この作品がなぜここまで私(読み手)をどうしようもなく惹きつけてしまうのか。その要因は単純明快で、この18禁ノベルゲームというジャンルにおいて、同じ土俵で比較する作品がほぼないに等しいからだと思います。このジャンルにおいて一見作品の扱うテーマとして根幹をなしていると思われる"恋愛"はおまけとして扱われ、セックスシーン(18禁)を演出するための前座としか機能していない作品が非常に多い。だがWHITEALBUM2という作品は、人が生きていくうえで経験するかもしれないほんの一部である"恋愛"というものをきりだして主軸においた珍しい作品だ。考えてみれば"恋愛"というテーマは、もしかしたら非常にうつろいやすく扱いにくく定義しづらいテーマなのかもしれない。
この作品がなぜここまで私(読み手)をどうしようもなく惹きつけてしまうのか。
その要因は単純明快で、この18禁ノベルゲームというジャンルにおいて、同じ土俵で比較する作品がほぼないに等しいからだと思います。
いつだってこの18禁ノベルゲームというジャンルは、人の生死や世界の平穏が脅かされていたり、剣や魔法を扱うファンタジーの世界が舞台であったり、それらは非現実であり現実世界では決して体感することのできない設定を根幹においている作品が非常に多い。
それでは非現実的要素の少ない学園者はどうなのか。
この業界においてもはや当たり前のように主人公の側にいる幼馴染や義理の妹や姉、そんな設定が非常に多い。
そしてなによりも、一見作品の扱うテーマとして根幹をなしていると思われる"恋愛"はおまけとして扱われ、セックスシーン(18禁)を演出するための前座としか機能していない作品が非常に多い。
だがこのWHITE ALBUM2という作品は違う。
非現実設定なんてない。
幼馴染や義理の妹や姉、そんな設定すらない。
そして最初から築きあがっている絆なんてない。
はじまりはなにもない、あるのは有名ピアニストの娘とミス付属の女の子という他の作品に比べれば些細なもの。
彼らが出会ったのは付属時代、そこから積み重ねたものが彼らをつくっている。
もちろん上記にもあるとおり多少の生い立ち(設定)による登場人物の造形はある。
でも、主人公たち三人が出会い歩みを始めると同時に、私たちも一緒にこの作品の読み手として歩みはじめ、ただの男と女と女によって生まれる"恋愛"を主軸として扱った作品は非常に少ないように思う。
この"恋愛"は、人によってその人の人生を占める割合は異なり、些細なものでしかないのかもしれない。
でも人は、出会いそして別れるまでの間に"恋愛"を挟むことによってときに貴重で得がたい経験を積むのかもしれない。
それは暖かな想いであったり、丸戸作品に多くみられる当事者が思うよりもちょっとだけ優しい世界かもしれない。
だが恋愛はそれだけではない。
ときに恋愛がもたらす想いは、ファンタジーの世界で扱われるような剣や魔法を遥かに凌ぐとてつもない攻撃力を持ち、人の心に耐え難い痛みをもたらしてしまうかもしれない。
当事者を包み込んでいたちょっとだけ優しい世界は一転し、その人を蝕むような痛みを伴うかもしれない。
そして"恋"はしても相手に届かず"愛"してもらえないことだってあるかもしれない。
WHITEALBUM2という作品は、人が生きていくうえで経験するかもしれないほんの一部である"恋愛"というものをきりだして主軸においた珍しい作品だ。
P.S 考えてみれば"恋愛"というテーマは、もしかしたら非常にうつろいやすく扱いにくく定義しづらいテーマなのかもしれませんね
久しぶりにゲームの感想を書いたけど、相変わらずよくわからない感想文になってしまい泣けてくる…。