今迄プレイした中でこの作品ほど理解できなかったものがあっただろうか・・・ この作品をプレイしたユーザーが作者の意図をどれくらい理解できるかは分からないが、【考えるのではなく感じろ!!】というのがある意味この作品を表す最も優れた言葉なのかもしれない。(←理解できなかった者の妬みと捉えて頂いて結構ですww)個人の力量次第であるのだろうがこの作品において点数という概念は意味を為さないのかもしれません(←と言いつつもしっかり点数つけてますがww)
まず、正直驚かされたというのがこの作品プレイ後の意見です。物語の進行は目を瞠るものがありました。物語が進むにつれて明らかになっていく人物像そして相関関係。これ程までに物語を読み進めるのが面白いと感じたのは久しぶりです。プレイ済みの方は分かると思われますが、解離性性同一障害という設定を活かしての構成。読み手を厭きさせない努力の賜物と賞賛しても言い過ぎではないと思っております。
ですが・・・
理 解 で き な い
これは単純に私の頭の問題なのでしょうが、この作品で言うところの『素晴らしき日々』という観点で見ればある意味理解できる様な気がします。これはとても端的な表現になりますが(実際はもっと色々な観点から書かれておりましたが・・・)『救いの道=素晴らしき日々』とするならば、この物語の構成は作品のタイトルに羞じる事ない素晴らしい出来であったと思います。
ですが問題は、『終ノ空』の観点です。最後の最後にやってくれましたねwwとても期待していたので、流石としか言いようがないです。エンディング『終ノ空Ⅱ』での音無彩名の仮定。これをやり手がどの様に捉えるかは、全く持って自由である事と思います。ですが、私の感想としましては、仮定7が最もこの作品に相応しいと感じます。水上由岐視点での音無彩名との対話。美羽から名前を呼ばれたシーンで、『わたしは』という表現に違いは生じずとも、その視点は水上由岐から音無彩名に変わります。この世界は『音無彩名の偏在輪廻』であるという事の証明なのでしょうね。私が理解できなかったのは、『終ノ空』←『始まりの地点』について。結局どこだったのでしょうね・・・?
この作品において『間宮卓司』『高島ざくろ』が存在する時点で、それは前作【終の空】に一見無関係でありながらもその実関係がある様に妄想する事は可能ではないだろうか。それに加え『若槻』という姓について。作中では、羽咲の持つうさぎのぬいぐるみのオリジナルを売っていた商店が『若槻商店』という説明で、それで鏡と司の姓は『若槻』であると作中にありましたが、果たして作中の説明だけの解釈で良いのでしょうか・・・?【終ノ空】をプレイ済みの方はご存知の事と思われますが、この【終ノ空】でのヒロインの一人に『若槻琴美』なる人物がいましたね。その点を鑑みれば、『若槻』という姓はそこが起点で発生した言葉であるともある意味考えられるわけですよね。もしかしたら描かれる事のなかった物語が起点なのかもしれません。こんな風に妄想を楽しむ事ができる作品をとっても素晴らしいと思います。
だからどうした?という話ですが、私は【終ノ空】ではこの若槻琴美と音無彩名が【素晴らしき日々】でいう『一人の魂』という解釈をしていましたが、【素晴らしき日々】をプレイしたおかげで、ある意味『終ノ空』の解釈に一歩近づけたと勝手に錯覚しております。『音無彩名の偏在輪廻』という解釈であるならば【終ノ空】の世界観もまた、幾度となく繰り広げられた音無彩名の輪廻の一環であると言えなくもないのですから・・・
それで話は戻りますが、結局最初の『終ノ空』は一体どこだったのでしょう・・・?作中の遊園地アトラクションのカレンダーは『1999年7月20』でした。記憶が朧気なのですが、【終ノ空】では日付けのみで年代の表記がなかった様な気がします。そして『ノストラダムスの大予言』が出て来た様な気がしますが、その時期が過ぎ去った世界観であった様な・・・そうなれば【終ノ空】は始まりの地点に非ず。この作品でいうところの『終ノ空(始まりの地点)』が示すところは『ノストラダムスの大予言』で世界は滅びた。そこから音無彩名の偏在輪廻は始まったという解釈になるのでしょうかね・・・?勝手に『終ノ空(始まりの地点)』は描かれていない!!という事で納得していいのか・・・な?
そして寂しい話ですが、この『素晴らしき日々』とは、偏在輪廻がもたらす仮初の日々であるという解釈になってしまうのでしょうかね?何か分かんなくなりました、やっぱり頭が足りないようですww
自分の中でこの作品に折り合いをつける事ができた方を私は純粋に羨ましく思います。中途半端に掘り下げれば掘り下げる程、理解が遠くなってしまう作品。考えるより感じる事を優先させて楽しむ事が大事なのかもしれませんね。折り合いをつける事は私にはどうやら無理そうです。そしてこれから先も私には理解できないのかもしれません。
あと、これからこの作品に触れてみようと思う方への私なりの助言です。【終ノ空】【素晴らしき日々】の連続プレイを推奨します。そのほうが、この【素晴らしき日々】を楽しむ事ができるポイントだと思っております。
この感想は、久々のやってしまった感全開ではありますが、ここまで読んで頂いた皆様ありがとうございました。点数は私の足りない頭で理解できなかった点を含めてこの点数にしています。本当はもっと高くていいとも思っておりますが。それではまた・・・