いつもとは異なるベクトルの作品に、さく小の本気を見た
といっても、小さな子が出てこないわけではない……というかそれがメインではあるわけですが。
これまでと全く違うのは、さくさくお手軽ロリ抜きゲーではないということ。
いつもと同じ感覚で、いつエッチシーンが始まるんだろうと思っていたのは自分だけではないはず。
なにせ選択肢を選ぼうと選ぼうと、全くエッチシーンに突入すつ気配すらないじゃありませんか。
さらに最初の方こそ適当に流し読みしていたテキストも、読み進めると意外と普通に面白い。
まさかさく小がシナリオ路線で魅せてくるとは思ってもいなかったため、意外性は抜群でした。
さて、そのシナリオですが、ジャンル的にはちょっとミステリ要素を含むファンタジーといった感じです。
内容も、いじめなどといった子どもたちを中心にした社会問題をストーリーの根幹に上手く扱っています。
そういうわけで正直テーマ自体は少々重いですが、さく小らしいライトなノリもところどころで出しつつ、
事件を章分けすることでテンポ良く読み進めることができるため、読むのが苦痛になりませんでした。
そのため……かどうかはわかりませんが、エロに関してはこれまでよりかなり少なくなっています。
後半にはそれなりにエッチシーンも登場しますが、ヒロイン別の割合で見てもかなり偏りが大きく、
登場するエッチシーンのほとんどが本編のメインヒロインであるアヤノに集中しています。
さく小はエロだけでいいんだ、さく小にシナリオなんて期待していないんだ、という人には痛い部分かもしれません。
正直自分もナナ先輩のエッチシーンには期待していたので、ちょっと肩透かしを食らった感はありましたが、
それ以上に充実したシナリオになっているので、ロリに拒絶反応がない人には是非プレイしてほしいところです。
また、声優さんの起用などに関しても、今回はかなり力を入れてきたなというのがうかがえます。
登場人物がロリばかりなのに何故か超ベテラン声優さんばかり……というツッコミは置いておいたとしても、
モブキャラなどといったチョイ役に至るまで全て声があるというのは評価したいところですね。
特に調教師Jで出演していた一条さんですが、まさかさく小で夫婦共演が見られるとは思いませんでした。
演出やシステムなどといった部分だけを見ても、これまでのさく小以上に評価できるのですが、
さく小のライターさんがシナリオ面でこれほどのポテンシャルを秘めているとは思わなかった、というのが最大の感想です。
分割になっているため、攻略したかったナナ先輩のルートが次回に持ち越しというのは正直もどかしいところですが、
これほどのクオリティの高さを見せつけられては期待しつつ続編を待たざるを得ません。
価格面などを考慮しても、並みの商業作品以上に良く出来た同人作品と言っても過言ではないと思います。