シナリオ云々はけっこうどうでもよくて、文章を装飾する時の言い回し、何より各所に散在するフォークロア、幻想文学と衒学趣味の入り混じった蘊蓄の数々が本領。そういう側面では鬼女√がいっちゃん好き。
むしろシナリオを評価するならば、渡し守√が最も尖っていた、何故なら渡し守√ではエロゲーマーにはお馴染みになっている√分岐メタ的に揶揄していると当初は思ったからだ。
主人公青年を一エロゲーマーと置き換え「あー、ブヒった。次ヒロインいくかー」と萌えー萌えーなヒロインとシチュをスナック菓子ごとく貪り、消費し続け、それでも満足しない業を、製作者は渡し守の姿を借りて、主人公、プレーヤーに薄情者と罵る。
いや、待て。そりゃ作り手にもブーメランじゃねえのかい、それならどうして製作者は次々とエロゲを生み出すのだい、と疑問が生じる。
何故なら渡し守は本心では主人公青年を愛している、過去と現在通して愛する心がある。製作者も同じだ、やっぱりエロゲが好きだから、次の萌えー萌えーなヒロインやシチュを生み出し続けるのだ。
なんて幸福のスパイラル。
まあ全部オレの手前勝手な解釈だけどね。