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fired-fishさんのアオナツラインの長文感想

ユーザー
fired-fish
ゲーム
アオナツライン
ブランド
戯画
得点
80
参照数
162

一言コメント

青春モノとしてのまとまちが良い感じ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

主人公(達観)のジメっとした感じが微妙にひっかかるゲームだった。
海希のルートをやると納得できるんだが、他ヒロインのルートだと小骨のようにひっかかる。

青春モノの主人公としては、アレな感じ。
ヒロイン勢が揃って、ズルい部分や黒い部分を持っているので、達観の悪いところが引き立ってしまう。
で、ヒロインの方も記号的な可愛いヒロイン達じゃないから、賛否はありそう。

結ルートはオーソドックスな内容なんだけど、結の強引さとかがよい感じに表れていた感じ。
結パパに言われたこともあるし、疑っちゃうのは仕方がない。
後ろ向きな部分があるのは事実だけど、納得できるレベル。

ことねルートは、ことねが可愛くてよい。
千尋に対する態度だけはいただけないが。
正直、千尋がいいやつなのに割り食ってる印象がすごい。
芸能関係を目指す話も青春といえば青春。
急にそっち方面に突っ走っていったから、期待とちょっと違う方向に行ったなーとは思った。
最後のオーディションの部分で、そのままエンディングのスタッフロールに行ったのは非常によい演出だったと思う。
5人での夏の話はアレで綺麗にまとまっているからね。

海希ルートはもにょる。
過去話の収束のさせ方的に、達観は海希が千尋狙いだと思うのは仕方がないと思う。
あの、決定的な一言が投げっぱなしで終わっているように読めるんだよね。
その一言の後で、達観と千尋が友人になって、そこに海希が合流したという流れで語られている。
達観視点だと、海希が合流してくる理由が千尋以外にない。
プレイヤーの視点だと海希のモノローグとかが入るから、明らかなんだけど達観にはその情報ないからね。
それでも海希とくっつくのは達観が海希のことが好きだからに他ならない。
海希はそれに思いっきり甘えている。
そこがズルイって感じてしまうと、海希というキャラクターを素敵なヒロインとして受け入れられなくなってしまう。
意識してなかった風に語られたけど、絶対に理解してるよね。この娘。
そう伝わるように描かれているし。

3人の終わりはまぁ綺麗。
そういう意味でも海希ルートを最後に回すのが読後感がよくなる。