製作側の意図は十分感じられた。ADVのこれからを考える一つの試金石とするならば、この作品の存在は業界のこれからに少なからず影響をもたらす事となっていくのかもしれない。私は朱門さん信者とはいかないまでも、氏の描くシナリオが好きである。私個人はこの作品を結構楽しむ事ができた反面、このスタイルが果たして大多数のユーザーが求めているのか?と聞かれるならば、私はそうではない様な気がしてならない・・・
やはり朱門さん、今作もやってくれました!!というのが、作品に対しての印象の大部分を占める。わざわざ、ルート制を排除してまで、シナリオ重視と宣言していただけはあったな~と素直に感動。
『泣きべそ鬼』『紅葉伝説』『メビウスの環』をうまく織り交ぜ、尚且つ『優しさには痛みが伴う』というメッセージ性をそこに相乗するシナリオ。加えて、キャラクターの名前にきちんと意味を持たせる芸の細かさ。
人によっては説明が若干クドイ様に感じてしまうかもという点は否めないものの、しかしながら私としては【いつそら】(ブランドは違いますが、同じ朱門さんシナリオという事で・・・)の様なユーザーを置いてけぼりにしてしまう質の仕上がりよりは、この作品のスタンスの方がよっぽど好感を持てる。そしてこの作品をやり終え再認識した事は、朱門さんは題材に凝る性質の為、説明にある程度の尺が必要なんだな~と感じたという事ww
シナリオは驚きあり、ちょっぴり涙ありでとても良かったと思います。
ただ、シナリオ良かったと言いながらも、この作品のあり方に少なからず異を唱えるもう一人の私もいる訳です。心中とても複雑です。ADVというジャンルにおいて好みのヒロインが分かれる事は全くもって自然な事ではないでしょうか?それを考えるならば、この個別ルートなしというのは、いかがなものだろうと思えなくもない。ちょっと前にここで一本道知らないで購入したという声をお見かけしたが、OHPで分からないような商法は褒められませんね。
そこに加え、ユーザーを馬鹿にしているという気がしないでもないエロシーン。シーン3つで、フェラ×1・寸止め×1・本番×1ってこの内容はどうなんでしょう・・・
シナリオ重視の作品においてエロシーン微妙な作品というのは珍しくもなんともないのかもしれません。だが、この内容では、とってつけた感が見え見えで、言葉悪く言えば【見苦しい】の一言に尽きます。
何が言いたいのかと言うと、【エロゲとして出す必要があったのか?】という事が言いたいわけなんです。シナリオ重視に偽りがあったとは思いません、その点も考慮するならばもっと違う感じでの発売の仕方があった様に思えてなりません。
シナリオが良かったと思う反面、この様に文句がついつい出てしまうのが、誠に残念でならない。それでも、これだけの文句を書きながらも、この点数をつけているのは、朱門さんのシナリオ展開が好きだからなんですよね~。ここまでご覧頂いた方は薄々どころかバッチリお気付きでしょうが、こんな感じでどっちつかずな意見なんで、書いた私が言うのも可笑しな話ですが、
【全く持っていつも以上に参考にならない感想、ここに爆誕!!】
といった所です。いや~、いつもながらなのですが無駄なお時間取らせてしまいました。ここまで読んでくれた方々に感謝の意を込めると共に、【また機会があれば読んでくださいね♪】とか気持ち悪くアピールしつつ今回はここまで・・・