【DDW ~小さなアリス~】
エピローグ 【EP~蒔絵 素子~】
【EP~篠原 姫子~】
【EP~阿東 優~】
【EP~ナルキッソス~】
前作プレイ済みの方ならば、どこの部分が新規の所かは大体見当がつくでしょうから、そこの説明は割愛させていただく事に・・・
まずは、加筆・修正部分について賛否両論あるようですが、私個人の感想としては『とても素晴らしいと思う』というのが、率直な意見です。主な加筆・修正点は、登場人物同士の接点を増やしたわけです。例えば、蒔絵素子とセツミ母との接点、蒔絵博史(素子父)とセツミの接点、阿東優と昭島優花の接点etc 簡単に述べるならば、narcissu 3rdで他のライターさんのシナリオに見られた手法を駆使して、片岡さんが点を線に完璧に繋げたといった表現がふさわしいかもしれません。
この【ナルキッソス】を振り返り思うのは、シナリオに涙を流すという行為も大事な事なのでしょうが(この点に個人差が生じるので)、それよりも人の生死に何かを考えるという行為こそがこの作品の醍醐味なんだと個人的には思っております。
残す者と残される者、この両者に違いはあれど『大切に思うからこそ』という行為は存在します。私自身ももちろんそうですが、大なり小なり日常においてこの様な別れを経験している方が大半だと思います。『他者を思いやる行為』と『自らを満たす行為』の境界はとても曖昧であり、また表裏一体である事。どのような行為が正解であるのか?そんな不自由な選択を迫られた時に、自分だったらどのような行為を行うか?正解なんて存在しないからこそ難しく、後悔のない様な選択を。この作品が示すそんな日常に潜む事に対する問いかけこそが、この作品の最たる魅力なのかもしれません。
シナリオに関して補足ですが、加筆のおかげ?と言って良いのか分かりませんが、登場人物の行動に関しての描写は緻密です。その所為か若干ですが、登場人物の心の機微という点においてユーザーの想像に委ねるという部分の自由度は同人の作品に比べて目減りしていると感じるのかもしれません。私は逆に登場人物の思う所がより想像できる作りであるという認識ですが・・・もしかしたらこの点は同人の作品と比べてしまうかもしれません。(絵師が違う点が最大の比較点である気がしないでもないですが・・・ww)途中、クラシックモードで同人バージョンも鑑賞できるようになるので、容易に見比べる事も可能です。
ちなみに私が一番好きのは『最終章の蒔絵博史と日下陽子が作った一番最初のルール』に関してです。ここをあえて、しっかり表現する事をしなかった。先に記述の通り、行動という点の描写がこの作品ではこれでもかというぐらいしっかり描かれてます。そんな中でこの部分だけはユーザーの想像に委ねた感じにしている。私の想像は、『好きになった人を苗字ではなく名前で呼んで』みたいな些細な事とか『ルールを作ったという行為そのもの』とか『後に続く人たちに何かを残して欲しい』といったその辺りの事なのかな?と妄想しております。多分この部分に関しては色々想像できるのではないでしょうか?
最後に同人バージョンをやられていない方へのアドバイスですが、やはり先に同人からプレイして欲しいと私は思います。正直プレイしなくても収録されているので問題ないのですが、先に同人バージョンでプレイした後に、追加部分や1章・2章の変更点を楽しむ。この順番が良いと勝手におススメしちゃいます。出来る事ならnarcissu 3rd -Die Dritte Welt-に収録されているProduct部分は是非見て欲しいです。【ナルキッソス】という作品を少しでも深く知りたいと思うのならば、コレが一番おススメです。
中途半端にネタバレで、伝わりにくい感想になりましたが、ご自身でプレイしていただけるのが何よりですので、私の感想が少しでも誰かの参考になれば幸いです。それではまた・・・