システムはもはや古く、今ではストレスを感じさせると思いますが、青春の一ページを表現している作品という点では、ピカイチだと思います。現在の恋愛18禁ゲームの教科書的作品です。追記:小説もこの手のモノを題材とした中では、最高傑作。古本屋で安く売っていたら読んで見ても良いのでは。ベストヒロイン・・・田中 美沙
アダルトゲームの歴史を語る上でまず最初に挙げられる作品であることは間違いないでしょう。
元祖萌えゲー。
よくよく考えてみますと、ヒロイン達はあらゆる属性が存在し、バラエティあふれる設定で、最初で最高のモノを揃えていることが分かります。
古い作品なのでヒロインごとのシナリオのクオリティは玉石混合なのですが、ヒロイン達の設定を挙げてみると、
学園のアイドルで典型的なお嬢様。
男友達みたいな仲の勝気で生意気なスポーツ少女。
主人公に片想いしている内気な子。
親友の彼女。
なんでも言い合える仲のはずの幼馴染。
典型的なお堅い女教師。
色気あふれる派手系美人の保険医。
長く美しい黒髪の女子大生。
隣の家の人妻。
仲が良い近所のお姉さん。
ナンパした家庭的な女性。
危険な香りの風俗嬢。
仕事熱心な看護婦。
逆ナンパしてきた気さくなOL。
…なんというか男の夢という名の妄想が詰まった素晴らしい献立だと思います。
ベタな設定という御意見もあるとは思いますが、逆に言えばそれだけ基本的ということなのです。
何事も基本が大事、地味でも一番威力があるのはローキック、ピカソも最初は精密画を描いて、そこからシュールレアリズムをあみ出したそうです。
現在のアダルトゲームのヒロイン達の表向きはともかく、内面の性格の根本はこの作品と後の「同級生2」に集束されているのではないかとまで思います。
そこに加えて高校(あえて言う)最後の夏休みという黄金のシチュエーション。
「青春」という言葉はもはや死語かもしれませんが、言わないだけで誰にでもその時期があるのは確か。
その時に何を経験したかで一生が決まると言っても過言ではありません。
その点でこの作品のエンディングの描きかたは、まさしくその青春時代の出会いが後の人生にも大きく影響することを暗示、あるいは明示しているという描き方、すなわちて「結ばれてそれから数年ないしは数十年後の未来」という物であり、すごく好きです。
ごく個人的な考えだとは思いますが、やはりエンディングはヒロインと結ばれて、ハイ終わりではあまりにも寂しい。
結ばれたその先にある幾多の困難、それらにも負けないでより一層繋がりを増した2人、そんな感じのEDの方がロマンがあって嬉しい気がします。
ちなみに女の子のバリエーションも豊富ですが、脇役となる男達も良い味出してい
ます。
二次元のゲームキャラとはいえ、それぞれが若さゆえの悩みをかかえており、物語に深みと現実感を与えているように感じます。
彼らは良い意味でヒロイン達の引き立て役となっており、まるでハンバーガーの中のピクルス、カレーに添えた福神漬け、寿司のガリみたいだなぁと。