演出は悪くないものの、物語は必要最小限で、テキストはつまらなくて、キャラづくりには問題がある。そんな中身の本作ですが、その中身を収める、萌えゲーの器とも言うべき部分である絵と声は、疑いようも無く強力豪華。この絵が好きで且つ、好きな声優さんが複数いるという方なら問題無く萌えられるのではないでしょうか。
…………とは言うものの
これだけ豪華な器を用意といて、これが限界かいっ!
という悲しいツッコミはせざるを得ません。
出来の悪い萌えゲーが陥りがちなことではあると思うのですが
〈属性=ヒロインの人格〉なんていうキャラ創りしちゃ駄目ですよ?
『てんぷれっ!!』というタイトルということで
テンプレな属性をふんだんに盛り込んだ《可愛い》ヒロインを創ったつもりだったのでしょうが
出来上がったのは
属性通りのテンプレ言動を繰り返すだけの薄っぺらなキャラクター。
言ってしまえば【属性bot】です。
それでも当たり障りのないことを言ったりやったりしてる間は
こちらが頭空っぽにしてお付き合いしていれば、さほど問題は無いのです。
(むしろ前述したように器が豪華なのでそれでもそれなりには可愛い)
ですがこの作品2名ほど、理不尽系ツンデレ(ツンデレなのかこれ?)がおりまして
その方たちの言動がとにかくよろしくない。
特に凜音さん、あなたです。
主人公に瑕疵の無いラッキースケベでブチ切れる(とてもうるさい)
星七が星七の意志で主人公にくっついているとブチ切れる(もちろん主人公が)
特に何も起こっていないにも関わらず妄想を膨らませてブチ切れる(失笑)
その理由についても、個別√で本人が最低と認めてしまうほど自己中なもので
テンプレはテンプレでも悪しき前例を踏襲してしまっている、とても残念なヒロインでした。
まぁこの凜音も含めて、一応個別√に入ると
属性を離れた人格っぽいものが芽生えては来るので
個別に関しては、無残だった共通√よりはずっと楽しめました。
特に未依√。
この娘、メイドという割にメイド服着ているだけで
ろくすっぽメイドらしいことしてないよなーと思っていたらまあ驚き。
そもそもメイドじゃなかったと。
不覚にも茉理お嬢様と立ち絵が並んで立つまで、二人がそっくりな事にも気づきませんでした。
(絵師さんが同じだから同じ雰囲気なんだろう、という程度の認識でして。瞳の色同じじゃねーか)
それ以外にもこの√は
二人の好感度が高まっていく感覚とか
付き合い始めてからも順序良く関係を深めていく流れとか
最後は王道(まさにてんぷれっ!!)ウエディングドレスで締めるとか
ワタクシ好みの恋愛描写と、安定した物語展開を
他√より快適なテキストで描いてくださっていて
ワタクシにとって、頭一つ抜けた良さを提供してくれたお話と相成りました。
絵は強い声も強い
そして後姿立ち絵を使った演出力も高い
しかも案外出来の良い√も存在する
かなり辛らつに文句を並べてしまいましたが、最後まで終わってみれば
難しく考えることも無く、そこそこ萌えてそこそこ楽しめて
ちょっと頭のひと休みといった感じの
ホッとする一本になったのでした。
★☆彡★ 蛇足 ☆★彡☆
・ところでこの作品、あるごる関係ぶん投げましたよね。
TMPLって何やねん。
星とあるごるはもっと物語に重要な何かを与えてくれると期待しておりましたが
見事に何もなく。
本当にお話に関しては最小限だったなぁと思う次第です。
・で、星七√の途中、唐突に星七と話し始めましたよねこのハムスター。
主人公としか意思疎通出来なかったはずなのに。
何があったのか、これから何かあるのかと期待してしまいましたが、これもぶん投げ。
重要な部分が雑過ぎやしませんか?
・Hシーンは〇
初Hは全裸正常位が良いのです。変に凝らなくて良いのです。
惜しいのは脱がし。
途中までは良かったものの、最後にブラとパンティを同時に脱がしてしまう差分のサボり。
処女恥じらい厨(?)のcyokin10wとしては
初めておっぱいを晒す恥じらいと、初めておま〇こを晒す恥じらいは、別々に味わいたいのです。
ですのでどーか全てのブランドさん(範囲広)、ここの差分だけはサボらないようお願いします。
その分他の差分サボっていいから(ぇ)
なんなら新規CG一枚減らしてもいいからっ!(必死過ぎる)
・そんなワタクシの性癖はさておき
全体的にHシーンは頑張っていたような気がします。
CIRCUSの作品は7本目(だったか?)ですが
シーン数も内容も、一番充実していました。
これからも継続して欲しい部分です。
・声は皆さま強かったのですが、いささか声のつくりが過剰だったかなぁとも。
そういう演技のオーダーだったのでしょうけど
特に花澤さくらさんと秋野花さんは、微妙に演じ辛そうにしているような。
(ポサラさんは変に清楚に造るより、今回のような声の方が力みが抜けてる感があって好きかも)
上手い方ばかりなので期待していた演技の部分では
ちょっと物足りなさを感じてしまいました。