なんて回りくどい姉ゲー
評価が高いのと設定が気になったのでいまさらやってみた
泣きゲーはあまり好きじゃないし、もしかして「リベリオン」観ときゃ２時間で済む話じゃね？とか
期待する一方でやや半信半疑な面もあったわけですが
終わってみて印象に残ったのは「総体として」良くできてるなーと。
まず骨子になってるストーリー展開はSFディストピア物の王道。
そこに物足りなさを感じなくもないし補強した設定部分や展開にはツッコミ所もあるが
背骨の部分を概ねそのまま持ってきてるんだから流石にブレが無い。
肉付けはヒューマンドラマ。怠惰・親からの自立・コミュニケーション不全という
ダメ人間的に直球なテーマに対し、上から目線でなく当事者と一緒になって
苦しみ解決していく過程に素直に共感できる。
テキストはテンポ良く読めるし無力な完璧超人という主人公の立ち位置もいい。
三章の結末は心情的にどうよと思うけどまぁ確かに余人の入る問題じゃないし
その後の幸せがどうとかより灯花が自力で選んだことがテーマ的に重要なんだろなー
で、皮として18禁ギャルゲーでコーティング。
むしろ皮袋に中身をギュッと詰めたというべきか、ちゃんとギャルゲーになってます。
つーかドラマとしての出来が良くてもあれでキャラクターが男のガキだったら
高コストの娯楽作品としては速攻で見放してる(笑
最後に製作者の情熱という血液を通わせて18禁総合エンタテイメントの出来上がり。
一本道と散々言われてるけど選択肢はむしろ多く、適量に用意されたバッドエンドも
なかなかの粒ぞろい。直列繋ぎの構成も面白いしむしろAVGとして意外と楽しめた。
他にもアクションやらトリックやらよくここまで詰め込んだなーとか法月かっけぇぇぇｗとか。
BGMやビジュアルも込みで一瞬のシーン、カットの見せ方にセンスと迫力があり、OPから引き込まれる。
理屈抜きの「それ」を一番の評価軸にする人には特に向いてるんじゃないかなー。
ま、ウダウダと書きましたが結局のところ
「問題は『日本』にしろ、この『国』にしろ、そんな世の中でどうやって生きていくのかと」
「おれみたいなペーペーがどうやって姉貴と愛を叫ぶのかと、そういう話だ」
(冒頭より)
そういう話です。
もっと早くプレイしときゃよかったよ
あーもう食わず嫌いはつくづく良くないね。では。