久しぶりに「ゲーム」として楽しめる作品をプレイしたという印象です。アリスソフトの実力を再確認できます。ただ「ハイパー兵器」は勘弁願いたい。
「ゲームバランスがいい」と一言で言うのは簡単ですが、実際に制作するとなると難しいんだろうと思います。
例えばビュジュアルノベルみたいなシナリオメインのゲームならばライターの力量次第で評価が大きく分かれます。
しかしこの作品ですとまず最初にプログラマーの腕が問われ、シナリオライターもシナリオが壮大なだけに隅々にまで気を配らなければならず、原画家も当然作業量が膨大なモノに、当然音楽面も負けるわけにはいかず、そしてそれらをまとめ上げる監督が必要と、とにかくスタッフ一人一人の地力と連携がものをいう事になります。
これらを考えますと、本作がADVがほとんどのエロゲー界にとって、いかに価値があるかわかります。
ゲーム内容そのものを評価しますと、
・難易度は高い、けどバランスがいいから面白い。
・細かいシナリオ、設定が嬉しい。
・キャラクターが膨大なのに、一人一人に味がある。
・幸、不幸エンドがあるせいで、何度もプレイできる。
・選択肢でのシナリオ分岐に幅があり、自由度が高い。
というようなのが私が感じいった所です。
だらだら良い所を書き綴りましたが、当然悪い所もあります。
・欲しい所にHシーンが無いまたは少ない。
・CG一枚の使いまわしのHはさびしい。
・ランスのHシーンは一本調子な上にテキストから言っておかずに使えない。
といった所がそれ。
もちろん古いゲームなので、今の水準から言えばしょうがない事ではあるのですが。
しかしアリスソフト様はこれだけの作品をWin初期に作り上げたというだけでも称賛に値しますし、マニュアルやおまけの豪華さに見られるようにユーザーフレンドリーで、エロゲーユーザーにとって本当に有り難いメーカーだと思います。
さすが大阪商人。
本作の評価を結論付けますと、「老舗のアリスソフトだから作れた奇跡の作品」だと言えます。