男女間の友情はほんの些細な恋愛感情で見事に崩れる。求めたのは3人でいる『幸せな時間』、それを壊したのも己の所業・・・ 小さな棘を胸に残し、物語は疾走する。『introductory(序章)』としての働きは見事なもの。
簡単に言ってみれば、三角関係のちょっと痛々しい恋愛模様という事になってしまいますが、この作品には他にも色々と見るべき点があります。
音楽科から普通科に変わったかずさ。音楽を辞める寸前の所までいきながらも、音楽の楽しさを思い出させてくれた春希。
人との距離を縮めて接したいが、過去の仲間内のイジメと、いつの間にか高嶺の花に奉られ、人から距離を取ってしまった雪菜。そんな彼女に昔の人との触れ合いを思い出させた春希。
こんな2人が春希に惹かれていく道程と、それが壊れていく軌跡。そして壊れたきっかけは、かずさを出し抜いた雪菜の行動。そして読み違えたのは『かずさの春希に対する痛々しいまでの本気さ』。読み違えた雪菜の浅はかさと、かずさ・春希の勇気のなさが三人の、『幸せな時間』を壊していく。
内容が浮気という事もあり、後味はお世辞にも良いとは言えませんが、シナリオの素晴らしさ、そしてOP・挿入歌・EDの歌の素晴らしさ。そして何より、2週目で1週目では見る事の出来なかったシーンが追加されるシステム(複数視点の追加)と目を瞠る点は多数存在します。
あくまで序章としてみれば、この作品の働きは賞賛に値すると思います。だって本編が私の中で、と~ても気になりますから。傷みだけではない小さな棘を私に残していったwwと言えば、馬鹿な例えになりますが、正にそんな感じの印象です。そしてキャラ設定が漫画『きまぐれオレンジロード』を連想させると感じてしまったのは胸の内にしっかりと留めて置くようにするwwそれでは、また・・・