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fk14さんのホームメイドスイートピーの長文感想

ユーザー
fk14
ゲーム
ホームメイドスイートピー
ブランド
しるき~ずこねくと
得点
66
参照数
837

一言コメント

そもそもの初期設定に対する描写が薄すぎやしませんかね……

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

牡丹と白菊が居ながら授乳手コキが無いという、この世の終わりを突きつけられたような絶望はともかくとして……



赤の他人である主人公に釣られてほいほいと入居してくる設定に首を傾げつつスタートしたが、
その後も入居→各住人が仲良くなる描写が薄すぎる。これでは家族ごっこをさせている人形にしか見えない。
そもそもそれぞれ一般的ではない事情を抱えている人間をいとも簡単に集める時点でおかしいのだが……

そして、私の感性で物語を見ていると、出会ってすぐの主人公にお父さんとか弟くんとか
それぞれが求めていた像をすぐに主人公に求めることが出来たこと、主人公が応じたことも不思議。
牡丹は例外、栞は段階的な描写があったのでまだよかったが、残りの2人は最後まで違和感が残った。
小中学生くらいの子にお父さんと呼ばれてすぐ受け入れる大学生なんてこの世にどれだけいるんだ。



各ルートはまぁ凡作のキャラゲーくらいだったので特に何か言いたいことがあるわけでもないが、
あえて言うなら最後は全員バラバラのままのエンドの方が綺麗だった気はする。
家族の卒業がテーマではないのでこの〆方になったのかもしれないが。

関係ないが、お父さんと呼ばれている子に受け身とはいえ手を出す主人公にちょっと笑った。



いいところを挙げるなら、菜ノ花と茉莉花の仲良くなる過程、そして結菜の設定。
前者はそれこそすべての設定でこれくらい丁寧な描写をしてほしかったと思うくらい丁寧で、
後者は純粋に背景も含めて栞を助けるキャラとしての存在感がよかった。

あと、OPはボーカル無しの方がいいと思ったのは私だけだろうか。
イントロとかもう満点でしょ、家族モノのゲームトップで流れる曲として完璧。
ゲームを起動したときに、まるで実家に帰ってきたかのような安心感を覚えた。歌なしの方が断然好み。



とにかく、初期設定に対する描写が薄すぎて終始違和感を覚えながらプレイするゲームとなってしまった。
長くなったとしても、全体的にもっと丁寧な描写があれば家族モノとして評価も上がったかもしれない。